日本のバリュー株(割安株)の注目銘柄5選【2023年】
世界的な金利上昇を受けて、バリュー株は好調に推移すると見込まれます。この記事では、10月に注目すべきバリュー株5銘柄をご紹介します。これらの銘柄は株価収益率(PER)に基づいて選出さていれます。
バリュー投資とは
バリュー投資とは、潜在的に割安な企業、いわゆる「バリュー株」を見極める投資戦略です。バリュー株に該当するかどうかを示す重要な指標が、株価収益率(PER)です。PERが低いということは、その企業が割安であること、あるいは過去の傾向と比較して非常に好調であることを示唆しています。
今日において最も有名なバリュー投資家は、ウォーレン・バフェット氏といえるでしょう。バリュー投資家は、市場が良い・悪いニュースに過剰に反応した結果、企業の長期的なファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)と一致しない株価の動きが生じると考えています。
企業の株価が割安になる理由はいくつかあります。例えば、市場全体の暴落や信用失墜によって投資家が株を売る場合が考えられます。また、各種ニュースが短期的に特定の企業の株価を左右することもあるでしょう。経済サイクルの自然な浮き沈みによる可能性もあります。
他にも、単に変化や魅力の少ない企業や株式とみなされている場合もあります。定期的にニュースで取り上げられるような企業でないからといって、投資すべき堅実なビジネスや取引に適した株式でないというわけではありません。
日本市場におけるバリュー株の動向
日本はバリュー株の天国と呼ばれています。2023年6月、バフェット氏は日本の商社上位5社への出資額を増やしました。
過去のデータを見ると、現在のようなインフレ期には、バリュー株がグロース株より好調に推移する傾向があります。金利は世界中で上昇しており、長年金融緩和政策をとってきた日本銀行でさえ、2022年12月に長期金利の引き上げを事実上容認するような政策の修正を加えました。
ブルームバーグは2月22日、東京証券取引所が割安な水準で取引されている企業に対し、今春から資本増強計画の提示を要請すると報じました。これを受け、シチズン時計や本田技研工業(ホンダ)など多くの企業が、多額の自社株取得計画を発表し、株価を押し上げました。つまり、現在は日本のバリュー株取引が、非常に注目されている時期だといえます。
注目すべきバリュー株5選
ここでは、注目すべきバリュー株5銘柄をご紹介します。(株価やその他の数値は、2023年9月25日時点のものです。過去の値動きは、将来の株価動向を示すものではありません)
1. 三菱自動車工業(7211)
三菱自動車工業は世界的な自動車メーカーです。13の国と地域に生産・開発拠点を有し、EV・PHEV、SUV、ピックアップトラック、ミニバン、コンパクト・セダン、軽自動車などの製品を展開しています。2022会計年度の販売台数は全世界で834,000台に達し、2023会計年度の予想売上高は2兆7800億円と見込まれてます。
株価はここ3ヶ月で好調に推移しており、年初来で29.7%上昇しています。2023年3月期のPERは4.42倍でした。
2. 東京ガス(9531)
1885年設立の東京ガスは、都市ガスとLNGの大手供給会社です。顧客アカウント数は約1248万件、2023年3月末の連結売上高は3兆2896億円を誇ります。同社が管理するガス導管総延長は63,189kmで、地球の円周で1.5周分に相当します。
2030年までの目標として、顧客アカウント数を2000万件に増やすこと、1700万トンのCO2削減に貢献すること、再生エネルギー電源取扱量を国内外で600万kWに拡大することを掲げています。
株価は年初来で33.7%上昇しており、2023年3月期のPERは4.85倍でした。
3. 神戸製鋼所(5406)
神戸製鋼所は、素材系事業、機械系事業、電力事業を展開しています。素材系の鉄鋼アルミ事業では主に、板薄板製品、アルミ板、線材・条鋼製品、厚板製品を製造するほか、溶接用のロボットや電源も提供しています。電力事業では、兵庫県と栃木県に電力を供給する3つの発電所を運営しています。
8月8日に業績予想と配当性向の上方修正を発表して以来、株価は非常に好調に推移しており、年初来で228.4%上昇しています。2023年3月期のPERは7.18倍でした。
4. 山梨中央銀行(8360)
山梨中央銀行は、個人および法人顧客に預貯金をはじめとするさまざまな銀行サービスを提供しています。同行は住宅ローン、マイカーローン、教育ローン、カードローンを取り扱っているほか、保険商品、投資信託、クレジットカード、証券投資サービスなども提供しています。
日本銀行がマイナス金利政策を解除するとの見方が投資家の間で広がり、地方銀行を含む銀行株は2023年に入って以降、好調に推移しています。
同行の株価は年初来で55.5%上昇しており、PERは10.07倍でした。
5. ブリヂストン(5108)
国際的なタイヤ・ゴム製品メーカーとして知られるブリヂストンは、二輪車、乗用車、トラック・バス、航空機、オフロード車用のタイヤなどのほか、ゴルフ用品や自転車も製造しています。2023年度の業績予想では、売上収益4兆1500億円、利益3350億円を見込んでいます。
6月29日の配当落ち後、株価はやや低迷したものの、9月20日には再び上昇し、52週間ぶりの高値をつけました。年初来では28.4%上昇しています。2023年3月期のPERは12.3倍でした。
本レポートはお客様への情報提供を目的としてのみ作成されたもので、当社の提供する金融商品・サービスその他の取引の勧誘を目的とした ものではありません。本レポートに掲載された内容は当社の見解や予測を示すものでは無く、当社はその正確性、安全性を保証するものではありません。また、掲載された価格、 数値、予測等の内容は予告なしに変更されることがあります。投資商品の選択、その他投資判断の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたしま す。本レポートの記載内容を原因とするお客様の直接あるいは間接的損失および損害については、当社は一切の責任を負うものではありません。 無断で複製、配布等の著作権法上の禁止行為に当たるご使用はご遠慮ください。