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金価格、米格下げでも上値が重い 反発条件は米ドル安の再燃

NY金の下落が一服している。しかし上値は重い。反発の鍵は米ドル安の再燃にある。金価格、目先の見通しについて。

Source:Bloomberg Source:Bloomberg

概要

NY金の下落が一服している。しかし上値は重く調整売りの相場から脱しきれていない。金価格が反発相場へ転じることができるのかどうか?この鍵を握るのが米ドルの動きである。トランプ米政権の相互関税やムーディーズによる格下げは米債市場で「悪い金利の上昇」要因になり得る。悪い金利の上昇は米ドル安の要因となろう。外為市場で米ドル安が再燃すれば、金価格は反発ムードを強めるだろう。一方、ゴールドの調整売りが続く場合は、一目均衡表の三役逆転とトライアングル下限の下方ブレイクを警戒したい。



米格下げでゴールド買いも上値は重い

格付け会社のムーディーズ・レーティングスは16日、米国債の格付けを最上位の「Aaa」から「Aa1」に引き下げた。格下げを受け週明け19日の国際商品市況では安全資産であるゴールド買いの需要が高まり、先物価格(6月物)は前週末比46.3ドル(1.5%)高の1トロイオンス3233.5ドルで取引を終えた。スポット金価格(以下では金価格)は、3250ドル手前まで上昇する局面が見られた。

だが、この日の米株式市場ではダウ平均が3日続伸で終えるなど堅調地合いを維持し、米格下げによるリスク回避のムードは高まっていない。格下げは金価格をサポートしたが、取引終盤に上げ幅が縮小した状況も考えるならば、このまま反発基調へ転じるかどうか?は、以下で述べる市場の動きが重要となろう。

スポット金価格のチャート:5分足 19日の動き

スポット金価格のチャート:5分足 19日の動き

出所:IGチャート


反発の鍵は米ドル安の再燃

今の金価格は「米ドルにらみ」-米ドルが下落すれば上昇し、米ドルが上昇すれば下落するトレンドにある(1時間足チャートを参照)。ゆえに金価格が反発相場へ転じる鍵は、米ドル安の再燃となろう。

スポット金価格とドル指数のチャート:1時間足 4月以降

スポット金価格とドル指数のチャート:1時間足4月以降

出所:TradingView


悪い米金利の上昇

米ドル安が再燃する要因として目先注目したいのが、「悪い米金利の上昇」である。

昨日の米債市場では利回りが低下した。だが、上昇する局面も見られた。ブルームバーグのデータによれば10年債利回りは一時4.56%と、4月11日以来の水準まで上昇した。30年債利回りも4月9日以来となる5%へ上昇する局面が見られた。いずれもトランプ関税のリスクが意識されていた時以来の高水準である。

トランプ米政権の相互関税とそれよるインフレ再燃の懸念、そしてムーディーズの格下げを受け米国の信認が揺らいでいる。これらの状況は「悪い米金利の上昇」要因になり得る。悪い金利の上昇は米ドル安の要因である。米ドル安が再燃すれば、金価格は下で述べるレジスタンスラインを視野に反発する展開を想定したい。


金価格の見通しとテクニカル分析

トライアングルの上限

今日以降、米ドル安の再燃で金価格が反発ムードを強める場合は、昨日の上昇を止めた3250ドルを突破し、4時間足チャートにまとめたフィボナッチ・リトレースメントの攻防を想定したい。最初の水準となる半値戻しの3275ドルの突破は、3300ドル台へ上昇するサインと考えたい。

61.8%戻しの水準3312ドルは日足の一目基準線と重なる。これらテクニカルラインをも突破すれば、3350ドル台のトライを想定したい。

今週、日足チャートのトライアングル上限が76.4%戻しの水準3357ドルと交錯する。この上限はレジスタンスラインでもある。金価格が再び3500ドルを視野に強気地合いへ転じることができるのかどうか?の分岐点として、トライアングルの上限は最も重要なテクニカルラインとなろう。このラインの突破は、金価格が強気地合いへ転じるサインと捉えたい。一方、このラインを突破できない状況が続く場合は、以下にまとめたサポートラインの攻防を意識したい。

レジスタンスライン
・3357:76.4%戻し(1時間足)、トライアングルの上限(日足)
・3312:61.8%戻し(1時間足)、一目基準線(日足)
・3275:半値戻し(1時間足)

三役逆転とサポートラインのブレイクを警戒

日足のMACDは低下基調を維持し、レポート掲載時点ではゼロラインを下回る状況にある。RSIも50を下回ってきた。売りの過熱感が見られない状況も考えるならば、金価格の調整売りを意識する状況が続いている。

ゴールド売りが続く場合は、現在相場をサポートしている50日線を下方ブレイクし、日足の一目均衡表が三役逆転へ転じる状況を想定したい。今日以降、金価格が50日線を下方ブレイクする場合は、日足チャートにある3つのサポートラインの攻防が焦点となろう。

最初の水準が3165ドルである。この水準には、2つのフィボナッチ・リトレースメントが重なっている。次の水準は、先週15日の安値3120ドルである。今週22日にサポートラインであるトライアングルの下限が3120ドルと交錯する。最後の水準が、3165ドルと同じく2つのフィボナッチ・リトレースメントが重なる3085ドルである。

最後の水準3085ドルをトライする局面では、一目均衡表が三役逆転へ転じていることが予想される。また、トライアングル下限の下方ブレイクは、さらなる下値トライのサインになり得る。金価格が3085ドルで反発しても、調整売りが続く可能性を意識したい。また、50日線がレジスタンスのラインへ転換するかどうか?この点も重要な焦点となろう。

サポートライン:日足
・3207:50日線
・3165:半値戻し、61.8%戻し
・3120:5月15日の安値
・3085:61.8%戻し、76.4%戻し


金価格のチャート

4時間足:4月以降

4時間足:4月以降

出所:TradingView

日足:2月下旬以降

日足:2月下旬以降

出所:TradingView


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