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金価格4000ドル割れ、 FRBタカ派化でドル高進行、今後の見通しは?

金価格は一時節目の4000ドル割れ。強まるFRBの早期利上げ観測で米ドル高が進行。金価格は下値の見極めが焦点に。注目のチャート水準についてIG証券のアナリストが詳細に解説。

Source:Bloomberg Source:Bloomberg

Written by

石川 順一

石川 順一

シニアマーケットアナリスト/Senior Market Analyst

作成日

要点

・金価格は24日に昨年11月以来となる4000ドルを下方ブレイク。25日は4000ドルを回復するも、日足・週足チャートのテクニカル指標は金価格の弱気地合いを示唆している

・弱気鮮明の主因は、FOMCの“タカ派化”で急浮上した年内かつ早期の利上げ観測と、それに伴う米ドル高にある。ドル指数は昨年5月以来の101.80レベルへ上昇。米ドル高進行なら年後半の金価格は下値リスクを意識する状況に陥ろう

・米ドル高進行で金価格が下値をトライする局面では、4000ドルの完全な下方ブレイクと3900ドルの攻防を想定したい。3900ドルを下抜ければ、3700ドルまでの下落を警戒したい。反発しても米ドル高が意識される状況では4200ドル台までが限界か 

金価格 節目4000ドル割れ、弱気地合いが鮮明に

先週17日以降、金価格(XAU/USD)の下落トレンドが鮮明となり、24日には昨年11月以来となる節目水準4000ドルを下方ブレイクした(下チャート、赤ゾーン・矢印を参照)。

RSIは売られ過ぎの目安となる30を下回る場面が見られ、25日の取引では調整の買い戻しで4000ドルを回復。しかし、上昇幅は前日比27ドル(0.68%)と限定的だった(ブルームバーグの価格データ)。

日足MACDはゼロラインを大きく下回り、低下トレンドが続く。さらに21日線、50日線が相場の反発を止め、3月高値を起点とした下降トレンドラインが形成されている。テクニカル面では金価格の弱気地合いが鮮明となっている。

金価格 日足チャート:2025年9月以降

金価格 日足チャート:2025年9月以降 TradingView提供のチャート

年内かつ“早期”の米利上げ観測が急浮上、ドル高進行を警戒

この弱気地合いの主因は、米利上げ観測にあると筆者は考えている。先週、ウォーシュ新体制下で初の米連邦公開市場委員会(FOMC)が開かれ、その内容は市場で"タカ派"と受け止められた。

経済見通し(SEP)では、2026年のコアPCEインフレ率(中央値)が3月時点の2.7%から3.3%へ上方にシフト。政策金利の見通し(中央値)も3.4%から3.8%へ引き上げられ、利下げ観測は完全に後退した。

翌日物金利スワップ(OIS)市場では、米連邦準備制度理事会(FRB)が年内に利上げへ動くとの見方が急速に強まっている。とりわけ"早期"の観測が際立ってきた。足元の織り込みでは、1回利上げについて9月会合までに約8割、10月会合までの実施が織り込まれる状況にある。

米政策金利の見通し

米政策金利の見通し Source:Bloomberg / 26日 午前9時時点の見通し

早期の米利上げ観測が、外為市場で米ドル高を加速させている。ドル指数(DXY)は2025年前半の下落から、後半に96-97ゾーンで下げ止まり、足元では節目の100-101を上抜けた。昨年5月以来となる101.80レベルをつける場面もあった。週足では13週線と52週線がゴールデンクロスを形成し、ともに上向きに転じつつある。米ドルは下落局面から上昇局面への転換点にあるといえよう。

ドル指数 週足チャート:2024年9月以降

ドル指数 週足チャート:2024年9月以降 TradingView提供のチャート

この米ドル高が、金価格の重石となっている。下の1時間足チャートでトレンドを確認すると、FOMC後はドル指数の上昇を受け金価格が下落しており、両者の逆相関がより鮮明となっている。

ゆえに今後の焦点は、米ドル高の持続性にある。25日は米ドル高が一服し、金価格も下げ渋った。しかし、早期利上げ観測が意識される限り、米ドル高の基調は崩れにくいだろう。年後半の金価格にとって、米ドルの動向が最大の変数となろう。

ドル指数と金価格 1時間足チャート:6月以降

ドル指数と金価格 1時間足チャート:6月以降 TradingView提供のチャート

金価格のチャート分析

冒頭で述べた通り、テクニカル指標は金価格の弱気地合いを示唆している。週足チャートでは、13週線と26週線でデッドクロスが確認され、52週線がレジスタンスへ転換する兆しも出始めている(緑矢印を参照)。早期利上げ観測で米ドル高が進行しやすい状況にあることも踏まえれば、当面は4000ドルを完全に下抜ける展開を想定する局面にある。この場合注目したいのが3900ドルのトライだ。昨秋に相場を下支えした水準であり、ここで下げ止まれば、目先の重要サポート水準として意識されよう。

問題は、3900ドルを下方ブレイクするケースだ。この場合は100ドル刻みで下値の攻防を見極めたい。注目は3700ドルである。2022年以降、1980ドル前後がレジスタンスラインとして意識されたが、2023年10月の安値1810ドルを起点に上方ブレイク。その後、上昇相場が加速し、今年1月の高値5598ドルへ急騰した。3700ドルはこれら高安の半値戻し(50%)にあたる。

年後半に米ドル高が一段と進むなら、3700ドルが重要な節目水準の一つになることが予想される。3800ドルを下抜ければ、3700ドルをトライするサインと捉えたい。

注目水準:サポート
・3959ドル:6月24日安値
・3900ドル:昨秋に相場をサポートした水準
・3800ドル:3700ドルトライのサインとなる水準
・3700ドル:半値戻し(50%)

一方、日足RSIは売られ過ぎの水準30前後で推移している。調整の買い戻しが入る局面では、4100ドルの攻防が最初の焦点となろう。3月の急落時につけた安値水準で、ここがレジスタンスに転換すれば、弱気地合いを一段と印象づけよう。一方、4100ドルを上抜ければ、4200ドル台までの反発が視野に入る。

ただし、4200ドル台には21日線と52週線が控える。21日線は5月中旬以降、一貫して相場の戻りを抑えてきた。3月高値を起点とする下降トレンドラインも重なるため、戻りは4200ドル台で頭打ちとなり、反落する展開を想定したい。

注目水準:レジスタンス
・4276ドル:21日線
・4240ドル:52週線
・4200ドル:レジスタンス
・4100ドル:3月急落時の安値水準(3/23)

【再掲】金価格 日足チャート:2025年9月以降

【再掲】金価格 日足チャート:2025年9月以降 TradingView提供のチャート

金価格 週足チャート:2022年以降

金価格 週足チャート:2022年以降 TradingView提供のチャート

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