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【ユーロドル (EURUSD)】短期的な上昇相場を意識する局面に / 目先のチャートポイントについて

昨日の金融政策会合で英欧の中銀は、市場が抱く早期の利下げ観測をけん制し、今後の利下げ議論を示唆したFRBとの姿勢が分かれた。目先はこの状況が意識され、対欧州通貨で米ドル安が進行することが予想される。短期的なユーロドル(EURUSD)の展望は?注目しておきたいチャートポイントは?詳細はIG為替レポートをご覧ください。

出所:ブルームバーグ 出所:ブルームバーグ

サマリー

・ラガルドECB総裁は、市場が抱く早期の利下げ観測をけん制した
・来年の利下げについて、ひとまず米欧の姿勢が分かれる状況となった
・この状況は、短期的にユーロドルのサポート要因となろう
・ユーロドル、目先の焦点は1.10レベルの上方ブレイクと上値水準の見極めにある


上値のトライを意識する局面にある

ユーロドル(EUR/USD)は現在、相場の反発を止めた200日線を完全に上方ブレイクし上値トライのムードが高まっている。

日足のMACDでゴールデンクロスの状況へ転じつつあることも考えるならば、目先の焦点はポンドドル(GBP/USD)と同じく、新たな上値水準の見極めにある(2つめの日足ローソク足チャートを参照)。

また、通貨オプション市場でもユーロドルの上値トライを意識する状況にある。

1ヶ月のリスクリバーサルは、急速にユーロ・コールへ傾く状況にある。3ヶ月のそれはユーロ・プットの傾きが後退している。

ユーロドルとリスクリバーサルのチャート:日足 23年5月以降

ユーロドルとリスクリバーサルのチャート:日足 23年5月以降 TradingViewが提供するチャートで作成

目先の焦点は1.10の上方ブレイク

本日もユーロドルが上値をトライする場合、目先の焦点は新たなレジスタンスの水準として意識されている1.10レベルの突破となろう。昨日の上昇はこの水準で止められた(下のチャート、黒矢印を参照)。ゆえに、日足ローソク足の実体ベースで1.10レベルを完全に突破する場合は、さらなる上値トライのシグナルとなろう。

そして次の上値ターゲットは、今年の7月下旬から8月上旬にかけて相場の反発を止めた1.1050レベルとなろう。

ユーロドルが1.1050レベルをも上方ブレイクする場合は、フィボナッチ・リトレースメント76.4%の水準1.10805レベルを視野に上昇幅の拡大が予想される。

なお、この水準(フィボナッチ・リトレースメント76.4%)の攻防は、ユーロドルが1.11レベルをトライするかどうか?この点を見極めるための攻防となろう。

ユーロドルのチャート:日足 23年7月以降

ユーロドルのチャート:日足 23年7月以降 TradingViewが提供するチャートで作成

反落の要因は経済指標

本日、ユーロドル(EUR/USD)が反落する場合、その要因はこちらのIG為替レポートで述べたポンドドル(GBP/USD)と同じく、12月の購買担当者景気指数(PMI)速報値となることが予想される。

ユーロ圏と米国の動向を比較すると、ユーロ圏のPMIはいずれの項目でも景気判断の分かれ目である「50」を下回る状況にある。

一方、米国の方は堅調なサービス業に支えられ、総合指数は「50」を上回る状況にある(11月50.7)。

11月の小売売上高で米国の個人消費の底堅さが示されことも考えるならば、現在のところ景況感の勝負では、米国に分がある。

PMI速報値でこの点があらためてこの点(米欧の景況感の差)が意識される場合、ユーロドルは調整の反落相場が予想される。

欧米 購買担当者景気指数(PMI)の動向:月次 2022年以降

欧米 購買担当者景気指数(PMI)の動向:月次 2022年以降 ブルームバーグのデータで作成

反落の局面では1.09台の維持が焦点に

本日、ユーロドル(EUR/USD)が下値をトライする場合は、1.09台の維持が焦点となろう。テクニカルの面では、昨日高安のフィボナッチ・リトレースメントの各水準での攻防に注目したい(下のチャートを参照)。

昨日の動向を確認すると、1.0900-1.0910レベルがサポートゾーンとして意識される可能性がある(下のチャート、赤ゾーンを参照)。なお、1.09のすぐ下1.0894レベルは半値戻しの水準にあたる。テクニカルの面でも、1.09の維持が焦点となろう。

12月の米欧中銀イベントでは、来年の利下げについて姿勢が分かれた。短期的にこの点が意識される状況が続くことが予想されるため、ユーロドルが反落してもその幅は限定的-例えば200日線(今日現在1.0829レベル)が目先の下限となる可能性がある(上の日足チャート、赤ラインを参照)。

ユーロドルのチャート:1時間足 今月7日以降

ユーロドルのチャート:1時間足 今月7日以降 TradingViewが提供するチャートで作成

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