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【米国株】ハイテク決算でナスダック100に上昇期待、次はアマゾン 焦点はクラウド事業の成長性

メタ・プラットフォームズとマイクロソフトの決算は予想を上回った。株価は時間外で上昇した。1日の引け後にアマゾン・ドット・コムが決算を発表する。クラウド事業の成長性に注目したい。

Source:Bloomberg Source:Bloomberg

記事のサマリー

4月30日の引け後にメタ・プラットフォームズとマイクロソフトがそれぞれ決算を発表した。いずれも予想を上回る内容だった。株価は時間外で上昇した。
4月7日以降、米国株は反発相場にある。マグニフィセントセブンの買い戻しが米国株を下支えしている。だが、パフォーマンスにはバラつきがある。低迷するアマゾン・ドット・コムが1日の引け後に決算を発表する。メタとマイクロソフトに続き好決算となれば、他のハイテク株買いを誘う可能性がある。
ナスダック100は節目の20,000ポイントの突破と、週間予想レンジの上限20,400ポイントを視野に上昇幅の拡大を想定したい。一方、反落局面では19,000ポイントの維持が焦点となろう。



メタ・プラットフォームズとマイクロソフト、予想上回る決算、時間外で株価上昇

4月30日の引け後にメタ・プラットフォームズとマイクロソフトが決算を発表した。メタ・プラットフォームズ(META)の2025年1-3月期決算は売上高が前年同期比16%増の423億1400万ドル、1株利益は6.43ドルだった。ブルームバーグ予想の413億8000万ドル、5.25ドルを上回った。同社を支えるネット広告事業の売上高は前年同期比16%増の413億9200万ドルで堅調な伸びを示した。決算後、同社の株価は時間外で上昇した。

マイクロソフト(MSFT)も2025年1〜3月期決算を発表した。売上高は前年同期比13%増の700億6600万ドル、1株利益は3.46ドルだった。いずれもブルームバーグ予想の684億8000万ドル、3.22ドルを上回った。同社の成長を左右するクラウドコンピューティング事業の売上高は267億5100万ドルと、ブルームバーグ予想の259億8000万ドルを上回った。クラウド基盤Azure(アジュール)などの売上高も前年同期比33%増と、2024年10〜12月期の31%増を上回る堅調な伸びとなった。メタと同じくマイクロソフトの株価も時間外で上昇した。


次はアマゾン・ドット・コム、焦点はクラウド事業の成長性

全体の業績見通し
1日の引け後にアマゾン・ドット・コム(AMZN、以下アマゾン)が2025年1-3月期(第1四半期)の決算を発表する。ブルームバーグがまとめたアナリスト予想によれば、売上高は前年同期比8.26%増の1551億6000万ドル、1株利益(EPS)は1.36ドルが見込まれている。

他のハイテク企業と同じく、焦点の一つが全体の業績見通しとなろう。第2四半期(2Q)の売上高は前年同期比9.08%増の1614億ドル、1株利益は1.39ドルが見込まれている。前回の決算では業績見通しが投資家の失望を誘い、株価は下落トレンドを形成した。今回も全体の業績見通しが株価の動向に影響を与えよう。

売上高と1株利益の推移:2022年以降

売上高と1株利益の推移:2022年以降

ブルームバーグのデータで筆者が作成 / 赤の棒グラフ:第1四半期(1Q)の予想

2Qの売上高と1株利益の見通し
・売上高 :1614億ドル(前年同期比9.08%増)
・1株利益:1.39ドル

クラウド事業の成長性
もう一つの焦点が、アマゾン(AMZN)の成長を左右する生成AI(人工知能)向けのクラウドサービス(AWS)事業となろう。同社のクラウド事業は営業利益の5割を稼ぐまでに成長している。

ブルームバーグがまとめたアナリスト予想によれば、AWSの第1四半期(Q1)売上高は前年同期比17.28%増の293億6300万ドルが見込まれている。営業利益は同比10.65%増の104億2500万ドルが予想されている。一方、1Qの営業利益は前年同期比で-6.26%、2024年10-12月(前四半期)比で-4.48%の35.25%と、利益率の伸びが鈍化の見通しにある。第2四半期(2Q)の売上高は前年同期比17.20%増の308億ドル、営業利益は同比13%増の105億4800万ドル、営業利益率は34.1%がそれぞれ予想されている。

決算でクラウド事業の成長性に疑問符が付けば、巨額の設備投資額に対する懸念が強まろう。アマゾンは2025年12月期にデータセンターなどAI関連の設備投資額が約1000億ドル程度になるとの見方を示している。2024年12月期を3割近く上回る。全体の業績見通しが予想を上回ってもクラウド事業の成長懸念が意識される場合は、株価の重石となる可能性がある。一方で、マイクロソフト(MSFT)と同じく堅調な業績見通しとクラウド事業の成長性を示すことができれば、株価は時間外で上昇することが予想される。

AWSの売上高と営業利益(率)の推移:2022年以降

クラウド事業の売上高と営業利益(率)の推移:2022年以降

ブルームバーグのデータで筆者が作成 / 赤の棒グラフ:第1四半期(1Q)の予想

2Qのクラウド事業の見通し
・売上高 : 308億ドル(前年同期比17.20%増)
・営業利益 :105億4800万ドル(同比13%増)
・営業利益率:34.1%

株価の見通し
前回の決算では、業績の見通しが投資家の失望を誘った。それ以降、アマゾン(AMZN)の株価は軟調地合いにある。三役逆転の状況にある一目均衡表は株価の弱気地合いが続いていることを示唆している。

今回の決算でも業績の見通しが予想を下回る場合、特にクラウド事業の成長懸念を意識させる内容となれば、一目転換線の下方ブレイクと170ドル割れを想定したい。4月21日の安値165ドルの下方ブレイクは、関税リスクが最も意識された同月7日の安値161ドルをトライするサインと捉えたい。

一方、今回の決算でクラウド事業を含めた業績見通しが投資家の期待を上回る場合は、3月下旬にレジスタンスラインとして意識された206ドルを視野に反発相場が続く展開を想定したい。206ドルを目指すサインとして、まずはフィボナッチ・リトレースメント38.2%の水準192ドルと50日線(4月30日時点194ドル)の攻防に注目したい。50日線の上方ブレイクは、200ドル台へ上昇するサインと捉えたい。

株価が200ドル台へしっかりと上昇し半値戻しの水準202ドルも突破する場合は、206ドルのトライを意識したい。

アマゾンの株価:日足 2月以降

アマゾンの株価:日足 2月以降

出所:TradingView


ナスダック100の見通しと注目のテクニカルライン

クラウド銘柄、ナスダック100の押し上げ要因となるか
4月7日を境に米国株は反発基調へ転じている。特に先週以降、反発相場をけん引しているのがマグニフィセントセブンである。しかし、4月30日時点でナスダック100のパフォーマンスを上回っているのはテスラ(TSLA)、エヌビディア(NVDA)、アップル(AAPL)の3銘柄のみである。ゆえに、他の4銘柄の動向は米国株、特にハイテク株比率の高いナスダック100のトレンドに影響を与えるだろう。

特に注目されるのが、AI向けのクラウド事業を展開しているアルファベット(GOOGL)、マイクロソフト(MSFT)そしてアマゾン(AMZN)である。アマゾンは最もパフォーマンスが低迷しているが予想を上回る決算となれば、他のクラウド2銘柄の押し上げ要因になり得る。出遅れ感のあるクラウド3銘柄がさらに上昇すれば、ナスダック100の押し上げ要因となろう。

マグニフィセントセブンとナスダック100の動向:4月7日~30日

マグニフィセントセブンとナスダック100の動向:4月7日~30日

ブルームバーグのデータで筆者が作成

節目の20,000突破なら20,400が視野に
ナスダック100の日足チャートでは、28日のIG米国株レポートで取り上げた50日線をトライする状況にある。しかし、日本時間の早朝に発表されたハイテク決算を受け、IG証券の米国テク株100の上昇幅が拡大している。4時間足チャートのフィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準19,980ポイントの突破は、節目の20,000ポイントをトライするサインとなろう。

米国テク株100が20,000ポイント台へ上昇する場合は、20,300ポイントの攻防に注目したい。今日現在、20,233ポイント付近に75日線が推移している。(日足チャート)。また、20,340ポイントは3月26日の高値水準にあたる(4時間足チャート)。

20,300ポイントを突破すれば、ナスダック100は28日のIG米国株レポートで取り上げた週間の予想レンジ上限20,400ポイントのトライを想定したい(日足チャート)。

レジスタンスライン
・20,400:予想レンジの上限(日足)
・20,300:75日線(日足)、3月26日の高値(4時間足)
・20,000:レジスタンスライン(日足)
・19,980:61.8%戻し(4時間足)

2つのサポートライン
1日の引け後にはアマゾン(AMZN)の他、アップル(AAPL)も決算を発表する。ともに投資家の期待を下回る内容となれば、米国株の売り要因になり得る。景気不安が高まるなか、明日の4月雇用統計が予想を下回る場合も米株安の要因として警戒したい。

だが、トランプ関税リスクを意識した相場はひとまず終息している。昨日までのマグニフィセントセブンの決算内容と株価の上昇も考えるならば、ナスダック100(米国テク株100)の下落幅は限定的となることが予想される。

下落の局面では、19,200ポイント(日足チャート)と19,000ポイント(4時間足チャート)の攻防に注目したい。いずれもレジスタンスラインからサポートラインへ転換する可能性がある。

サポートライン
・19,200(日足)
・19,000(4時間足)


ナスダック100のチャート

日足 2月以降

日足 2月以降

出所:TradingView

米国テク株100のチャート

4時間足 2月以降

4時間足 2月以降

出所:IGチャート


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