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フィボナッチと取引戦略

この記事では、主要なテクニカル指標のひとつであるフィボナッチ・リトレースメントついて説明します。また、フィボナッチを用いた取引戦略もご紹介します。

Source: Bloomberg

フィボナッチの水準

フィボナッチのラインを描画する際、まずは、ある一定の期間に示現した高安のポイントを探します。これらのポイントに従ってラインを結びます。そうすると、23.60%、38.20%、50.00%、61.80%および76.40%の水準にあたる反転ポインドが自動的に描画されます。

描画された各ポイントのうち、実際にどの水準を反転ポイントと定めるかは投資家個々人の判断に委ねられますが、半値戻しの水準である50.00%および61.80%が反転ポイントとして意識される傾向にあります。

フィボナッチと取引戦略

フィボナッチで反転ポイントを定めた後は、過去にそのポイントで反転した経緯があるかどうかを確認することが重要です。もし過去に同じポイントで反転した経緯がある場合、今回も同じように反転する可能性が高いと判断できます。また、他のテクニカル指標を併用し、そのポイントでの反転の可能性をより正確に把握することをおすすめします。

リトレースメントの水準

相場が反転しても勢いがなければ、通常は23.6%もしくは38.2%の水準でトレンドの転換が見られます。一方、相場に勢いがある場合は50.0%もしくは61.80%の水準を一気に目指すパターンが見られます。重要なのは、相場の強さを把握することです。

一例として、ビッドコインで考えてみましょう。以下のチャートは急激な下落とその後の反転に勢いが見られない状況を示しています。38.2%未満のリトレースメントでは、新たな安値に達した場合に売買シグナルとなります。このケースでは、5202ドルで空売りし、5700ドル(以前のスイングLより上)にストップロスを設定します。500ポイントのストップロスとは、2/1のリスク対報酬(R/R)取引に対して1000ポイントのマイナスを必要とすることを意味しています。一方、下振れ幅が大きくなる可能性があることを考慮し、2/1目標(4200ドル)で一部を利確し、残りのポジションをより収益性の高い目標まで保有することになります。後者のケースでは、残りのポジションに対するストップロスを損益分岐点(5200ドル)または1/1の利益目標(4700ドル)にシフトできます。

浅いリトレースメント


一方、相場に勢いがある場合は、50.0%もしくは61.80%の水準まで上昇/下落することを想定します。このケースでは、上記2つの水準に到達するまでトレンドフォローの戦略を取り、反転ポイント付近で一度ポジションを清算します。その後、反転するムードが出ている場合は、これまでのトレンドとは逆のポジションを新たに建てます。一方、50.0%や61.80%のブレイクは、さらに上昇/下落するシグナルと捉えることもできます。よって、これらの水準付近で新規/損切りのストップ注文をエントリーしておく手法もあります。

相場の勢いが増し、その後上記のフィボナッチ水準でその勢いが後退する場合、持ち合い相場へシフトするパターンが見られます。以下はAUD/NZDチャートですが、長期にわたる保ち合い期間中に61.8%と76.4%の水準での売買シグナルが見て取れます。興味深いことに、チャートの中央に表示されている保ち合い相場が終了しブレイクダウンが発生すると、50%未満のリトレースメントが見られます。このことは、相場の急変動後に浅い反転が発生するという相場のパターンがあることを示しています。

ストップロスを前のスイングHより高い位置に設定することで、有利なR/Rプロファイルを得ることができます。たとえば、76.4%フィボナッチ水準で、前のスイングH(100%)より上にストップロスを設定した空売りの場合は、前のスイングL(0%)に戻る3/1のR/R比となります。

深いリトレースメント


各リトレースメントの水準は、反転ポイント、そしてストップ注文の水準を探る際に重要なヒントを投資家に提供します。しかし、現在見ているチャートで明確なリトレースメントの水準が見つけられない場合、どうすべきでしょうか?この問題をクリアする最も有効な方法は時間軸を変更することです。例えば、チャートの時間軸を日足から時間足に短くすることで、日足では確認できなかったリトレースメントの水準を見出すことができる場合があります。上記のAUD/NZDの例をとると、1時間ごとのチャートでは、50%レベル(1.0771ドル)に向かって上昇基調にあります。一方、1.0728ドルの水準では、ブレイクダウンのシグナルが示されています。この水準を下回る価格で売却して50%の水準付近にストップロスを設定することにより、良好なR/Rプロファイルを維持することができます。

中間のリトレースメント


本レポートはお客様への情報提供を目的としてのみ作成されたもので、当社の提供する金融商品・サービスその他の取引の勧誘を目的とした ものではありません。本レポートに掲載された内容は当社の見解や予測を示すものでは無く、当社はその正確性、安全性を保証するものではありません。また、掲載された価格、 数値、予測等の内容は予告なしに変更されることがあります。投資商品の選択、その他投資判断の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたしま す。本レポートの記載内容を原因とするお客様の直接あるいは間接的損失および損害については、当社は一切の責任を負うものではありません。 無断で複製、配布等の著作権法上の禁止行為に当たるご使用はご遠慮ください。

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