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【米国株】今週もハイテク決算にらみ、マイクロソフトにクラウド成長懸念 ナスダック100の週間見通し

今週の米国株も関税報道とピークを迎えるハイテク決算にらみの展開となろう。30日にマイクロソフトが決算を発表する。ナスダック100の変動要因として注目したい。

Source:Bloomberg Source:Bloomberg

記事のサマリー

米中の貿易摩擦が緩和に向かう期待が高まっている。米中対立の懸念後退は、マグニフィセントセブンの買い戻しを促している。ハイテク株比率の高いナスダック指数は先週6%を超す大幅反発となった。30日の引け後にマイクロソフトが2025年1-3月期の決算を発表する。2023年以降の株高局面では、マグニフィセントセブンのなかでもマイクロソフトはナスダック100と最も高い順相関の関係にある。米中の通商交渉に関する報道とともに今週のナスダック100の変動要因として注目したい。



米中懸念の後退で下落相場が一服、ナスダックは6%を超す大幅高

先週は米国のトランプ大統領とベッセント財務長官の発言を受け、米中の貿易摩擦が緩和に向かうとの期待感が高まった。米中対立の懸念が後退したことで、主要な米株価指数は反発した。ダウ平均は節目の4万ドルを回復して終えた。米中懸念の後退はマグニフィセントセブンの買い戻しを促し、ナスダックは総合指数と100指数がともに6%を超す大幅上昇となった。

米中の通商交渉は紆余曲折が予想される。米中対立の緩和期待を高める報道が続けば、今週の米国株は反発相場を維持することが予想される。逆に、米中対立の根深さを伝える報道が続く場合は、株安の再燃を警戒したい。

米株価指数 週間の変動率:4月21~25日の週

米株価指数 週間の変動率:4月21~25日の週

ブルームバーグのデータで筆者が作成


ピークを迎える米ハイテク決算、30日にマイクロソフト、焦点と株価の見通し

クラウド事業の成長懸念に直面するマイクロソフト
今週の米国株は、米中の通商交渉に関する報道の他、ピークを迎えるハイテク決算も材料視されるだろう。30日にマイクロソフト(MSFT)が2025年1-3月期(第3四半期)の決算を発表する。ブルームバーグがまとめたアナリスト予想によれば、売上高は前年同期比10.69%増の684億7200万ドル、1株利益は同比9.28%増の3.21ドルが見込まれている。

売上高と1株利益の推移:2020年以降

売上高と1株利益の推移:2020年以降

第3四半期(3Q)のアナリスト予想:ブルームバーグより、レポート掲載時点

決算の焦点は2つある。一つは、他のビッグテック企業と同じく業績の見通しである。2025年4-6月期(第4四半期 )の売上高は前年同期比11.99%増の724億8800万ドル、1株利益は同比13.27%増の3.34ドルが見込まれている。前回の決算を振り返るならば、業績見通しは株価のトレンドを左右する要因となろう。

もう一つの焦点が、新たな成長の柱として期待されているクラウドコンピューティング事業の成長性である。第3四半期(3Q)の売上高は前年同期比で17.35%増の259億8200万ドルが見込まれているが、2024年10〜12月期比では1.71%増と一桁の伸びにとどまる見通しにある。また、主力のクラウド基盤Azure(アジュール)の売上高も前年同期比で30.91%増と、2024年10〜12月期の31%増とほぼ横ばいで鈍化の傾向が続くことが予想されている。4Qの売上高は前年同期比17.99%増の280億6400万ドルが予想されている。Azureの売上高成長率は同比31.22%増と、引き続き30%台での低い伸びが続く見通しにある。

クラウドコンピューティング事業 売上高の推移:2020年以降

クラウドコンピューティング事業 売上高の推移:2020年以降

第3四半期(3Q)のアナリスト予想:ブルームバーグより、レポート掲載時点

Azureの売上高伸び率:2020年以降

Azureの売上高成長率:2020年以降

第3四半期(3Q)のアナリスト予想:ブルームバーグより、レポート掲載時点

4Qの業績見通し
・売上高:724億8800万ドル(前年同期比11.99%増)
・1株利益:3.34ドル(同比13.27%増)
・クラウド事業収益: 280億6400万ドル(同比17.99%増)
・Azure 売上高伸び率:同比31.22%増
※ブルームバーグのアナリスト予想より


株価の見通し
マイクロソフト(MSFT)の株価は現在、反発の地合いにある。関税報道で米中懸念が後退し、今回の決算が投資家の期待に応える内容となれば、レジスタンスラインへ転換する兆しが見られる420ドルのトライを想定したい(日足チャートの赤矢印を参照)。このラインをトライするサインとして、1月28日の高値と今月7日安値の半値戻しの水準396ドル、400ドル付近にある75日線、そしてフィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準408ドルの攻防に注目したい。

だが、上で述べたとおりマイクロソフトの成長を左右するクラウド事業の収益性は鈍化の傾向にある。2024年10-12月期の設備投資額は226億ドルと、同年6-9月期の200億ドルから13%増加した。2025年1-3月期の設備投資額は225億6400万ドルと、前四半期とほぼ同じ額の設備投資が見込まれている。決算でクラウド事業の成長懸念が高まれば、巨額の設備投資に対する投資家の警戒心をあおる要因となろう。

3Q決算が株安の要因となれば、上で述べたレジスタンスラインでの反落を想定したい。株価下落の局面では今月23日の安値373ドル、21日の安値355ドル、そして7日の安値344ドルの攻防に注目したい。

マイクロソフトの株価:日足 2025年以降

マイクロソフトの株価:日足 2025年以降

出所:TradingView


ナスダック100の週間見通しとテクニカルライン

ナスダック100とマグニフィセントの関係
2022年の下落相場を脱し、2023年以降ナスダック100は上昇トレンドへ転じた。2023年から先週25日までのマグニフィセントセブンとの関係を相関係数で確認するといずれも高い順相関の関係にあるが、最も高いのがマイクロソフトである(相関係数:0.776)。

すでに決算を通過したアルファベット(GOOGL)は先週7.1%高で終えた。同じく決算を乗り越えたテスラ(TSLA)は先週18%高となった。ナスダック100との相関性が高いマイクロソフトも投資家の期待に応える決算内容となれば、マグニフィセントセブンをさらに押し上げる要因になり得る。ナスダック100も同じ方向(上昇)に向かうことが予想される。

ナスダック100とマグニフィセントの関係

ナスダック100とマグニフィセントの関係

ブルームバーグのデータで筆者が作成 / 相関係数:対数差分

まずは50日線の突破、週間の予想レンジ上限は20,400
マグニフィセントセブンの買い戻しを受け、ナスダック100は今月2日(トランプ米大統領が相互関税を発表する前)の水準まで反発している(日足チャートを参照)。日足のMACDはゴールデンクロスへ転じ、ゼロラインが視野に入る。一目均衡表では、転換線が基準線を上方ブレイクしている。遅行線はローソク足に接近している。これらテクニカルラインの動向は、ナスダック100の反発地合いが強まっていることを示唆している。

今週もナスダック100の反発が続く場合、目先の焦点は50日線の攻防となろう。この移動平均線を突破する場合は、米国テク株100の4時間足チャートに示した19,866ポイントの攻防が焦点に浮上しよう。急落相場の基点となった4月2日高値の突破は、関税リスクを意識した下落相場がひとまず終息するサインになり得る。

ナスダック100が19,866ポイントをも突破すれば、20,000ポイント台の回復が視野に入る。米中交渉の報道とハイテク決算がともに株高の要因となれば、レジスタンスラインへ転換する可能性がある20,400ポイントを視野に上昇幅の拡大を想定したい(日足チャートを参照)。このラインは今週、レジスタンスゾーンとして意識される可能性がある一目雲のなかで推移する。週間予想レンジの上限と想定したい。一目雲の下限、75日線そして4時間足チャートの20,335ポイントの突破は、20,400ポイントをトライするサインとなろう。

レジスタンスライン
・20,400:予想レンジの上限(日足)
・20,335:3月下旬の高値水準(4時間足)
・20,295:75日線(日足)
・20,200:一目雲の下限(日足)
・19,866:4月2日の高値(4時間足)
・19,731:50日線(日足)

反発局面での「急反落」を警戒、週間予想レンジの下限は18,400
ナスダック100は反発地合いにある。しかし今の反発相場は、米中の貿易摩擦が緩和に向かうという「期待先行」が土台となっている。こちらのIG為替レポートで述べたとおり、トランプ米大統領は中国との通商交渉が進んでいると発言する一方で、中国はこれを否定した。また、ベッセント米財務長官は関税を巡る交渉について、”中国を除く”主要な貿易相手17カ国との交渉が進行中だと説明した一方で、米中の首脳が直接対話したかどうかについては把握していないと述べた。米政権の要人発言を見る限り、米中交渉は紆余曲折が予想される。よって、米中対立の根深さを伝える報道が続けば、期待先行の反発相場はもろくも崩れる可能性がある。さえないハイテク決算も重なる場合は、ナスダック100の「急反落」を警戒したい。

今週ナスダック100が再び下値をトライする場合、焦点は4月7日の安値を基点にした短期サポートラインの維持となろう(4時間足を参照)。このラインは今週、日足の一目基準線と交錯する。その基準線は現在18,400レベルで推移している。重要なテクニカルラインが重なる18,400ポイントを今週の予想レンジ下限と想定したい。

ナスダック100の下落局面でまず注目したいのが、サポートラインへ転換する可能性がある19,000ポイントの攻防である。このラインを下方ブレイクする場合は、18,500ポイント台に上昇している日足一目転換線のトライを想定したい(いずれも4時間足を参照)。18,500ポイントもサポートラインへ転換する可能性がある水準である。

サポートライン
・19,000:サポートライン(4時間足)
・18,500:サポートライン(4時間足)、一目転換線(日足、4/25時点)
・18,400:サポートライン(4時間足)、一目基準線(日足、4/25時点)


ナスダック100のチャート

日足:2025年以降

日足:2025年以降

出所:TradingView

米国テク株100のチャート

4時間足:3月下旬以降

4時間足:3月下旬以降

出所:IGチャート


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