23日の米株式市場で主力の半導体株が総崩れとなった。24日引け後のマイクロン決算に身構えるナスダック100。株価指数CFD「米国テク株100」の注目水準を解説。
ハイテク株比率の高いナスダック100は、前日比999.81ポイント(3.29%)安の29347.27で終えた(上のパフォーマンスを参照)。節目30000のみならず25日線をも一気に下方ブレイクする急落相場となった。
この日の日足ローソク足は長い上ヒゲが示現し、トンカチに近い上影陰線を形成。25日線はレジスタンスラインへ転換する兆しが見られる。RSIとMACDのトレンドも踏まえれば、強気地合いに不透明感が強まっている。
ナスダック100 日足チャート:3月以降
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23日の半導体株安の震源はアジアだった。韓国ではサムスン電子が約13%、SKハイニックスは13%超の急落となり、KOSPIは今年に入り4回目のサーキットブレーカーが発動した。AI相場主導で上昇してきた日経平均株価も、前日比2565.58円(3.55%)安の6万9788.38円で終え、節目の7万円を難なく下方ブレイクした。世界同時にAI相場が失速したかたちだ。
今後は、米利上げ観測も警戒する必要があると筆者は考えている。翌日物金利スワップ(OIS)市場では年内、それも早期の利上げ観測が強まっており、9月会合までに1回の利上げを8割強織り込む水準に達している。また、年末までに1.5回程度の利上げを意識する織り込みも見られ、今後のインフレ指標次第では、米連邦公開市場委員会(FOMC)参加者が予想する以上の利上げの可能性が高まることも想定される。
ロシアがウクライナに侵攻した2022年は、インフレ抑制を重視した米連邦準備制度理事会(FRB)がフェデラルファンド・レート(FF金利)を4.25-4.50%(翌2023年7月に5.25-5.50%)まで引き上げた。この年、S&P500とナスダック100は大幅に下落した。直近の株高加速も踏まえれば、急速に強まる早期利上げ観測は、AI相場のボラティリティを拡大させる要因になり得る。
S&P500・ナスダック100とFF金利の動向:2022年
この状況下で、24日の取引終了後にメモリー半導体大手のマイクロン・テクノロジー(MU)が2026年3〜5月期(第3四半期)決算を発表する。21日のIG米国株レポートで指摘した通り、株価を左右するのは業績見通し(ガイダンス)となろう。
関連レポート
・米国株週間見通し:利上げ警戒もAI相場がナスダック100下支え、マイクロン決算で31000視野も
ブルームバーグがまとめた6〜8月期(Q4)売上高コンセンサスは約431億ドル、調整後EPS 25.31ドルとQ3から一段の伸びを見込む。注目は、収益の軸であるDRAMだ。生成AI向け広帯域メモリー(HBM)を起点としたメモリー価格の上昇を背景に、Q4売上高は前年同期比約262%増の約325億ドルが予想される。
マイクロン・テクノロジー 決算見通し
マイクロン・テクノロジー セグメント別売上高見通し
問題は、その期待の高さと4月以降の株価急騰だ。期待を上回るガイダンスが示されれば、マイクロン株の反発が予想される。その流れがエヌビディアなど他のAI・半導体関連株へ波及すれば、ナスダック100は25日線(29760前後)の突破と節目30000の回復が焦点となろう。30000台へ難なく反発すれば、6月3日高値の30762が視野に入ろう。
一方、ガイダンスがわずかでも市場の期待に届かなければ、6月上旬の「ブロードコム・ショック」の再来を警戒したい。この場合、ナスダック100は節目29000や50日線(28670前後)を割り込み、5月以降相場を下支えしてきた28500の攻防に直面することが予想される。
週後半の「米国テク株100」(ナスダック100の株価指数CFD)の具体的な注目水準について、以下の「チャート分析セクション」でまとめた。
【再掲】ナスダック100 日足チャート:3月以降
現在の米国テク株100は、24日のマイクロン・テクノロジーの決算を分水嶺に、上下どちらにも振れやすい地合いだ。日足・1時間足チャートから当面の注目水準を整理したい。
マイクロン決算がAI相場の調整売り加速を促せば、米国テク株100の50日線下方ブレイクとフィボナッチ・リトレースメント23.6%水準28880レベルのトライを想定したい。後者のテクニカルラインをも下方ブレイクすれば、21日のIG米国株レポートで下限予想とした28200をトライするサインとなろう。
25日に5月米PCE価格指数が発表される。前述の早期利上げ観測を強める内容となれば、AI相場の下落拡大を警戒したい。米国テク株100が28200を下方ブレイクする場合は、フィボナッチ・リトレースメント38.2%水準27700レベルまでの下落拡大を想定したい。
注目水準:サポート
・29330レベル:50日線
・28880:23.6%戻し(28876)
・28200:下限予想、サポート転換水準
・27700:38.2%戻し(27711)
一方、マイクロンが市場の期待に応える業績見通しを示せば、他の半導体株にも買いが波及し、米国テク株100は反発に転じる展開を予想する。
このケースでは、現在相場の反発を止めている29600レベルの攻防に注目したい。この水準を突破すれば、25日線(29860前後)、次いで節目30000の突破が焦点となる。1時間足チャートにまとめたフィボナッチ・リトレースメントの水準を確認すると、29600レベルと23.6%戻しが重なり、30000直下の29960レベルは半値戻しにあたる。
米国テク株100が30000台を回復すれば、レジスタンスラインへの転換が焦点となる30400、そして先週以降レジスタンスとして意識される30650レベルまでの反発を想定したい。
注目水準:レジスタンス
・30650:レジスタンス
・30400:レジスタンス転換の可能性あり
・30000:節目水準、半値戻し(29963)
・29860:25日線、23.6%戻し
・29600:レジスタンス転換の可能性あり
米国テク株100の日足チャート:2026年1月以降
米国テク株100の1時間足チャート:6月15日以降
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