コンテンツにスキップする

外国為替証拠金(FX)及びCFD取引はレバレッジ取引であり、元本や利益が保証されていません 外国為替証拠金(FX)及びCFD取引はレバレッジ取引であり、元本や利益が保証されていません

ドル円、日銀の利上げ観測後退と米経済指標で上昇幅拡大 注目の米雇用統計 さらなる上振れも急反落も

日銀イベントと米国の経済指標を受け、ドル円が145円台へ上昇している。2日の東京時間では146円を視野に上昇幅がさらに拡大している。今晩の米雇用統計次第では、さらなる上値のトライも急反落もあり得る。

Source:Bloomberg Source:Bloomberg

記事の概要

ドル円の上昇幅が拡大している。今日の東京時間では、145.90台まで上昇する局面が見られた。日銀の追加利上げの観測が後退している。昨日のISM製造業景気指数に続き、今晩の米雇用統計が労働市場の底堅さを示唆する内容となれば、ドル円のさらなる上値トライが予想される。146円台へしっかりと上昇すれば50日線のトライが視野に入ろう。だが、トランプ関税の影響による景気の先行き不安は根強い。米雇用統計で労働市場の軟化が示される場合、その内容次第ではドル円の急反落を警戒したい。144円のサポート転換が焦点となろう。


日銀の追加利上げ観測後退、強い米経済指標、ドル円は146円が視野に

日銀は1日の金融政策決定会合で政策金利となる無担保コール翌日物金利の誘導目標を0.5%に据え置いた。公表された経済・物価情勢の展望(展望レポート)では、今年と来年の経済成長の見通しとコア消費者物価指数(CPI / 除く生鮮食品)の見通しを下方修正した。新たに示された2027年度のコアCPIの予想中央値は1.9%となった。

日銀は基調的な物価の上昇率が目標としている2%に届くとの見通しが実現すれば、追加の利上げをする姿勢を維持している。だが、植田和男総裁は日銀会合後の定例会見で、各国の通商政策などの影響による不確実性(海外経済の減速、国内企業の収益減少、成長ペースの鈍化)に言及した。追加の利上げについては、関税とその影響を慎重に見ていく必要があり、適切な時期を示すのは難しいとの見解を述べた。

一連の日銀イベントを受け、短期金融市場では追加利上げの時期が後ずれするとの観測が高まっている。「年内追加利上げなし」の方向にじわりと傾いている。今回の日銀イベントは円安の圧力を強めた。米ドル高も重なり、ドル円(USD/JPY)は今日の東京時間序盤に145.90台まで上昇する局面が見られた。146円が視野に入る。

経済・物価情勢の展望(展望レポート)

経済・物価情勢の展望(展望レポート)

出所:日銀 / 対前年度比(%) / 政策委員見通しの中央値
※※カッコは1月時点の見通し

4月の米ISM製造業景気指数は48.7と、5カ月ぶりの低水準となった。低下は2か月連続となった。だが、ブルームバーグ予想の47.9は上回った。また、先行指標の新規受注は前月の45.2から47.2へ、雇用は44.7から46.5へそれぞれ改善した。

ISM製造業景気指数の結果に米国市場は「株高 / 金利の上昇」で反応した。米金利の上昇は米ドル高を促した。日米利回り格差の拡大を受け、ドル円(USD/JPY)は145円台へ上げ幅が拡大した。


米雇用統計を警戒、ドル円はさらなる上振れも急反落もあり得る状況に

現在の外為市場で注目すべき点が2つある。一つは米ドル安が一服していることである。直近1週間の動向を確認すると、対主要通貨で米ドル高優勢の状況にある。ドル指数(DXY)は節目の100ポイントを突破してきた。

南アランドやブラジルレアルなどの新興国通貨では、米ドル安優勢の状況にある点にも注目したい。ダウ平均S&P500が8日続伸のなか、リスク性の高い新興国通貨が対米ドルで上昇している状況は、トランプ関税のリスクを意識した相場がひとまず終息していることを示唆している。

米ドルの動向:4月25日~5月1日

米ドルの動向:4月25日~5月1日

ブルームバーグの為替データで筆者が作成

トランプ相場が下火になっている現状を考えるならば、今晩の米雇用統計がISM製造業景気指数に続き予想を上回る場合は「米金利の上昇→米ドル高」、予想を下回る場合は「米金利の低下→米ドル安」という従来の相関関係が予想される。

今晩の米雇用統計で労働市場の底堅さが確認される場合、日米の利回り格差が拡大することが予想される。ドル円(USD/JPY)はさらに上値を目指す展開を想定したい。

一方、アメリカ経済を支える雇用の先行き懸念を強める内容となれば、景気減速の可能性を市場参加者に意識される要因となろう。米連邦準備制度理事会(FRB)による利下げ期待も高まることが予想される。このケースでは、「米金利の低下→日米利回り格差の縮小→ドル円の反落」を想定したい。なお、雇用統計が予想よりも下振れる場合は、その内容次第では米金利の低下幅が拡大しよう。ドル円の急反落を警戒したい。

米国の雇用統計 各項目の動向:直近1年間の動向

米国の雇用統計 各項目の動向:直近1年間の動向

ブルームバーグのデータで筆者が作成 / 赤の棒グラフとドット:4 月の予想


ドル円 今日の見通しとテクニカルライン

146円と50日線の攻防
ドル円(USD/JPY)のリスクリバーサル(1週間と1ヶ月)は、日米の各イベントで上下に振れながらも、マイナス幅が縮小の傾向にある。米ドル高・円安の見方が強まっている状況を示唆している。今晩の米雇用統計で労働市場の底堅さが示される場合、ドル円は以下にまとめたレジスタンスラインの攻防に注目したい。

ドル円とリスクリバーサル:年初来

ドル円とリスクリバーサル:年初来

ブルームバーグのデータで筆者が作成

米雇用統計が米ドル高の要因となれば、まずは146.00レベルの攻防が焦点となろう。今日の東京時間に、レジスタンスラインとして意識されている日足の一目基準線を突破してきた。

ドル円が146円台の攻防へシフトする場合は、4月の2日高値と22日安値のフィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準146.45レベルの攻防に注目したい。このテクニカルラインをも突破すれば、IG為替レポートで注目している50日線を意識することになろう。この移動平均線は今日現在、146.84レベルまで低下している。4月27日のIG週間為替レポートでは、この移動平均線を週間予想レンジの上限として取り上げた。4月30日のIG為替レポートでは50日線トライの可能性が低下していると述べたが、昨日の急上昇でその可能性が再び高まっている。

米雇用統計が大きく予想を上回る場合は、50日線を突破する可能性も想定しておきたい。この移動平均線の上方ブレイクは、147.00レベルをトライするサインとなろう。

レジスタンスライン:日足
・147.00:レジスタンスライン
・146.84:50日線
・146.45:61.8%戻し
・146.00:レジスタンスライン
・145.55:一目基準線

144円のサポート転換が焦点に
1時間足のRSIは買われ過ぎの水準でデッドクロスへ転じている。今晩の米雇用統計で労働市場の先行き懸念が強まる場合は、ドル円(USD/JPY)の下落を想定したい。一気に146円を視野に上昇幅が拡大している状況で、雇用統計が予想を大きく下回る内容(労働市場の急速な軟化を示唆する内容)場合は、ドル円の「急反落」を警戒したい。144.00レベルがレジスタンスラインからサポートラインへ転換するかどうか?下落相場ではこの点が焦点となろう。

ドル円が144.00レベルをトライするサインとして、まずは145.00の下方ブレイクを確認したい。144円台へ反落する場合は、144.60-70ゾーンの攻防に注目したい。144.60レベルはフィボナッチ・リトレースメント38.2%の水準にあたる(レポート掲載時点)。昨日の動きとテクニカル分析の観点から、これらの水準がサポートゾーンとして相場を下支えする可能性がある。

ドル円が、サポート転換の可能性がある144.20レベルをも下方ブレイクすれば、144.00をトライする展開を想定したい。なお、144.20レベルは半値戻しの水準にあたる(レポート掲載)。

サポートライン:1時間足
・145.00:サポートライン
・144.60~70:38.2%戻し、サポートゾーン
・144.20:半値戻し、サポート転換の可能性あり
・144.00:サポートライン


ドル円のチャート

日足:3月下旬以降

日足:3月下旬以降

出所:TradingView

1時間足:4月30日以降

1時間足:4月30日以降

出所:TradingView


本レポートはお客様への情報提供を目的としてのみ作成されたもので、当社の提供する金融商品・サービスその他の取引の勧誘を目的とした ものではありません。本レポートに掲載された内容は当社の見解や予測を示すものでは無く、当社はその正確性、安全性を保証するものではありません。また、掲載された価格、 数値、予測等の内容は予告なしに変更されることがあります。投資商品の選択、その他投資判断の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたしま す。本レポートの記載内容を原因とするお客様の直接あるいは間接的損失および損害については、当社は一切の責任を負うものではありません。 無断で複製、配布等の著作権法上の禁止行為に当たるご使用はご遠慮ください。

IG証券のFXトレード

  • 英国No.1 FXプロバイダー*
  • 約100種類の通貨ペアをご用意

* 英国内でのCFDまたはレバレッジ・デリバティブ取引(英国でのみ提供)での取引実績において、FX各社をメイン口座、セカンダリー口座として使用している顧客の割合でIGがトップ(Investment Trends UKレバレッジ取引レポート 2022年6月)

リアルタイムレート

  • FX
  • 株式CFD
  • 株価指数CFD

※上記レートは参考レートであり、取引が保証されるものではありません。株式のレートは少なくとも15分遅れとなっております。

モーニングメール

ストラテジストによる「本日の予想レンジとトレンド」を毎朝※無料でお届け中! ※メール送信は基本的に月~金の平日を予定しておりますが、ストラテジストの都合により予告なく送信を行わない日がございますので、予めご了承ください

弊社の個人情報保護方針・アクセスポリシーにご同意の上、申し込みください。

こちらのコンテンツもお勧めです

IG証券はお取引に際してお客様がご負担になるコストについて明確な情報を提供しています。

FX/バイナリーオプション/CFDのリーディングカンパニー。IG証券について詳しくはこちら

その日の重要な経済イベントが一目でわかるカレンダー。「予想値」、「前回値」、「発表結果」データの提供に加え、国名や影響度によるイベントのスクリーニング機能も搭載。