ソニーグループ、株安止まらず イラン情勢とメモリ不足で 転機は?
ソニーグループの株価は11か月ぶり安値水準。イラン情勢とメモリ不足が懸念材料だが、エンタメ関連事業への期待が株価に転機をもたらす可能性もある。
ソニーグループの株価の下落が続いている。24日の終値は3232円で、約11か月ぶりの安値水準。アメリカとイスラエルによるイラン攻撃後の3週間あまりで11%安となっており、イラン情勢が重圧となっている形だ。またソニーグループは人工知能(AI)ブームを背景としたメモリ半導体不足がゲーム事業などの収益性にとっての懸念材料となっており、11月につけた最高値との比較では株価が31%安となっている。一方、ソニーグループが主力事業と位置付けるエンターテインメント関連事業はイラン情勢の影響を受けにくい側面があることは株価にとっての好材料。スマートフォン向け画像センサーを手掛ける半導体事業が力強さを発揮していることも業績への期待を抱かせる。こうした中でソニーグループの株価下落は割安感の強まりも伴っており、イラン情勢次第では転機が近づく可能性もありそうだ。
またソニーグループにはメモリ半導体不足も逆風となっている。AIブームを背景として、メモリ半導体の製造を手掛けるマイクロン・テクノロジー(MU)やサムスン電子はAI向けの高性能半導体の生産に注力。結果としてソニーグループが手がける家庭用ゲーム機「プレイステーション5(PS5)」やデジタルカメラなどに用いられる汎用メモリ半導体が品薄となり、価格が上昇しているためだ。ソニーグループの株価は11月14日に最高値(4700円)を付けた後、サムスンが一部のメモリ半導体の価格を60%引き上げると報じられたこともあり、下落基調に入っていた。3月24日の終値は11月の最高値との比較では31.23%安だ。
エンタメ事業は底堅さに期待 半導体事業も好調さを維持か
一方、ソニーグループの業績はイラン情勢という有事にも関わらず底堅さを見せる可能性がある。ソニーグループが主力事業と位置付けるゲーム、映画、音楽のエンターテインメント3事業は知的財産(IP)を成長の原動力とするビジネスモデルで、イラン情勢に伴う原油高や物流の乱れによる悪影響を受けにくいためだ。ソニーグループが2月5日に発表した2025年10-12月期決算では、円安も追い風となってゲーム事業と音楽事業の営業利益が10-12月期として過去最高を更新したとされた。
同時にソニーグループでは半導体事業の成長への期待も続いている。半導体事業の10-12月期の収入は前年同期比20.6%増の6043億円。陶琳CFOは業績説明会で好調さの理由として「大手顧客の新製品向けの好調な出荷とセンサーサイズの大判化」を挙げた。スマホ市場をめぐっては、アップルが2025年9月に投入したiPhone(アイフォン)17が人気を博しており、アップルは1月29日の四半期決算発表に際して、1-3月期の業績についても総収入が前年同期比13-16%増になるとの強気な見通しを提示。スマホ製造の逆風になりかねないメモリ不足の克服に自信を示していた。
ソニーグループの株価の割高感が解消 イラン情勢の見通し次第で株価に転機か
このためイラン攻撃開始後のソニーグループの株価の下落は割高感の解消にもつながった。株価と今後12か月の予想1株当たり利益(EPS)の比率を示す株価収益率は24日段階で16.9倍で、2月27日段階での18.6倍から大きく低下している。この間、株価が11%超値下がりする半面、予想1株当たり利益は2.47%減にとどまっていることが要因だ。
ソニーグループの足元の予想PERの水準は株式市場でのAIブームが本格化した2023年以降の平均値である17.8倍を下回っている面からも割高感が解消されたといえそうだ。イラン情勢の見通しは不透明感が強いままだが、投資家の不安が落ち着いた場合には、ソニーグループの株価の下落基調に転機が訪れる展開も考えられる。
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