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金価格見通し:4週続落、今週も下値を意識 米雇用統計でドル高進行も

金価格の週間展望。米雇用指標で下落拡大も。最大のカタリストは7月2日の6月雇用統計。注目のチャート水準をIG証券のアナリストが詳細に解説。

Source:Bloomberg Source:Bloomberg

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石川 順一

石川 順一

シニアマーケットアナリスト/Senior Market Analyst

作成日

要点

  • 金価格(XAU/USD)は4週続落。主要ETFも資金の流出超が続いている。今週も下値トライを意識する状況が予想される
  • 今週の焦点は7月2日の6月米雇用統計。雇用増と賃金インフレが確認されれば、年内かつ早期の利上げ観測が強まり、米ドル高が進行しよう。金価格の下落拡大を警戒
  • 目先の想定レンジは3700~4250ドル。下値は4000ドルを割れば100ドル幅で下値の水準を見極めたい。金の買い戻しで4100ドル突破なら4250ドルまでの反発を想定したい

金価格の弱気地合い鮮明に、今週も下値トライを意識

金価格(XAU/USD)の下落トレンドが鮮明になっている。直近でその動きを加速させたトリガーが、26日のIGコモディティレポートで指摘した、6月の米連邦公開市場委員会(FOMC)後の米ドル高だ。

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日足チャートでトレンドを確認すると、FOMC後に金価格の下げ幅が拡大していることが分かる。

テクニカル指標ではRSIが50を、MACDがゼロラインを下回る状況が続いている。3月の急落相場の安値である4100ドル(3月23日安値)が、上値抵抗へと役割を変える「サポレジ転換」の兆しも見える。21日線すらトライできない地合いも踏まえれば、金価格の地合いは弱い。

金価格 日足チャート:2025年10月以降

金価格 日足チャート:2025年10月以降 TradingView提供のチャート

もっとも、金相場が弱気に転じた起点は3月までさかのぼる。2月28日に米国とイスラエルがイランへの攻撃に踏み切ったが、これを境に地合いは一変していることが週次のパフォーマンスで分かる。

背景にあるのは、地政学リスクの高まりが「有事のドル高」を促したことだ。安全資産として金より米ドルが選好され、イラン攻撃前は堅調だった金価格は3月以降、明確な弱気基調へと転じている。

直近は4週続落となっており、そこへFOMC後のドル高が拍車をかけたかたちだ。

金価格 週次パフォーマンス:2026年1月以降、6月26日の週まで

金価格 週次パフォーマンス:2026年1月以降、6月26日の週まで ブルームバーグのデータで作成

主要金ETFの資金フローにも注目したい。ブルームバーグ集計の週次フローでは金ETFからの資金流出が加速し、6月26日週は3月下旬以来となる約30億ドルの流出超となった出超が続く状況は、市場参加者が金の先行きに依然として慎重な姿勢を崩していないことを示唆している。

前述のテクニカル指標、週次パフォーマンスも考慮すれば、今週も金価格は下値トライが予想される。

金ETF週次資金フロー:2026年1月以降、6月26日の週まで

金ETF週次資金フロー:2026年1月以降、6月26日の週まで ブルームバーグ・インテリジェンスの集計データで作成

焦点は米雇用統計、ドル高進行なら金価格は下落拡大も

弱気地合いの主因は、冒頭で述べた米ドル高にある。

28日のIG為替レポートで指摘したとおり、イラン攻撃以降、米ドルのトレンドを示すドル指数は一貫してドル高基調を維持している。26日時点で3.8%高にあり、すべてのG10通貨で米ドル高へ振れている状況も踏まえるならば、米ドルの地合いは強い(基準日:2月27日)。

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米ドルの動向:3月2日~6月26日

米ドルの動向:3月2日~6月26日 ブルームバーグの為替データで作成

米ドル高進行の根底にあるのが、米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ観測だ。6月のFOMCは市場で「タカ派」と受け止められ、年内の利上げ観測が急浮上している。早ければ9月会合での利上げを織り込む動きも見られる。

今週、米ドルのトレンドを左右する要因として注目したいのが、雇用関連の経済指標だ。30日に5月JOLTS求人件数、7月1日に6月ADP雇用統計、そして7月2日に6月雇用統計が発表される。

最大のカタリストは6月雇用統計だ。インフレ再燃が意識されている局面だけに、非農業部門雇用者数や失業率に加え、平均時給の動向も重要となる。

ブルームバーグの市場予想では、前年同月比の平均時給は+3.5%と、前月+3.4%から伸びが加速する見通しだ。雇用の底堅さに加えて賃金インフレも確認されれば、年内かつ早期の利上げ観測が一段と強まろう。

米雇用統計 各項目の動向:過去1年間

米雇用統計 各項目の動向:過去1年間 ブルームバーグのデータで作成 / 市場予想:6月26日時点

金価格のチャート分析、週間想定レンジ3700-4250ドル

今週も金価格(XAU/USD)が下値を目指す場合は、100ドル幅での攻防を見極めたい。

心理的節目の4000ドル、昨秋のサポートライン3900ドルを下抜ける場合は、3800ドルのトライが視野に入るが、この水準はサポートラインとして意識された経緯がない。よって、さらに100ドル下の半値戻し3700ドルを視野に下落拡大を警戒したい(週足チャート参照)。

今週、アメリカの雇用指標が総じて強い内容となれば、「米ドル高の進行→金価格の下落拡大」で3700ドルをトライする可能性は十分にあり得る。この水準を目先の下限と予想する。

注目水準:サポート
・4000ドル:心理的節目の水準
・3900ドル:昨秋のサポートライン
・3800ドル:サポートポイント
・3700ドル:下限予想、半値戻し(週足チャート)

金価格 週足チャート:2022年以降

TradingView提供のチャート TradingView提供のチャート

一方、今週の米雇用指標が総じて予想を下回る場合は、金価格の買い戻し要因となろう。だが、単月の指標で一度強まった年内のFRB利上げ観測が急速に後退する可能性は低い。反発は限定的と予想される。

焦点は、レジスタンスラインとして相場の反発を止めている21日線と、レジスタンス転換の兆しが見られる52週線だ。いずれも4250ドル付近で推移している。

目先の上限を4250ドルと想定し、まずはレジスタンス転換の兆しが見られる4100ドルの攻防に注目したい(冒頭の日足チャート、黒矢印を参照)。3月の下落相場を止めた安値(4100ドル)が反発を止めれば、地合いの弱さをさらに強めよう。

一方、金価格が4100ドルを突破すれば、4200ドルを視野に反発が予想される。4時間足チャートのフィボナッチ・リトレースメント38.2%(4120ドル)、半値戻し(4170ドル)の攻防に注目し、後者のテクニカルライン突破は、4200ドルをトライするサインと捉えたい。
注目水準:レジスタンス
・4250ドル:上限予想、21日線、52週線
・4200ドル:レジスタンスポイント
・4170ドル:半値戻し
・4120ドル:38.2%戻し
・4100ドル:レジスタンス転換の可能性あり

金価格 4時間足チャート:6月以降

金価格 4時間足チャート:6月以降 TradingView提供のチャート

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