日経平均週間見通し(11/25~28):米株高なら再び5万円台の攻防が視野に
日経平均株価の見通し。今週は米国株にらみの展開か。日本225の重要なチャート水準をIG証券のアナリストが詳細に解説。
今週の見通しと注目材料
- 24日の日本225はNY時間に上昇幅が拡大。米株高と連動するこの動きは、今週の日経平均株価が米国株にらみの相場となる可能性を示唆
- 今週の米国株は経済指標をにらんだ展開が予想される。9月の小売売上高とPPI、新規失業保険申請件数が材料視される可能性あり
- 日本225の週間予想レンジは4万8000円~5万0700円
今週の日経平均株価は米国株にらみ
今週の日経平均株価は、米国株にらみの展開が予想される。この点を示唆したのが、祝日(勤労感謝の日)の振替休日で東京株式市場が休場となった24日の株価指数CFD「日本225」の動きだ。
この日の米株式市場では、ハイテク株の買い戻しを受けてナスダックの総合指数と100指数がともに2%超の上昇で終えた。米株高に連動し、日本225はNY時間に上昇幅が拡大。4万9617円まで上昇する局面が見られた。
24日の米株高を受け、25日の東京市場ではソフトバンクグループ(9984)やアドバンテスト(6857)などAI関連株の買いが期待できる。これら値がさ株に買いが入れば、日本225は後述する上値水準の攻防が焦点となろう。
日本225の15分足チャート:24日の動向
出所:IGチャート
米国株は経済指標にらみ
今週の米株式市場は、経済指標をにらんだ展開が予想される。25日に9月の小売売上高と生産者物価指数(PPI)がある。いずれの指標も材料視される可能性があるが、より重要なのが9月PPIだ。
米ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁が21日、近い将来の利下げに言及したことで、OIS(オーバーナイト・インデックス・スワップ)市場では12月の利下げ確率が90%台へ跳ね上がっている。この状況下で9月PPIが予想以下となれば、利下げ期待を後押しし米国株を下支えしよう。
一方、10月開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では、多くの参加者がインフレリスクを意識していることが判明した。9月PPIがインフレの粘着性を示す場合は利下げ期待を後退させ、反発相場の調整売り要因となる可能性がある。小売売上高で個人消費の落ち込みも確認される場合は、米株安を警戒したい。
米生産者物価指数(PPI)の動向:過去1年間
ブルームバーグのデータで作成 / 赤の棒グラフとドット:9月予想
また、現在の米国市場では雇用不安が意識されている。IG米国レポートで述べた通り、26日の週間新規失業申請件数も材料視される可能性がある。
IG米国レポート
・米国株週間見通し(11/24週):S&P500反発か、6500-6730予想、ハイテク以外の銘柄に注目
日本225のチャート分析
上限:5万0700円
今週、日本225の上昇局面では、節目の水準5万円のトライが焦点となろう。まずは、4万9500円付近で推移している10日線の攻防に注目したい。昨日はこの移動平均線をトライするも、日足ローソク足の実体ベースでの突破に失敗した。しかし25日序盤の取引では、再びこの移動平均線の攻防にある(日足チャート参照)。
日本225が10日線を完全に上方ブレイクすれば、次は4万9800円の攻防に注目したい。直下の4万9700円台にはフィボナッチ・リトレースメント38.2%の水準と半値戻しの水準が密集している(4時間足チャート参照)。4万9800円の上方ブレイクは、節目の5万円をトライするサインと捉えたい。
10月以降、日本225はボラティリティが拡大の傾向にある。米国株を支える経済指標とハイテク株の買い戻しが重なる場合、日本225は5万円を上方ブレイクする可能性がある。このケースでは、5万0300円と5万0700円の攻防を意識したい。
日足の一目基準線が前者の5万0300円レベルにある(日足チャート参照)。直下には20日線が推移している。一方、5万0700円の直下の5万686円はフィボナッチ・リトレースメント76.4%の水準にあたる。4時間足チャートを見ると、今月の中旬以降、このテクニカルラインが相場の反発を止め、5万0700円がレジスタンスラインとなっている。この水準を今週の上限と予想する。
今週の上値水準
・5万0700円:今週の上限(予想)、直下に76.4%戻し(4時間足)
・5万0300円:直下に 20日線、基準線(日足)
・5万円:節目の水準(4時間足、日足)
・4万9800円:直下に38.2%戻しと半値戻し(4時間足)
・4万9500円:10日線(日足)
下限:4万8000円
日本225は反転の兆しを強めている。日足チャートのRSIは50を下回っているものの上昇傾向にあり、MACDもゼロライン付近で下げ止まりのムードにある。注目は昨日の日足ローソク足だ。下影陽線で終えたことは、強気地合いへの転換を暗示する。
今週の下値の焦点は、先週の下落を止めたフィボナッチ・リトレースメント61.8%水準4万8000円の維持となろう(日足チャート、青矢印を参照)。このラインを今週の下限と予想する。
下落局面では、4万9200円と4万8800円の攻防に注目したい(4時間足チャート参照)。いずれの水準もサポートラインに転換する可能性がある。後者の4万8800円の下方ブレイクは、4万8000円をトライするシグナルとなろう。
今週の下値水準
・4万9200円:サポート転換の可能性あり(4時間足)
・4万8800円:サポート転換の可能性あり(4時間足)
・4万8000円:今週の下限(予想)、61.8%戻し(日足)
日本225の日足チャート:今年10月以降
TradingView提供のチャート
日本225の4時間足チャート:11月以降
TradingView提供のチャート
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