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金価格 見通し(4/14):米イラン決裂も中東相場に収束の兆し、問われる底堅さ

IG証券のアナリストによる金価格の見通し。米イラン協議決裂も「中東相場」に収束の兆し。底固めが今週の焦点に。目先の想定レンジは4600~4930ドル。

Source:Bloomberg Source:Bloomberg

要点

  • 「中東相場」特有の「原油高→米金利上昇→有事のドル買い」のトレンドが崩れている。今週の金価格は、底固めが焦点の一つとなろう
  • 2週連続で主要金ETFへの資金流入が続いていることも、金相場の反発加速を期待させる
  • 目先の想定レンジは4600~4930ドル。反発相場を維持すれば、半値戻し4850ドルの突破と一目雲の下限4930ドルの攻防に注目したい。下値の焦点は、サポートラインに転換した4600ドルの維持となろう


米イランの協議決裂も「中東相場」に収束の兆し

中東の地政学リスクが新たな局面を迎える中で、今週の金価格は底固めが焦点の一つとなろう。

11日から12日にかけてパキスタンの首都イスラマバードで米国とイランが初の停戦協議に臨んだが、両国の主張の隔たりは大きく協議は決裂した。トランプ米大統領は12日、米海軍がホルムズ海峡を封鎖するとSNSに投稿した。

13日の取引でWTI原油(5月限)は一時105ドル台へ急上昇した。ブレント原油(6月限)も103ドル台をつけた。しかし、協議決裂とホルムズ海峡封鎖の示唆という悪材料が重なったにもかかわらず、NY時間では売りが優勢となり、いずれも97ドル台へ反落した。中東の地政学リスクに対する市場の感応度が鈍化していることを示す値動きといえる。

原油価格 15分足チャート:10日~13日の動向

原油価格 15分足チャート:10日~13日の動向 TradingView提供のチャート

米国株市場ではリスク選好姿勢が強まっている。11日のIG米国株レポートで述べた通り、4月以降エネルギー株から半導体株へのセクターローテーションが鮮明となり、ナスダック総合指数と100指数の上昇が拡大。13日の市場でも半導体株買いの流れが続いた他、ハイテク株全般にも買いが入り米国株を下支えした。

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米債市場でも変調が見られる。インフレ期待を織り込む米10年債利回り(以下長期金利)は3月下旬以降、原油高が続く局面でも上昇が抑制されている。13日の原油価格の動き、米株高、そして米長期金利の上昇抑制というこれら3つの動向を俯瞰すれば、「中東相場」がひとまず収束に向かいつつある。この点は外為市場も同じだ。

米10年国債利回り 4時間足チャート:2月以降

米10年国債利回り 4時間足チャート:2月以降 TradingView提供のチャート

崩れる「中東相場」の相関、「有事のドル買い」失速

12日のIG週間為替レポートで述べた通り、外為市場では「有事のドル買い」が失速している。

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失速の主因は、原油価格と米金利の相関性の低下にあると筆者は考えている。前述のとおり米長期金利は上昇が抑制される状況にある。WTI原油先物価格と米長期金利の30日間の相関を確認すると、3月5日に0.43まで高まった相関係数は、直近で0.158へ低下している。「原油高→米金利上昇→有事のドル買い」という今回の「中東相場」特有の相関が後退している現状は、金価格の下支え要因となろう。

WTI原油先物価格と米10年国債利回り 30日間相関の動向:日次 年初来

WTI原油先物価格と米10年国債利回り 30日間相関の動向:日次 年初来 ブルームバーグのデータで作成

※相関係数
・-1.0~+1.0の範囲で2変数間の直線的な関係の強さと方向を示す指標
・+1.0:完全な順相関 / -1.0:完全な逆相関 / 0:相関なし


金ETF 二週連続の資金流入超

ブルームバーグ・インテリジェンスがまとめた主要な金ETFへの資金フロー(週次)を確認すると、直近は2週連続の流入超となった。3月の流出超と比較すると金額自体は大きくない。しかし、中東の地政学リスクが意識される中でも金ETFに資金が回帰しつつある状況もまた、金価格の反発加速を期待させる。

米イランの停戦協議が決裂し、トランプ米大統領が米海軍による「ホルムズ海峡封鎖」を表明しても、13日の金価格の下落は限定的だった。むしろ日足ローソク足は陽線となった。以下で詳述するチャート水準で金価格が下支えされる場合は、地合いの強さが戻りつつあることを市場参加者に印象付けよう。

金ETFの資金フロー(週次):年初来

金ETFの資金フロー(週次):年初来 ブルームバーグ・インテリジェンスのデータを基に作成

金価格のチャート分析、4600~4930ドルの攻防

半値戻しを突破すれば一目雲の下限が視野に
金価格のトレンドを日足チャートで確認すると、昨日は20日線がサポートとして機能し、90日線を突破した。4600ドルはサポートラインに転換した。一方、RSIは50前後で横ばいの状況が続き、MACDはゴールデンクロスへ転じるも未だゼロライン以下の水準にある。これらテクニカル指標の攻防とトレンドを踏まえれば、金価格は強気相場へ回帰するかどうかの分岐点にあると言える。

金価格が反発を維持する場合、目先は短期レジスタンスラインの攻防に注目したい。このラインを突破すれば4800ドル、そして8日の取引で相場の反発を止めた半値戻しの水準4850ドルの攻防を意識したい。

金価格が半値戻しの水準を完全にブレイクアウトすれば、次の節目水準4900ドルのトライが視野に入ろう。テクニカル面では4930ドルの攻防が焦点となろう。この水準には現在、一目雲の下限が推移している。現時点では4930ドルの水準を今週17日までの上限と想定したい。雲の攻防となれば、心理的節目の水準5000ドルのトライが焦点に浮上しよう。

注目のチャート水準:レジスタンス
・5000ドル:心理的節目の水準
・4930ドル:上限予想、雲の下限
・4900ドル:節目水準
・4850ドル:半値戻し(4848ドル)
・4800ドル:節目水準

4600ドルの維持
中東情勢は流動的だ。前述の原油高と米長期金利の相関性が再び高まれば、「有事のドル買い」が再燃しよう。このケースでは、以下にまとめたチャート水準の攻防に注目したい。

焦点は、サポート転換が確認された4600ドルの維持だ。反落の局面でこの水準を維持する状況が続けば、上で取り上げたレジスタンス水準の攻防を意識したい。20日線の下方ブレイクは、4600ドルをトライするサインとなろう。

中東リスクが再燃すれば、4600ドルを下方ブレイクする可能性がある。このケースでは、3月の下落相場を止めた4400ドルまでの反落を想定しておきたい。

注目のチャート水準:サポート
・4646ドル:20日線
・4600ドル:下限予想、サポート転換
・4400ドル:3月の下落相場を止めた水準


金価格 日足チャート:2026年1月以降

金価格 日足チャート:2026年1月以降 TradingView提供のチャート

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