ドル円 今週の見通し(5/4週):再度介入なら155.50円割れも、政府・日銀 円安阻止で厳戒態勢
IG証券のアナリストによる今週のドル円展望。政府・日銀は推計5兆円規模の為替介入で断固たる円安阻止の構えを見せてきた。ドル円の週間想定レンジは155.50-159.00円。大型連休中の円安再燃なら再度介入の警戒。155.50円割れも。
要点
- 政府・日銀は4月30日、推定5兆円規模の円買い・米ドル売り介入に踏み切った。ドル円(USD/JPY)は155円台へ急落するも、翌1日には157円台へ反発した。円安再燃の可能性を残したまま今週の大型連休を迎える
- 2024年も政府・日銀は円安阻止のため断続的に為替介入を行った。片山財務相も市場をけん制し続けている。今週の外為市場で円安再燃となれば、政府・日銀はためらうことなく再び為替介入に踏み切ることが予想される。今週の円相場は急変動を警戒したい
- ドル円の週間想定レンジは155.50〜159.00円。円安再燃での上昇拡大は、為替介入に絡んだ急反落のリスクを高めよう。8日の米雇用統計も変動拡大の要因として警戒したい
為替介入に踏み切った政府・日銀、円安阻止の姿勢を鮮明に
政府・日銀は4月30日、1年9カ月ぶりの円買い・米ドル売りの為替介入に踏み切った。日銀が1日公表した当座預金残高の見通し(7日時点)によれば、為替介入を反映する「財政等要因」が9兆4800億円減少した。市場の事前予測は約4兆5000億円の減少であり、この差額にあたる約5兆円が、今回の為替介入額と推計される。
上記の推計が正しければ、2024年4月29日の約5.9兆円規模に匹敵する円買い介入を政府・日銀が行ったことになる。この年は5月1日に約3.9兆円規模、7月には2度の円買い・米ドル売り介入に踏み切り、計5.5兆円規模の為替介入を実施した。2024年の介入総額は15兆円超となった。
2024年為替介入の実施日と規模
円安再燃なら大型連休中の為替介入を警戒
4月30日の円買い・米ドル売りの為替介入を受け、ドル円(USD/JPY)は一時155円台へ急落した。しかし翌5月1日の取引では157円台へ反発した。対G10通貨でも総じて円安へ振れた。
2024年にも政府・日銀は大型連休の狭間に為替介入に踏み切った経緯がある。片山さつき財務相が介入直前、「外出の時もお休みの時もスマホを離さずに、ということだけ申し上げておきます」と語り市場をけん制したことも踏まえれば、今週(4〜8日週)の外為市場で円安が再燃すれば、政府・日銀はためらうことなく再び介入に踏み切ることが予想される。円相場は急変動を警戒する局面にある。
円相場の動向:5月1日
注目の米雇用統計、ドル円は変動拡大も
今週のドル円(USD/JPY)は変動拡大を警戒したい。通貨オプション市場では、1週間のリスクリバーサルが、今年1月の米ドル安・円高局面以来となるドルプット(円コール)の水準にある。一方、1週間の予想変動率は10%へ急上昇している。これらは、円安再燃の局面で政府・日銀がためらうことなく為替介入を実施する可能性を市場が警戒していることを示す動きと言える。
ドル円 リスクリバーサルと予想変動率:2025年12月以降
今週、為替介入以外でドル円(USD/JPY)の変動要因となり得るのが、米経済指標だ。注目は米金融政策の方向性に影響を与える雇用関連の指標となろう。
最も注目されるのが8日の4月雇用統計だ。4月の米連邦公開市場委員会(FOMC)の声明では、中東情勢の緊迫化を受けて「経済見通しに関する不確実性が高まっている」と指摘した。
また、ハマック・クリーブランド連銀総裁、カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁、ローガン・ダラス連銀総裁の3人は、金利据え置き自体には賛成した一方、声明に「緩和バイアス」を盛り込むことは支持できないとして反対票を投じた。声明がタカ派寄りの内容となり、翌日物金利スワップ(OIS)市場では年内の利下げ観測が急速に後退している。
この状況で米雇用統計が予想外に強い内容となれば、米ドル高の要因となろう。円安も重なり158円台の攻防を制して上昇が拡大すれば、外為市場では政府・日銀による為替介入の警戒感が再び高まろう。また、再度の介入もあり得る。どちらにせよ、ドル円の上昇局面では突発的な急落(円高)リスクを想定しておきたい。
米雇用統計 各項目の動向:直近1年間
ドル円のテクニカル分析、週間想定レンジ155.50-159.00円
上限予想:159.00円
円安の再燃や米経済指標でドル円(USD/JPY)が上値を目指す局面では、158円台のトライが焦点となろう。158.00円レベルは半値戻しの水準にあたる(1時間足チャート)。1日に相場の反発を止めた89日線の上方ブレイクは158.00円をトライするサインと捉えたい。
ドル円が158円台の攻防となれば、次の焦点はレジスタンス転換か注目される158.50円レベルの攻防だ。上の水準には50日線が推移している。テクニカル面でも158.50円レベルはレジスタンスとして意識されやすい状況にある。
ドル円が158.50円をも完全に突破すれば、159.00円が視野に入る。1時間足チャートのフィボナッチ・リトレースメント61.8%水準158.70円の突破は159.00円をトライするサインとなろう。しかし、前述の2024年の動向を考えるならば、円安再燃での上昇拡大は為替介入の可能性を高める。ドル円の上昇局面では常に為替介入に絡んだ突発的な急反落(米ドル安・円高)を警戒したい。
注目のチャート水準:レジスタンス
・159.00:上限予想
・158.70:61.8%戻し(158.71)
・158.50:レジスタンス転換の可能性あり、50日線(158.54)
・158.00:レジスタンス転換の可能性あり、半値戻し
・157.40:89日線
※移動平均線の水準:5月1日時点
下限予想:155.50円
為替介入への警戒心や米経済指標がドル安の要因となれば、ドル円(USD/JPY)は下値を目指すだろう。このケースでは、155円台の維持が焦点となろう。
注目すべきは、4月30日から5月1日に連日ドル円をサポートした155.50円レベルの攻防だ。日足ローソク足の長い下ヒゲは、このレベルが強固なサポートラインとして機能していることを示唆している。155.50円を今週の下限と想定し、まずは日足ローソク足の実体ベースでドル円をサポートし、半値戻しでもある156.50円レベルの攻防に注目したい(日足チャート)。この水準の下方ブレイクは156.00円をトライするサインとなろう。156.00円を下方ブレイクする場合は、155.50円の攻防を意識したい。
なお、大型連休中に政府・日銀が再び為替介入に踏み切る場合、その水準と額によっては155.50円を下方ブレイクすることが予想される。仮に今週の上限予想159.00円付近で4月30日と同じ規模の円買い介入に踏み切る場合は、少なくとも5円前後の米ドル安・円高を想定したい。このケースでは、154.00円の維持が焦点となろう。テクニカル面では、フィボナッチ・リトレースメント76.4%水準154.26レベルの攻防に注目したい(日足チャート)。
注目のチャート水準:サポート
・156.50:半値戻し
・156.00:サポートライン
・155.50:下限予想、61.8%戻し、5/1安値水準
・154.26:76.4%戻し
・154.00:サポートライン
ドル円 日足チャート:2026年1月以降
ドル円 1時間足チャート:4月30日~5月1日
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