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マイナス金利解除は甘くない? サービス物価上昇に弱さ 宿泊と通信頼み

日銀は物価上昇継続を確信できていない。サービス価格が失速すれば、マイナス金利解除観測の後退が円安材料になる可能性も。

出所:ブルームバーグ

日本銀行が物価上昇の見通しを確信できないでいる。日銀が目指す賃上げと物価上昇の好循環達成のカギを握るのは人件費の割合が高いサービス価格の動向。しかし12月の金融政策決定会合ではサービス価格の上昇を指摘する声があがる半面、継続性については懐疑的な声も聞かれた。実際、11月の消費者物価指数(CPI)では、サービス価格に分類される宿泊料や通信料がCPIの伸びに大きく寄与したが、その他のサービス価格が物価を押し上げる効果は控えめだ。サービス物価上昇のすそ野が広がらなければ、2023年春にも見込まれるマイナス金利政策の解除が遠のく可能性があり、ドル円相場で円安材料として意識されることも想定される。

11月のサービス価格は前年同月比2.3%上昇

日銀が18、19日に開いた決定会合では物価上昇の見通しについて明確な方向性は出なかった。27日に公表された決定会合での「主な意見」では、サービス価格の動向について「人件費上昇なども背景に、緩やかに上昇幅を拡大する傾向にある」「人件費を物価に転嫁する動きが広がっており、粘着的なサービス価格も、高い伸びが続いている」といった、上昇を好感する声が出ていた。しかし一方で、「賃金からサービス価格への転嫁については、企業からは引き続き難しいという声が多く聞かれる」「賃上げによるコスト上昇は企業努力で吸収すべきとの思想が根強い」との分析もあった。

決定会合後の22日に発表された11月CPIでも、こうした状況が明らかになっている。指数をモノの価格とサービスの価格に分けてみると、サービス価格の伸び率は前年同月比2.3%で、2022年1月のマイナス2.7%を底にした上昇基調が継続。モノの価格の伸び率がサービス価格よりも高い3.3%でありつつも、1月の7.2%をピークとして低下を続けていることとは対照的だ。

日本のモノとサービスの物価上昇率の推移のグラフ

宿泊料と携帯電話通信料がサービス価格を押し上げ

しかしサービス価格を品目ごとに分析すると、異なる空気も感じられる。サービス価格に分類される140品目を総合指数を押し上げた度合いの大きさ(寄与度)でランキングすると、最上位にくるのが宿泊料。伸び率は前年同月比62.9%で、総合指数の伸び率2.8%のうち0.45ポイント分の押し上げ効果を生んだ。次いで寄与度が大きかったのは携帯電話通信料の0.14ポイント。この2品目だけで総合指数を0.6ポイントほど引き上げた計算になる。サービス価格全体の寄与度は1.08ポイントであることを踏まえれば、宿泊と通信頼みのサービス価格上昇であるともいえそうだ。

日本の消費者物価指数(CPI)におけるサービス品目の寄与度ランキング

こうした物価動向の実態は日銀の植田和男総裁も意識しているようだ。植田氏は27日放送のNHKのインタビューで、賃上げと物価上昇の好循環の実現について「まだもうひとつ自信が持てない。確度は高くない」との立場を維持。そのうえでマイナス金利解除に関連し、今後の注目点として「今年上がってきた賃金が今年から来年にかけてどれぐらいサービス価格に反映されるかという点を見たい」と述べた。

サービス価格の上昇を牽引している宿泊料の伸び率は4月からプラスに転じており、市場関係者の間でマイナス金利解除が見込まれている2024年春には物価押し上げ効果が一巡してしまう可能性もある。外国為替市場のドル円相場(USD/JPY)では12月に入ってから、日銀のマイナス金利政策解除が日本の金利水準を上げるとの観測を背景に円高ドル安が進行したが、今後の物価動向次第で円高圧力が弱まる可能性もありそうだ。


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