コンテンツにスキップする

外国為替証拠金(FX)及びCFD取引はレバレッジ取引であり、元本や利益が保証されていません 外国為替証拠金(FX)及びCFD取引はレバレッジ取引であり、元本や利益が保証されていません

ドル円見通し(10/1):米政府機関閉鎖、長期化ならドル安警戒、円高重なれば146円台へ下落も

米連邦政府の予算が米東部時間10月1日未明に失効し、政府機関の一部が閉鎖されることになった。閉鎖期間の長期化はドル安要因として警戒したい。日銀の10月利上げ確率が60%台へ上昇している。米ドル安と円高が重なれば、ドル円は146円台へ下落する可能性も。目先、注目のチャート水準についてIG証券のアナリストが解説。

Source:Bloomberg Source:Bloomberg

要点

米上院が30日、当面の予算を確保するつなぎ予算案を否決。連邦政府の予算が米東部時間1日午前0時(日本時間1日午後1 時)過ぎに失効し、政府機関の一部が閉鎖されることになった。閉鎖期間が長期化すれば米ドル安の進行を警戒したい。日銀の10月利上げ確率が60%台へ上昇している。2日の内田副総裁、3日の植田総裁発言に注目。米ドル安と円高が重なる場合、ドル円は146円台へ下落する可能性が高まろう。一方、反発の局面では149円のトライが焦点となろう。



予算失効で米政府機関閉鎖、長期化ならドル安警戒

米上院は30日、共和党と民主党のつなぎ予算案をいずれも否決した。米連邦政府の予算が米東部時間1日午前0時(日本時間1日午後1時)過ぎに失効し、政府機関の一部が閉鎖されることになった。米CNNやロイターの報道によれば、週内にも共和党の上院指導部が再度採決を行う予定があるという。しかし、年末に期限を迎える医療保険補助の延長を巡る共和党と民主党の対立が解消されるかは不透明だ。

目先は、閉鎖期間が焦点となろう。第1次トランプ政権時の2018年12月22日から2019年1月25日にかけて、35日間政府機関が閉鎖された。この間、外為市場は米ドル安優勢の展開となった。

関連記事
ドル円 週間見通し (9/22週):予想レンジ146~149円、日米金利と米PCEデフレーターに注目

今回も外為市場では米政治リスクが意識され、今週に入り米ドル安が進行している。ドル指数(DXY)は再び50日線(98ポイント)がレジスタンスラインとして意識される状況にある。

米ドルとドル指数の変動率:9月29日~30日

米ドルとドル指数の変動率:9月29日~30日

ブルームバーグの為替データを基に作成


今週は円高優勢、日銀の要人発言に注目

米ドルとは対照的に、今週の円相場は対主要通貨(G10通貨)で上昇している。

OIS(オーバーナイト・インデックス・スワップ)市場では、10月会合での利上げの予想確率が60%台まで上昇している。ドル円(USD/JPY)に加えて、最高値圏にあるユーロ円やスイス円が下落している状況も考えるならば、早期利上げの観測が、行き過ぎた円安の調整要因になっていると思われる。

2日に日銀の内田副総裁が全国証券大会に出席、3日に植田総裁が大阪経済4団体共催懇談会に出席する。経済や金融政策について言及する場合、市場の利上げ期待を高める発言があれば、短期的な円高を警戒したい。

日本円の変動率:9月29日~30日

日本円の変動率:9月29日~30日

ブルームバーグの為替データを基に作成

30日に公表された9月日銀会合の「主な意見」では、米国経済と関税の影響についての見解が分かれた。利上げについても慎重な意見と前向きな意見が見られた。前向き意見は9月会合で利上げを主張した審議委員によるものと推察される。

少なくとも筆者は、主な意見から10月利上げについての明確なヒントを得ることはできなかった。このため、今後の日銀の政策運営に当たっては米国経済と各国の通商政策が国内の物価と賃金の見通しに与える影響、そして為替を注視していく必要があると考える。

個人的に注目しているのが円相場の動きである。為替は日銀の政策ターゲットではない。しかし、急激な円相場の変動は物価に大きな影響を与える。10月も円安基調が続けば、インフレ抑制のために利上げに踏み切る材料となる可能性がある。

しかし、米政府機関の閉鎖が新たなリスク要因として浮上している。閉鎖が長期化すれば米経済の不透明感が高まり、国内経済への影響を注視する必要性が出てくる。外為市場で米ドル安が進行すればドル円(USD/JPY)の上昇も抑制され、日銀は政策判断で苦慮するだろう。一方、OIS市場では利上げ観測の後退が予想される。

より複雑化する情勢を考えるならば、現在の円高がトレンドとなる可能性は現時点で低いと筆者は考えている。

日銀 10月会合の予想利上げ確率の推移:2025年6月以降

日銀 10月会合の予想利上げ確率の推移:2025年6月以降

ブルームバーグのデータを基に作成 / OIS市場の予想確率(10月1日13時時点)


ドル円の見通しとテクニカル分析

注目のサポートライン
ドル円(USD/JPY)の1ヶ月のリスクリバーサルがドルプットへ傾く状況にある。1週間のリスクリバーサルはドルコールからドルプットへ転じつつある。予想変動率(1週間・1ヶ月)は10%以下の低水準で推移しているものの、徐々に上昇している。米政府機関閉鎖の期間と日銀の利上げ観測次第で、ドル円は下値をトライする可能性がある。

ドル円のリスクリバーサル:2025年5月以降

ドル円のリスクリバーサル:2025年5月以降

ブルームバーグのデータを基に作成

29日のIG週間為替レポートでは、今週のドル円(USD/JPY)の予想レンジ下限を148.00レベルとした。しかし、このラインを下方ブレイクしていることで、今週は146.00ラインをトライする可能性が出てきた。146円台へ下落を見極める上で、以下にまとめたサポートラインの攻防に注目したい。

関連記事
ドル円 週間見通し(9/29~10/3):予想レンジ148円~151円、米雇用指標に注目、10/3に9月雇用統計

昨日のドル円は、50日線(現在147.77レベル)でサポートされた。しかし、米政府機関の閉鎖を受け、現在はこの移動平均線を下方ブレイクしている。次の下値ターゲットである1時間足チャートのフィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準147.18のトライを想定したい。このテクニカルラインの攻防は、147円維持の攻防でもある。

ドル円が147.00のラインを下方ブレイクする場合は、89日線(現在146.72レベル)のトライを想定したい。89日線を下方ブレイクすれば、今週146.30~50のレンジで推移する短期サポートラインをトライするサインとなろう。

ドル円が短期サポートラインを下方ブレイクする場合は、146.00の攻防を意識したい。

サポートライン
・147.77:50日線(日足)
・147.18:61.8%戻し(1時間足)
・147.00:サポートライン(日足)
・146.72:89日線(日足)
・146.30~50:短期サポートライン(日足)
・146.00:重要サポートライン(1時間足)

反発の局面では149.00の攻防が焦点に
一方、ドル円(USD/JPY)の反発局面では、149.00のラインを再びトライするかが焦点となろう。この水準を目指すサインとして、目先はレジスタンスラインへ転換する可能性がある148.50レベルの攻防に注目したい(1時間足チャート、黒矢印を参照)。このラインの上方ブレイクは、149.00をトライするサインと捉えたい。

ドル円が149円台へ反発する場合は、150円の再トライが焦点となろう。先行きは不透明だが、米政府機関の閉鎖が短期間で終息するかその可能性が浮上する場合は、米ドルの買い戻しと上記レジスタンスラインの攻防を意識したい。

レジスタンスライン
・150.00:心理的ライン(日足)
・149.00:レジスタンスライン(日足)
・148.50:レジスタンス転換の可能性(1時間足)


ドル円の日足チャート:2025年4月以降

ドル円の日足チャート:2025年4月以降

TradingView提供のチャート

ドル円の1時間足チャート:9月下旬以降

ドル円の日足チャート:2025年4月以降

TradingView提供のチャート


本レポートはお客様への情報提供を目的としてのみ作成されたもので、当社の提供する金融商品・サービスその他の取引の勧誘を目的とした ものではありません。本レポートに掲載された内容は当社の見解や予測を示すものでは無く、当社はその正確性、安全性を保証するものではありません。また、掲載された価格、 数値、予測等の内容は予告なしに変更されることがあります。投資商品の選択、その他投資判断の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたしま す。本レポートの記載内容を原因とするお客様の直接あるいは間接的損失および損害については、当社は一切の責任を負うものではありません。 無断で複製、配布等の著作権法上の禁止行為に当たるご使用はご遠慮ください。

IG証券のFXトレード

  • 英国No.1 FXプロバイダー*
  • 約100種類の通貨ペアをご用意

* 英国内でのCFDまたはレバレッジ・デリバティブ取引(英国でのみ提供)での取引実績において、FX各社をメイン口座、セカンダリー口座として使用している顧客の割合でIGがトップ(Investment Trends UKレバレッジ取引レポート 2022年6月)

リアルタイムレート

  • FX
  • 株式CFD
  • 株価指数CFD

※上記レートは参考レートであり、取引が保証されるものではありません。株式のレートは少なくとも15分遅れとなっております。

モーニングメール

ストラテジストによる「本日の予想レンジとトレンド」を毎朝※無料でお届け中! デモ口座のみお持ちのお客さまには、2週間の期間限定での配信となります。受信を継続するにはライブ口座の開設をお願いいたします。 ※メール送信は基本的に月~金の平日を予定しておりますが、ストラテジストの都合により予告なく送信を行わない日がございますので、予めご了承ください

弊社の個人情報保護方針・アクセスポリシーにご同意の上、申し込みください。

こちらのコンテンツもお勧めです

IG証券はお取引に際してお客様がご負担になるコストについて明確な情報を提供しています。

FX/バイナリーオプション/CFDのリーディングカンパニー。IG証券について詳しくはこちら

その日の重要な経済イベントが一目でわかるカレンダー。「予想値」、「前回値」、「発表結果」データの提供に加え、国名や影響度によるイベントのスクリーニング機能も搭載。