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ドル円 週間見通し(11/17週):高まる日米政策見通しの不透明感、予想レンジ153.00~156.67

ドル円の週間見通し。日米金融政策の不透明感はドル円の下支え要因に。過度な円安局面では突発的な円高を警戒。注目のチャート水準をIG証券のアナリストが解説。

Source:Bloomberg Source:Bloomberg

要点

  • 米連銀トップの相次ぐ慎重発言で12月の利下げ確率が40%台へ低下。日銀の年内利上げ観測も後退している。日米金融政策の不透明感はドル円を下支えしよう
  • 週足チャートのテクニカルの攻防はドル円の地合いの強さを示唆。米ドル高と円安が同時に進行すれば155円台乗せとさらなる上値トライを想定したい。反落の局面では153円のサポート転換が焦点となろう
  • 今週の予想レンジは153.00-156.67


米利下げ見通しの不透明感

先週は各米連銀の総裁から利下げについて慎重な意見が相次いだ。13日には今年の投票権を持つセントルイス連銀のムサレム総裁が、追加利下げを実施する余地は限られているとの見方を示した。

サンフランシスコ連銀のデーリー総裁やクリーブランド連銀のハマック総裁からも早期利下げに対して慎重な意見が聞かれた。

また、カンザスシティー連銀のシュミッド総裁は14日、追加利下げが労働市場を支える効果の乏しさと、インフレに長期的な影響を及ぼす可能性に言及した。

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相次ぐ慎重発言を受け、米利下げ見通しの不透明感が強まっている。OIS(オーバーナイト・インデックス・スワップ)市場では、12月の利下げ確率が40%台へ低下。次回の利下げは、年明け以降となる可能性を市場は織り込み始めている。

米政策金利の予想推移

米政策金利の予想推移

ブルームバーグのデータで作成 / OIS市場に基づく確率と利下げ数 / 11月14日時点

米利下げ見通しの不透明感が強まりだしたのが、10月の米連邦公開市場委員会(FOMC)後だった。会合後の会見で米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は、12月会合での(政策の)進め方についてメンバーの間で異なる見解があったと述べた。また、12月の利下げは既定路線ではないとし、追加の利下げを意識する市場をけん制した。

FOMC以降、米債市場では金融政策の方向性を織り込んで動く2年債利回りが3.5%台で下げ止まり、反発ムードにある。利下げ見通しの不透明感を意識する動きである。4.0%割れの局面が見られた10年債利回りも、現在は4.1%台へ反発している。米金利の反発は、米ドルの下支え要因となろう。

米金利の日足チャート:2025年4月以降

米金利の日足チャート:2025年4月以降

ブルームバーグのデータで作成


米ドル高へ転じるか

今週、外為市場の焦点の一つが米ドルの動きである。21日線と右肩上がり(米ドル高局面)のトレンドチャネル下限を下方ブレイクし反落ムードにあるドル指数(DXY
だが、直近は99ポイントで下げ止まりの感が出ている(下のチャート、黒矢印を参照)。

利下げ見通しの不透明感は米株安の要因でもある。金利上昇と株安(リスク回避)で米ドル高が再燃すれば、レジスタンスラインとして意識されつつある200日線を再びトライする展開が予想される。この移動平均線の突破は、さらなる米ドル高のシグナルとなろう。米ドル高再燃となれば、ドル円(USD/JPY)は後述する上値水準の攻防を意識したい。

なお、米労働統計局(BLS)は、政府機関閉鎖の影響で延期されていた9月雇用統計について、11月20日に公表すると明らかにした。失業率を除いての不完全なデータではあるが、民間調査とは対照的に強い内容となれば、米ドル高の要因になり得る。

ドル指数の日足チャート:2025年3月以降

ドル指数の日足チャート:2025年3月以降

TradingView提供のチャート


日銀の利上げ見通しにも不透明感

日銀の年内利上げ見通しにも不透明感が強まっている。9月末時点でOIS市場では12月の利上げ確率が60%台にあった。しかし、今の利上げ確率は30%台へ急速に低下。対照的に来年1月の利上げ確率は40%台へ上昇している。市場は、次回利上げが年明けにずれ込むことを織り込み始めている。日銀の利上げ見通しに不透明感が強まる状況は、円安の一因となろう。

日銀 12月と来年1月の利上げ確率推移:今年8月以降

日銀 12月と来年1月の利上げ確率推移:今年8月以降

ブルームバーグのデータで作成 / OIS市場に基づく確率の推移 / 11月14日時点


ドル円の週間展望とチャート分析

今週の展望
円高の要因として注視すべきが、株安と日米両政府の円安けん制である。しかし、日米金融政策の不透明感が強まる状況下でドル円(USD/JPY)が反落する(円高へ振れる)場合は、押し目買いの機会と捉えたい。

今週の下値の焦点は、153円のサポート転換にある。一方、米ドル高と円安が同時に発生する局面が多く見られる場合は、155円の突破とさらなる上値のトライを意識したい。

今週の上限:156.67
週足チャートでドル円(USD/JPY))のトレンドを確認すると、13週線が52週線を上抜けゴールデンクロスが確認された。一目の雲だけでなく、昨年7月高値161.95レベルを基点としたレジスタンスラインも上方ブレイクした。これらテクニカルラインの突破は、ドル円の強気地合いを示唆している。

今週、米ドル高と円安が同時に発生する場面が多く見られる場合は、155.00の再トライと上方ブレイクを想定したい。突破した後、このラインがサポート転換となれば、さらなる上値トライのサインと考えたい。
ドル円が155円台の攻防へシフトすれば、次は156.00のトライが視野に入る。156円台の攻防となれば、フィボナッチ・リトレースメント76.4%の水準156.67レベルのトライを想定したい。この水準を今週の上限と予想する。

今週の上値水準
・156.67:今週の上限、76.4%戻し
・156.00:次の節目水準
・155.00:レジスタンスライン

今週の下限:153.00
日足のMACDはデッドクロスへ転じるムードにある。ストキャスティクスRSIは低下へ転じている。調整の反落局面では、以下にまとめた下値水準の攻防に注目したい。

今週の下値焦点は、153.00レベルのサポート転換にある。11月第1週の下落を止めたことで、すでにその兆候が見られる(日足チャート、黒矢印を参照)。153.30台へ上昇している21日線とサポートゾーンを形成する可能性も考え、153.00を今週の下限と想定したい。

154.00レベルに10日線が上昇している。直下の153.93レベルには日足の一目転換線が推移している。これらテクニカルラインが密集する154.00のラインを下方ブレイクする場合は、153.61レベルのトライを想定したい。この水準は先週14日の安値レベルである。この水準での買い戻しで長い下ヒゲが表れた状況は、今週もサポート水準として意識される可能性があることを示唆している。

ドル円(USD/JPY))が153.60台を完全に下方ブレイクする場合は、21日線と153.00のトライを想定したい。

想定以上の調整売りに直面し153.00を下方ブレイクする場合は、日足の一目基準線が推移している152.20台を視野に下落拡大を警戒したい。

今週の下値水準
・154.00:上に10日線、直下に一目転換線
・153.61:14日の安値水準
・153.32:21日線
・153.00:今週の下限
・152.20:一目基準線


ドル円の週足チャート:2024年5月以降

ドル円の週足チャート:2024年5月以降

TradingView提供のチャート

ドル円の日足チャート:2025年8月以降

ドル円の日足チャート:2025年8月以降

TradingView提供のチャート


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