ドル円の見通し(6/26):144.00-145.90レンジ、ドル安再燃を警戒
ドル円は現在、21日線と89日線のどちらをブレイクするかに注目したい。中東不安の後退でドル安が再燃しつつある。21日線のトライと下方ブレイクを意識したい。今日の見通しについてIG証券のアナリストが分かりやすく解説。

要点
・中東不安が後退、外為市場では一転ドル安再燃のムードが漂う
・現在の外為市場は、米ドル安と円安が同時に発生している
・ドル円は21日線と89日線のどちらをブレイクするかに注目
・ドル円 今日の予想レンジは144.00-145.90
中東不安が後退、外為市場は一転ドル安の状況に
トランプ米政権の主導でイスラエルとイランの停戦合意が発表されて以降、外為市場では「有事のドル買い」から一転、ドル安優勢の状況へ転じている。
米ドルの変動率:6月23日~25日

ブルームバーグの為替データで筆者が作成
じわり高まる米利下げ期待
短期金融市場では、米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ期待が高まっている。今年12月の政策金利の予想水準を確認すると、本日午前10時時点で3.6%台まで低下している(レポート掲載時点では3.71%)。1週間前は3.8%台だった。
パウエルFRB議長は今週の議会証言でも関税が物価に与える影響を見極める必要性に言及し、あらためて早期の利下げに慎重な姿勢を示した。しかし、25日のIG米国株レポートで述べたとおり、ウォラー理事とボウマン副議長がそろって7月利下げの可能性に言及した。今後の金融政策を巡り、米FRB内で意見が分かれ始めている。金融政策の方向性を織り込んで動く2年債利回りは3.8%の水準を切っている。ブルームバーグのデータによれば、昨日は3.766%まで低下する局面が見られた。
短期金融市場の予想水準が切り下がっている状況も考えるならば、米利下げ期待がじわりと高まっている。この点もまた米ドル安の要因になり得る。
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米FRB 政策金利の予想推移

ブルームバーグのデータで筆者が作成 / 26日 午前10時時点(8時時点からアップデート)
ドル円 今日の見通しとテクニカル分析
2つの移動平均線の攻防
ドル円(USD/JPY)は現在、21日線がサポートラインとして、89日線がレジスタンスラインとして意識されている。従って目先は、どちらの移動平均線をブレイクするかが焦点となろう。
予想レンジの下限:144.00レベル
上述したとおり、現在の外為市場はドル安の再燃を警戒する状況にある。このため本日は、144円ミドルで推移している21日線のトライと下方ブレイクを意識したい。
ドル円が21日線を下方ブレイクすれば、144.00レベルのトライが視野に入ろう。この水準は、中東懸念が意識された局面で付けた高安のフィボナッチ・リトレースメント76.4%の水準にあたる(144.02レベル、4時間足チャート)。144.00レベルを今日の予想レンジの下限と想定したい。
筆者の想定を超えてドル円の下落幅が拡大し144円をも下方ブレイクする場合は、今月13日の安値142.80レベル(全戻し)を視野に下落幅の拡大を警戒したい。
サポートライン
・144.51:21日線(日足)
・144.00:予想レンジの下限、76.4%戻し(4時間足)
・142.80:今月13日の安値水準、全戻し(4時間足)
予想レンジの上限:145.90レベル
現在の外為市場では米ドル安と同時に円安も進行している。昨日も対G10通貨で日本円は全面安となった。円安の圧力がドル安の圧力を凌駕する場合、ドル円(USD/JPY)は以下述べるレジスタンスラインの攻防に注目したい。
日本円の変動率:6月25日

ブルームバーグの為替データで筆者が作成
ドル円の上昇局面では、日足の一目雲の上限、3月28日の高値と4月22日の安値の半値戻しの水準が重なる145.55レベルの攻防が最初の焦点となろう。(日足チャート)。
ドル円が145.55レベルを突破すれば、次は145.85レベルの攻防に注目したい。この水準は、昨日の上昇を止めたフィボナッチ・リトレースメント38.2%の水準である(4時間足チャート、赤矢印を参照)。そして本日は、89日線が145.87レベルで推移している。すぐ上の145.90レベルを今日の予想レンジの上限と想定したい。
筆者の想定を超えてドル円の上昇幅が拡大し、89日線を上方ブレイクする場合は、146.00レベルの攻防が焦点となろう。しかし、昨日の日足ローソク足の長い上ヒゲ、そして5月29日の上昇局面でも同じく長い上ヒゲが示現し反落したことを考えるならば、5月高安のフィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準146.15レベルで反落する展開を想定したい(日足チャート、青矢印を参照)。
レジスタンスライン
・146.15:61.8%戻し(日足)
・145.90:予想レンジの上限
・145.55:一目雲の上限と半値戻し(日足)
ドル円の日足チャート:今年3月以降

出所:TradingView
ドル円の4時間足チャート:3月下旬以降

出所:TradingView
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