30日の外為市場でドル円が39年半ぶりに162円台へ上昇し、NYクローズで162円台を維持。次の節目163円も通過点となる可能性あり。焦点は次の防衛ラインにシフト。2日の米雇用統計に注目。
6月30日の外為市場で、ドル円(USD/JPY)がついに162.00円を突破した。一時162.67円まで上値を伸ばし、1986年12月以来およそ39年半ぶりの高値を付ける場面が見られた。上昇の勢いは衰えず、NYクローズでは162.51円(IG取引プラットフォーム)と、162円台を維持した。
注目すべきは、162.00円突破後の調整が限定的だったことだ。15分足チャートを見ると、162.00円を上抜けた後もじりじりと水準が切り上がっている。この動きは、強気地合いがさらに加速する可能性を示唆している。
ドル円 15分足チャート:6月29日以降
テクニカル面も、ドル円(USD/JPY)の強気地合いを示している。
4時間足チャートでトレンドを確認すると、162.00円レベルがサポートラインに転換する兆しが見られる(黒矢印を参照)。
一度ドル円の上昇を止めたフィボナッチ・エクスパンション100%水準を突破後に上昇が加速し、7月1日の東京外為市場で30日高値162.67円を突破した。162円ブレイク後も強気地合いが続いている状況を考えるならば、次の節目水準でありフィボナッチ・エクスパンション161.8%にあたる163.00円のトライを意識したい。
4時間足と日足のRSIはいずれも買われ過ぎの水準にある。調整の反落を想定したい。しかし、162.00円のサポート転換の可能性を考えるならば上昇加速を想定。次の節目水準163.00円が通過点となる可能性があろう。
ドル円が163円台の攻防となれば、日足チャートのフィボナッチ・エクスパンション100%水準163.50円レベルのトライが焦点となろう。このテクニカルラインをも上方ブレイクすれば、さらに次の節目水準164.00円を視野に上昇拡大を想定したい。現在のドル円の焦点は「次の防衛ライン」にある。
注目水準:レジスタンス
・164.00円:節目水準
・163.50円:日足フィボナッチ・エクスパンション100%(163.48円)
・163.00円:節目水準、フィボナッチ・エクスパンション161.8%(162.97円)
調整の反落局面では、162.00円のサポート転換が最初の焦点となろう。これが確認される場合は、上述のレジスタンス水準の攻防を意識したい。
ドル円が162.00円を下方ブレイクする場合は、161.00円レベル(21日線)→160.70円レベル(4/30大陰線の高値レベル)→節目160.00円→159.50円(50日線)→159.00円の順で下値の攻防を見極めたい。
ドル円の上昇が拡大するほど、政府・日銀による為替介入のリスクは高まる。財務省は4月28日から5月27日にかけて過去最大規模となるおよそ11兆7300億円の為替介入を実施した。6月30日には木原稔官房長官と片山さつき財務相がそろって円安をけん制した。
実際の為替介入となれば、その規模によるが、4~5円程度の円高を想定したい。しかし、過去のトレンドを考えるならば、為替介入がドル円の強気地合いを転換させる可能性は限りなく低い。
28日のIG為替レポートで指摘した通り、現在のドル円の上昇は、利上げ観測を受けた米ドル高にある。よって、為替介入によるドル円の急落は、かえって米ドル買い・円売りを仕掛ける好機を市場に与えることになろう。ドル高トレンドが崩れない限り、ドル円は次の防衛ラインを探る展開が続くだろう。
注目水準:サポート
・162.00円:サポート転換が焦点に
・161.00円:21日線
・160.70円:4月30日高値水準(160.72円レベル)
・160.00円:心理的節目
・159.50円:50日線(159.54円)
・159.00円:節目水準
ドル円 4時間足チャート:6月上旬以降
ドル円 日足チャート:2026年1月以降
上述した通り、現在のドル円(USD/JPY)の強気地合いは、米ドル高がけん引している。したがって注視すべきは、米ドル高を加速させる要因だ。
目先最大の試金石は、7月2日発表の6月米雇用統計となろう。ブルームバーグがまとめた市場予想は、非農業部門雇用者数が前月比+11.5万人と5月の+17.2万人から減速する一方、失業率は4.3%で横ばいの見通しだ。
インフレ再燃がテーマに浮上していることから、平均時給にも注目したい。前年同月比+3.5%と5月の+3.4%から加速が見込まれる。
米雇用統計 各項目の動向:過去1年間
外為市場の焦点は、米利上げにシフトしている。”タカ派”の6月FOMCを受け翌日物金利スワップ(OIS)市場では、早ければ9月会合での利上げを意識する状況にある。レポート掲載時点では、8~9割方で利上げを織り込む動きが見られる。
この状況で6月雇用統計で予想以上の雇用増と賃金インフレが示される場合は早期の利上げ観測がさらに強まり、米ドル買い・円売りに拍車をかけよう。
米政策金利の予想推移
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