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米ドル相場を圧迫する実質金利 / ドル円のチャートポイント

サマリー:「米ドル相場はインフレ期待の上昇と実質金利のマイナス幅が拡大している影響を受け売り優勢の展開に。上値の重いドル円のチャートポイントは?」詳細はマーケットレポートをご覧ください。

米ドル相場を圧迫する実質金利

・上昇傾向の期待インフレ率 マイナス幅が拡大する実質金利

昨日の米債市場は、株高と原油高に連動し2年債、5年債そして10年債の各利回りが反発した。しかし外為市場では、主要通貨に対して米ドルが売られる展開となった。

米ドル安となった要因のひとつは、市場が抱くインフレ期待の動向にあると考えられる。

10月の下旬以降、低下基調にあった市場のインフレ期待(期待インフレ率)だが、11月に入ると再び上昇し始め5年のそれは3%台へと上昇している。10年のそれも2.6%のレベルまで上昇している。

期待インフレ率のチャート

期待インフレ率のチャート



10月の米雇用統計では、非農業部門雇用者数が前月の31.2万人(上方修正)から53.1万人に増加し、失業率も4.8%から4.6%へ低下するなど労働市場の改善が確認された。これは労働力の供給不足を解消する良いシグナルである。

しかし、インフレ期待が再び上昇している状況は、コロナパンデミックによる供給制約の問題が、短期間で終息しない可能性を市場が意識していることを示唆している。

インフレ期待の上昇と比べ、米債利回りの上昇幅が抑制されていることを受け、米国の実質金利は再びマイナス幅が拡大の傾向にある。5年のそれはマイナス1.83%台、10年のそれはマイナス1.13%前後と、それぞれマイナス幅が拡大している。

米実質金利のチャート

米実質金利のチャート

・米ドル相場への影響

実質金利の低下は、米ドル相場の上昇を抑制している。

10年の米実質金利とドルインデックス(DXY)の比較チャートを見ると、実質金利が低下し始めた9月の下旬以降、ドルインデックスは94ポイントを挟んでレンジ相場となっていることがわかる。この動きは、米債の利回りよりも実質金利の動向が米ドル相場に影響を与えていることを示している。

よって、米債市場の利回りが上昇しても、実質金利が現在の状況を維持する限り、米ドル相場はレンジ相場(米ドルの売り買いが交錯する状況)もしくは売り優勢の局面が散見されると予想する。

米実質金利とドルインデックスのチャート

米実質金利とドルインデックスのチャート


ドル円のチャートポイント

昨日のドル円(USDJPY)は、サポートポイントの113.20レベルを下方ブレイクする局面が見られた。

今のところ113円台の維持には成功しているが、10日EMA(今日現在113.58レベル)で戻りが止められたこと、そして上で述べた米実質金利のマイナス幅が拡大している状況も考えるならば、113.00トライおよびブレイクを警戒する局面にある。

112円台の攻防へシフトする場合は、昨日のレポートでも指摘したとおりフィボナッチ・リトレースメント38.2%の水準112.56もしくは50日EMA(今日現在112.36レベル)のトライが焦点として浮上しよう。

一方、ドル円が反発する場合は10日線の攻防に注目したい。10日線で連日相場の戻りが止められる場合は、113円割れの可能性が高まっているシグナルと捉えたい。

ドル円のチャート

ドル円のチャート

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