日経平均株価 週間見通し(3/30週):イラン情勢混迷で原油高止まり、5万円割れも
IG証券のアナリストによる日経平均株価の週間見通し。週明けの急落警戒。株価指数CFD「日本225」の週間想定レンジは4万8000円-5万4000円。
要点
- 先週の日経平均株価は前週末比横ばいで4週続落をかろうじて回避した。しかし、日経平均先物は1630円安の5万1250円で終了。米主要3指数の5週続落も重なり、週明けは急落スタートを警戒したい
- 中東混迷の長期化懸念で原油先物価格が高止まりし、日経平均株価は株高のけん引役が不在。金利上昇と連動していた「高市トレード」の相関も崩れ、今週も弱気相場が続く公算が大きい
- 株価指数CFD「日本225」の週間想定レンジは4万8000円-5万4000円。下値トライでは5万円(200日線)の維持が焦点に。割り込めば4万8000円までの下落拡大を警戒したい。中東懸念の後退で反発しても、5万4000円(13週線)までの反発が限界か
"ひとまずの反発"も週明けは急落警戒
22日のIG週間日本株レポートでは、先週の日本株は「"ひとまず"の反転サインに注目」と述べた。日経平均株価は前週末比54銭(0.0%)高と、かろうじて4週続落を回避した。TOPIX(東証株価指数)は1.12%高で終えた。
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ブルームバーグのデータを基に作成
先週の日本株は"ひとまず"の反発で終えたが、今週も下落相場を警戒する状況が続こう。
日本時間28日早朝の日経平均先物(大証、6月限)は、前日の清算値比で1630円安の5万1250円で終えた。28日のIG米国株レポートで述べたとおり、米主要3指数は5週続落。ナスダック総合指数は3月の下落率が12%に達し、明確に調整局面入りのサインが点灯した。週明けの日経平均株価は急落スタートを警戒したい。
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日経平均先物 5分足チャート:3月27日~28日早朝
TradingView提供のチャート
イラン情勢混迷で原油高続く、日経平均VIは変動拡大
今週も引き続きイラン情勢にらみの展開となろう。注目は、「中東リスクのバロメーター」である原油先物価格の動向だ。期先の価格推移を確認すると、5月限は99ドル台、6月限は94ドル台、7月限は89ドル台と水準が徐々に切り下がっている(27日時点)。数か月のスパンでは、中東の混乱が収束に向かう可能性を市場参加者は意識している。
しかし、27日の取引でWTI原油先物5月限は一時節目の100ドルを突破する場面が見られた。ブレント原油先物5月限は114.88ドルと、19日以来の高値水準へ上昇する場面があった。原油高は、短期的に中東リスクが市場のテーマであり続けることを示唆している。
中東情勢の混迷を受け、日経平均ボラティリティ・インデックス(VI)は3月以降、変動拡大の傾向にある。市場心理の不安定さを示唆している。前述の日経平均先物と米国株の動向も考えるならば、今週の日経平均株価は、引き続き下値リスクを警戒する状況が続こう。
日経平均ボラティリティ・インデックス(VI) 日足チャート:2025年3月以降
ブルームバーグのデータを基に作成
株高のけん引役不在、円安にも期待できず
現在の日本株は、株高のけん引役不在という問題に直面している。昨年10月に高市内閣が発足して以降、日本株は株高と金利の上昇が共存する「高市トレード」が進行していた。しかし、中東リスクが市場のテーマに浮上して以降、その相関(順相関の関係)が崩れていることが分かる(下のチャート、矢印を参照)。米株式市場と同じく、「原油高→インフレリスク→景気の減速」を意識した動きだ。
10年国債利回り、日経平均株価、TOPIXの動向:2025年9月以降
ブルームバーグのデータを基に作成
注目は銀行株の動きだ。中東リスクがテーマとなる前のTOPIX銀行業指数は、金利の上昇に連動し上昇トレンドにあった。しかし、イラン攻撃を境に順相関から逆相関に転じている。景気敏感株の一角である銀行株が金利上昇局面で下落している状況は、インフレリスクの先にある景気の減速を懸念した動きと捉えることができる。
10年国債利回りとTOPIX銀行業指数の動向:2025年9月以降
ブルームバーグのデータを基に作成
ブルームバーグのデータを基に作成
高市トレードが始まった昨年10月以降、外為市場では円安が進行している。特にドル円(USD/JPY)は「有事のドル買い」も重なり上昇が拡大。27日のNY外為市場では、2024年7月以来、約1年8か月ぶりに節目の160円を突破。NYクローズで160円台を維持した(終値160.30 / IG取引プラットフォーム)。
しかし、中東不安が意識されている現在の状況では、株高要因としての円安には期待できない。この点を示唆しているのが、ドル円とTOPIX輸送用機器指数の動きだ。2000年代前半以降、ドル円と輸送用機器指数には相関関係(順相関)が見られる。しかし、中東リスクを受け3月以降はその関係が崩れていることが分かる(チャート矢印を参照)。
円安の恩恵を受けるセクターが下落している状況もまた、株高のけん引不在を示唆している。今週も日経平均株価は下値リスクを警戒する状況が続こう。株価指数CFD「日本225」は、以下にまとめたチャート水準の攻防に注目したい。
ドル円・TOPIX輸送用機器指数の動向:2025年9月以降
ブルームバーグのデータを基に作成
日本225のチャート分析、4万8000円-5万4000円予想
5万円ブレイクなら下落拡大も
日本225のトレンドを日足チャートで確認すると、MACDとRSIのトレンド、そして一目均衡表の三役逆転は、いずれも日本225が弱気相場にあることを示唆している。
イスラエル軍は27日、イランの核施設を空爆した。イラン軍はイスラエルや近隣諸国の米軍基地に報復攻撃を行い、イエメンの反政府勢力フーシ派もイスラエルに向けて弾道ミサイルを発射するなど、中東情勢は依然として混迷している。
今週も原油高が続けば、日本225の弱気相場が予想される。この場合は、心理的節目の5万円の維持が焦点となろう。200日線が5万円付近で交差しており、テクニカル面でもサポートラインとして意識されやすい状況にある。
日本225が5万円(200日線)を下方ブレイクする場合は、追加の弱気サイン点灯で下落拡大を警戒したい。このケースでは、週足チャートのフィボナッチ・リトレースメント38.2%の水準4万8700円レベルのトライが視野に入ろう。4万9000円の下方ブレイクは、38.2%戻しをトライするサインとなろう。
日本225が4万8700円をも下方ブレイクすれば、昨年11月にサポート転換が確認された4万8000円のトライを想定したい。この水準を今週の下限と予想する。
注目のチャート水準:サポート
・5万円:心理的節目の水準、200日線
・4万9000円:節目水準
・4万8700円:38.2%戻し(4万8693円)
・4万8000円:下限予想
※移動平均線の水準:3/27時点
5万4000円までの反発が限界か
中東情勢は混迷しているが、急転直下で米国・イランの停戦協議が進展する可能性もある。前述の日経平均VIの動向は、中東関連のニュースで市場心理がブレやすい状況にあることを示唆している。中東懸念の後退につながる情報が流れる場合は、日本225の急反発が予想される。このケースでは、週足チャートにまとめた1000円幅で戻り高値の水準を確認したい。
中でも注目したいのが、5万2000円と5万4000円の攻防だ。前者のラインには26週線、後者のラインには13週線がそれぞれ交差している。
特に5万4000円レベルでは、3週連続で長い上ヒゲが示現。この水準での売りの強さを示唆している。中東懸念の後退で急反発しても、5万4000円までの反発が限界と予想する。20日線の上方ブレイクは、5万4000円をトライするサインと考えたい。
注目のチャート水準:レジスタンス
・5万4000円:上限予想、13週線
・5万3000円:上に20日線(5万3355円)
・5万2000円:26週線
※移動平均線の水準:3/27時点
日本225 日足チャート:年初来
TradingView提供のチャート
日本225 週足チャート:2025年以降
TradingView提供のチャート
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