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中国経済がデフレの瀬戸際 6月CPI横ばい 豪ドルは対円で下落

中国の6月のCPIは前年同月比で横ばいだった。経済の勢い不足を感じさせ、10日は豪ドルが売られる局面も出た。

出所:ブルームバーグ

中国経済がデフレ状態に近づいている。中国国家統計局が10日に発表した6月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比で横ばい。同時に発表された卸売物価指数はマイナス5.4%で、中国国内外の需要の低下の影響を受けているようだ。中国は2022年の終わりから新型コロナウイルス感染拡大抑制策を大幅に緩和したが、世界経済を下支えする力は発揮できていないもよう。外国為替市場では中国経済と関わりが深いオーストラリアの豪ドルが円に対して売られるといった動きも出ている。

中国の物価上昇率は低空飛行が続く

中国の消費者物価指数の変動率は2022年9月の2.8%上昇を直近のピークとして、低下傾向が続いてきた。4月は0.1%、5月は0.2%と低空飛行が続き、6月でついに0%となった形だ。中国のCPI変動率が0%以下となるのは、2021年2月(マイナス0.2%)以来だ。項目別では交通燃料が17.6%下落、豚肉が7.2%下落している。また卸売物価指数の変動率は2022年10月からマイナスが続く。原油や石炭などの価格下落が影響しているとみられている。

中国の物価指数(消費者物価指数、卸売物価指数)の上昇率の推移

中国経済は2023年1-3月期の実質成長率が前年同期比4.5%となり、2022年10-12月期期の2.9%から加速。ゼロコロナ政策を解除したことで、中国国内の消費が復活するとの期待が高まった。しかし4月から6月にかけては、中国国家統計局が発表する製造業購買担当者景気指数(PMI)が3か月連続で、景気の拡大と悪化の節目となる50を割り込むなど、勢いが失われている。

勢いに欠く中国経済は世界経済や市況に影響

中国のCPIの変動率がデフレの瀬戸際に立っていることは、中国の国内需要の落ち込みを感じさせる。また、中国は輸出の減少にも直面しており、中国経済が世界経済の先行き不安の影響を受けている側面もありそうだ。国内外の需要低下にさらされている中国経済が復活から遠のけば、今度は中国に製品やサービスを輸出している日米欧の経済活動にとってのマイナス材料になる可能性もある。

こうした中、10日の外国為替市場では豪ドルが円に対して売られた。豪ドル円相場(AUD/JPY)は午後5時までに1豪ドル=94円台半ばまで下落し、中国の物価指数発表前の95円台半ばから1円程度の円高豪ドル安が進んだ。また10日は中国の需要に左右されやすい鉄鉱石の価格も値下がりしており、今後も中国経済の先行きに対する観測で相場が左右されそうだ。


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