日経平均株価 見通し(3/3):下落リスクと急反発期待、鍵はイラン停戦交渉
IG証券のアナリストによる日経平均株価の展望。原油先物市場ではイラン情勢を織り込む動きが見られる。焦点は米国・イランの停戦交渉の行方。日本225は下値トライと急反発、両シナリオを意識する状況に。注目のチャート水準は?
要点
- 米国・イスラエルがイランへ大規模攻撃を開始。ホルムズ海峡が封鎖状態に陥った。週明け2日の日経平均株価は一時1500円超下落。日経平均のCFD「日本225」は重要水準の5万8000円を下方ブレイクした
- 原油先物価格の急騰はひとまず回避された。2日の米株式市場ではS&P500とナスダックが小幅ながらも上昇で終えた。中東リスクを織り込む動きが見られる。イランの出方次第で相場は大きく動くだろう
- 今日以降の日本225は、25日線(下値)と5万8000円(上値)の回復が焦点となろう。25日線を下方ブレイクすれば5万6500円までの下落を警戒したい。5万8000円台へしっかりと上昇する場合は、5万9000円のトライが次の上値焦点として浮上しよう
日経平均株価1500円安、日本225は5万8000円ブレイク
週明け2日の日経平均株価は、前週末比793円03銭(1.35%)安の5万8057円24銭で終えた。イラン情勢の緊迫化を受け、下げ幅は一時1500円を超えた。
日経平均株価のCFD「日本225」は、1日のIG日本株レポートで取り上げた重要水準5万8000円のラインを下方ブレイクした。日足MACDはデッドクロスへ転じ、モメンタムも下降基調にある。5万7000円の直下まで上昇している25日線のトライが視野に入る。
日本225の日足チャート:2025年12月以降
TradingView提供のチャート
中東リスクを織り込む動き
米国とイスラエルは2月28日、イランに対する大規模軍事作戦に踏み切った。イランの革命防衛隊(IRGC)はエネルギー輸送の要衝、ホルムズ海峡を運行する船舶に対して「通航禁止」を無線で通告。複数のタンカーが攻撃を受け、海運各社は相次いで通行を停止。多数の船舶が同海峡の手前で待機する事実上の封鎖状態に陥っている。一方で、中東の独立系衛星テレビ局アルジャジーラは、イランのアッバス・アラグチ外相が「現時点でホルムズ海峡を閉鎖する意図はない」と述べたと報じた。
ホルムズ海峡の情勢を巡る情報が錯綜する中、NY原油先物価格(WTI)は2日の取引開始直後こそ一時75ドルまで急騰したものの、その後は上げ幅を縮小。73ドル付近がレジスタンスラインとして意識されている。ブレント原油先物価格(BRENT)も76〜80ドルのレンジで売り買いが交錯。現状では急騰リスクを回避する状況が続いている。
原油先物価格 15分足チャート:3月2日の動向
TradingView提供のチャート
ホルムズ海峡の封鎖状態を受けても、中東リスクのバロメーターである原油先物価格がレンジ相場となったことは、市場心理の改善を促す一因となった。2日の米株式市場ではS&P500とナスダック総合・100指数が小幅ながらも上昇して終えた。日本225も下げ幅を縮小し、安値5万7048円から5万7800円台へ反発する場面が見られた(IG取引プラットフォーム)。
トランプ米大統領は2日、今回の作戦期間について4〜5週間を想定しつつも、それを超えて継続する能力があると強調し期限を設けない姿勢を示した。原油価格急騰のリスクはくすぶる。しかし、2日の値動きは、原油先物市場と米株式市場が早くも中東の地政学リスクを織り込み始めている兆候を示唆した。
原油価格にらみ、下値では押し目買い狙い
中東の地政学リスクが高まっても、日経平均ボラティリティ・インデクス(VI)は40以下で推移している(2日時点)。昨年4月のトランプ関税ショック時(62.46)はもとより、11月の調整売り局面(41ポイント台)をも下回る水準だ。
1日のIG日本株レポートで述べた通り、日本225は5万1000円→5万4000円→5万6500円の各節目がサポートラインへ転換し、階段を上るように上昇が拡大。5万8000円を下方ブレイクしたが最高値圏での攻防を維持しており、地合いの強さを維持している。原油先物市場の落ち着きが確認される局面では、下値での押し目買いを狙いたい。
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日本225のテクニカル分析、焦点は25日線と5万9000円の攻防
日経平均株価のCFD「日本225」は、下値リスクと急反発の双方を意識する展開が予想される。以下、二つのシナリオに沿ったチャート水準を整理する。
25日線の攻防
日本225のトレンドを1時間足チャートで確認すると、昨日はRSIが売られ過ぎの水準へ到達すると買い戻しが入る場面が見られた。しかしADXは27付近にあり、買い戻しに強さは見られない。5万8000円台への反発に失敗した状況も踏まえれば、今は新たな下値水準の見極めを意識し、まずは昨日の下落を止めた5万7000円を維持できるかを確認したい(安値5万7048円)。テクニカル面では25日線の攻防に注目したい。この移動平均線は現在、5万6920円へ上昇している。
25日線を下方ブレイクする場合は、1日のIG日本株レポートで取り上げた今週の下限予想5万6500円を視野に下落拡大を想定したい。日本225は高値圏の攻防を維持している。以下で詳述する停戦交渉への期待が高まり、原油先物相場が落ち着きを取り戻す場合は、押し目買いを考えたい。
注目のチャート水準:サポート
・5万7000円:2日の安値レベル(5万7048円)
・5万6920円:25日線
・5万6500円:下限予想
5万8000円台の回復と5万9000円のトライ
トランプ米大統領は1日、米誌アトランティックとのインタビューで、イランの新指導部から対話の打診を受け「同意した」と述べた。一方、イランの国家安全保障最高評議会のラリジャニ事務局長は2日、米国と交渉しないとXに投稿した。情勢は依然として不透明だが、米国・イスラエルの大規模攻撃によりイラン国家指導部の多数が死亡し、同国の国家安全保障体制は根本的な打撃を受けた。反撃能力がかなり削がれたことを考えるならば、イランの出方次第で市場の焦点は、停戦交渉へとシフトする可能性がある。急転直下でその期待が高まる場合は、「中東の地政学リスク後退→日本225の急反発」を想定したい。
日本225の反発局面で最初の焦点となるのが、5万8000円台の回復だ。この水準がサポートラインに転換すれば(5万8000円台を維持すれば)、5万9000円のトライが次の焦点に浮上しよう。5万9000円を目指す局面では、1時間足チャートの短期レジスタンスラインとフィボナッチ・リトレースメントの攻防に注目したい。61.8%戻し(5万8900円レベル)の突破は、5万9000円をトライするサインとなろう。
注目のチャート水準:レジスタンス
・5万9000円:節目水準
・5万8900円:61.8%戻し
・5万8540円:半値戻し
・5万8190円:38.2%戻し
・5万8000円:節目水準
【再掲】日本225の日足チャート:2025年12月以降
TradingView提供のチャート
日本225の1時間足チャート:2月19日以降
TradingView提供のチャート
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