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ドル円 週間見通し(4/13週):有事のドル買い後退も円安再燃を警戒、160円の神経戦続く

IG証券のアナリストによるドル円の週間予想。米国とイランの協議が決裂。中東情勢は依然として不透明も有事のドル買いが失速。今週は円安再燃を警戒。ドル円は160円の神経戦が続く。注目のチャート水準について。

Source:Bloomberg Source:Bloomberg

要点

  • 米イランの停戦協議は合意に至らず決裂。中東情勢は依然として先行き不透明も、米国市場ではトレンド転換の兆しが見られる。外為市場では「有事のドル買い」が失速。この動きはクロス円の上昇要因となっている
  • 今週は円安再燃を警戒したい。日銀の4月利上げ観測がじわりと後退している。13日に植田和男日銀総裁が第101回信託大会で挨拶をする。景気、インフレ、賃金動向に言及する場合は円相場の変動要因となる可能性がある
  • ドル円(USD/JPY)の週間想定レンジは158.00~160.50。上値は引き続き160円での神経戦が予想される。円安と「有事のドル買い」再燃がくすぶる中では、下値は限られよう


原油高止まりも米金利の上昇一服、米国株に底打ち感

米国市場にトレンド転換の兆しが見られる。WTI原油先物とブレント原油先物の上昇はひとまず落ち着いているが、依然として節目の100ドルを視野に高止まりしている。しかし、米債市場ではインフレ期待を反映して動く10年債利回り(長期金利)の上昇が抑制されている。

米10年国債利回り 4時間チャート:2月下旬以降

米10年国債利回り 4時間チャート:3月以降 TradingView提供のチャート

11日のIG米国株レポートで述べたとおり、米国の株式市場ではエネルギー株から半導体株へのセクターローテーションが鮮明となり、ナスダックを中心に底打ち感が急速に高まっている。

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11日からパキスタンの首都イスラマバードで米国とイランは停戦協議に臨んだが、双方の主張の隔たりが埋まらず決裂。米国のバンス副大統領は現地時間12日、イランとの協議を切り上げると表明した。

イラン情勢は引き続き先行きが見通せない状況にある。しかし、直近の米国市場の動きは、これまでの「中東相場」-原油高・米金利上昇・米株安の相場がひとまず収束する可能性を示唆している。


有事のドル買い後退、円安再燃を警戒

トレンド転換の兆しは外為市場でも見られる。「中東相場」は「有事のドル買い」を促していた。しかし、月初来の米ドルの動向を確認すると、日本円以外の主要通貨(G10通貨)で下落している。米ドルのトレンドを示すドル指数(DXY)は1.3%下落している。

前述の米国市場の動きも踏まえるならば、外為市場でも「中東相場」がひとまず収束する可能性があろう。

米ドルの動向:4月1日~10日

米ドルの動向:4月1日~10日 ブルームバーグの為替データで作成

今週、注目したいのが日本円の動きだ。前述のとおり4月に入り米ドル高の勢いが失速している。それにもかかわらず、日本円はその米ドルで下落する状況にあり、対G10通貨で全面安の状況に陥っている。

「円安のバロメーター」として注目すべきがクロス円だ。ユーロ円(EUR/JPY)は10日の外為市場で186.90レベルへ上昇し、ユーロ導入以来の最高値を更新した。ポンド円(GBP/JPY)はレジスタンスラインとして意識されていた214円を日足ローソク足の実体で完全に上方ブレイクした。豪ドル円(AUD/JPY)は3月11日に相場の上昇を止めた114.00レベルを視野に反発ムードが高まっている。

「有事のドル買い」失速を受け、ユーロドル(EUR/USD)などのドルストレート通貨が反発ムードにある。これらの動きがクロス円の上昇要因となっている。今週は、円安再燃を警戒したい。

日本円の動向:4月1日~10日

米ドルの動向:4月1日~10日 ブルームバーグの為替データで作成

ドル円のチャート分析、158.00~160.50の攻防

引き続き160円の神経戦を意識
4月に入り外為市場では「有事のドル買い」が失速している。しかし、円安再燃となればその影響が相殺され、ドル円(USD/JPY)は今週も160円(160.00)の神経戦を意識したい。

対米ドルでも円安が再燃する場合、そのきっかけとなり得るのが、日銀の利上げ姿勢だ。利上げの見通し自体に変化はないが、直近の翌日物金利スワップ(OIS)市場では、4月会合での利上げ確率がじわりと後退している。3月末は70%近くまで折り込まれていた4月の利上げが、レポート掲載時点では50%台へ低下し、6月に後ずれする可能性がある。米利下げ観測が後退している状況で、日銀の4月利上げ確率がさらに低下すれば、対米ドルでも円安進行を警戒したい。

日銀 政策金利の見通し

日銀 政策金利の見通し ブルームバーグのデータで作成 / 4月10日時点の見通し

13日に日銀の植田和男総裁が第101回信託大会で挨拶をする。現下の中東情勢が国内景気、インフレ、そして賃金に与える影響に言及する場合、それらが4月利上げ観測の後退要因となれば、ドル円の上値トライを意識したい。

ドル円のトレンドを日足チャートで確認すると、10日の外為市場で21日線を突破した。レジスタンスラインとして意識されている159.35レベルとフィボナッチ・リトレースメント76.4%の水準159.52レベルも突破すれば、160.00の神経戦を想定したい。

ドル円が160円台へ上昇する場合は、3月下旬に相場の上昇を止めた160.50レベルのトライが焦点となろう。この水準を今週の上限と想定したい。円安加速で160.50レベルをもブレイクアウトすれば、次の節目水準161円(161.00)をトライするサインと捉えたい。

だが、円安主導での上昇拡大は、政府・日銀による為替介入の可能性を意識した突発的な円高リスクを高めよう。

注目のチャート水準:レジスタンス
・161.00:節目水準
・160.50:上限予想
・160.00:心理的節目の水準
・159.52:76.4%戻し
・159.35:レジスタンスライン

下値の焦点は158円の維持
今週、ドル円(USD/JPY)が下値をトライしても、底堅い展開が予想される。「有事のドル買い」失速はクロス円を中心に円安の圧力を高めており、「米ドル安 vs 円安」の構図がドル円の下落を抑えよう。米イランの協議決裂で「有事のドル買い」が再燃する可能性もくすぶる。

まずは159円の攻防を注視し、この水準を下方ブレイクする場合は、サポート転換の兆しが見られる158.80レベルと158.60レベルのトライを意識したい(1時間足チャート)。これらの水準を下抜ける場合は、158.00のトライを想定したい。サポート転換が確認された158.00を今週の下限と予想する。

注目のチャート水準:サポート
・159.00:節目水準
・158.80:サポート転換を意識
・158.60:サポート転換を意識
・158.00:下限予想

ドル円 日足チャート:2026年1月以降

ドル円 日足チャート:2026年1月以降 TradingView提供のチャート

ドル円 1時間足チャート:4月以降

ドル円 1時間足チャート:4月以降 TradingView提供のチャート

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