サイバーセキュリティ がテーマの注目 銘柄 5選【2025年最新】
企業を攻撃から守るサイバーセキュリティ関連銘柄には、長期リターンが期待できます。この記事では、今期注目のサイバーセキュリティ株を紹介します。この記事で取り上げる銘柄は、時価総額に基づいて選ばれています。

サイバーセキュリティ関連銘柄の背景
リモートワークや地政学リスクにより、デジタル上でのセキュリティに対する重要が高まるにつれ、サイバーセキュリティ関連銘柄の人気が高まっています。
新型コロナウイルスの感染拡大の落ち着きとともに、サイバーセキュリティ関連銘柄の株価は横ばいとなり、2020年と2021年に膨れ上がった評価額を抑え込む形となりました。しかし、2023年に人工知能(AI)やクラウドへの移行が大きく進んだことを受け、人気を取り戻しつつあります。
サイバーセキュリティが今後も政府や企業にとって重要な課題であることは変わらず、関連サービスを提供する企業にとっては好材料となります。
サイバーセキュリティ関連銘柄の魅力
サイバーセキュリティ関連銘柄の魅力は近年高まっています。新型コロナウイルス感染拡大の影響で自宅勤務を命じる企業が増えると、それに伴ってサイバーセキュリティ関連の支出も増加しました。過去5年間には仮想通貨の需要も高まっており、デジタル資産を守る強固なセキュリティ技術が求められています。
また、国や個人によるサイバー攻撃が複雑化する中、将来に向けた安全保障の強化も必要となっています。米国のサイバーセキュリティ・社会基盤安全保障庁は、国家主導のサイバー攻撃を行なっている国の一つとして、北朝鮮を挙げています。
このような状況下でも、一般的に企業はサイバー攻撃への対策が不十分であると見られています。マッキンゼーが2022年10月にまとめたレポートによると、デジタル経済とともにサイバー犯罪が成長する中で、およそ2兆米ドルの市場機会があると試算されています。これは企業のサイバー攻撃に対する強い懸念を表しています。
ハイテク企業が提供する他のサービスに比べ、サイバーセキュリティ関連サービスは景気後退に強いとされていますが、テクノロジー業界全体が悪化した場合はその影響を受けることがあります。とはいえ、政府機関を顧客として持っている大手サイバーセキュリティ企業は、景気の浮き沈みの影響を受けにくい傾向にあります。
サイバーセキュリティ関連銘柄の取引方法
サイバーセキュリティ株は、投資家が世界各国の株の中から選んで取引をする、トレーディングプラットフォーム上で個別株として取引することができます。また、上場投資信託(ETF)の一部として取引することも可能です。
例えば、ブラックロックのiShares Cybersecurity and Tech ETFにはサイバーセキュリティ関連株が複数含まれており、その割合はそれぞれの企業の時価総額によって決められています。また、HACK ETFMG Cyber Security ETFの運用資産は1兆円を超えており、これも時価総額に注目しています。
サイバーセキュリティ株は、ハイテク関連株と同じように市場によって左右されます。決算シーズンには取引量の増加に伴ってボラティリティも高まるため、投資熱が高まる傾向にあります。
ハイテク株と同じように、サイバーセキュリティ株は比較的リスクの高い銘柄であると見なされています。マクロ経済的な変化、特に米連邦準備制度理事会(FRB)による金融政策の発表に反応します。
また、サイバーセキュリティ株は地政学リスクが高まると上昇することもあります。ロシアのウクライナ侵攻後、西側諸国を標的としたロシアのサイバー攻撃を念頭に、英国に拠点を置くダークトレース(DARK)の株価は高騰しました。
注目のサイバーセキュリティ株5選
ここでは、サイバーセキュリティ関連銘柄をご紹介します(株価とその推移は2025年1月22日時点の引用です。過去の値動きは、将来の株価動向を示すものではありません)。
ソリトンシステムズ(3040)
ソリトンシステムズは、老舗のITセキュリティ企業です。認証やIT資産管理など企業の基幹業務を支えるソリューションを手がけています。2024年12月期は売上高が1,860億円(前年比-2.4%)、純利益は17.2億円(同-10.9%)とやや減収減益となりましたが、これは一時的な要因によるもので、特に大型案件の反動減が影響しました。一方で、保守やクラウドサービスといった安定収益源は増収を確保しており、営業利益率も11.0%と依然として高水準を維持しています。また、自己資本比率は52.7%、PERは13倍と財務の健全性も高く、株価(1,220円)も割安感が出てきています。政府のISMAP認定を取得した多要素認証サービスや、サイバー演習サービスなど新たな需要を捉えており、中長期では官公庁や重要インフラ企業向けを中心に、着実な成長が期待されます。今後の受注動向やクラウド関連の伸びに注目が集まる銘柄です。
CrowdStrike(CRWD)
CrowdStrikeは、AIを活用した次世代サイバーセキュリティのリーダー企業です。エンドポイント、クラウド、ID保護などの分野をカバーする統合プラットフォーム「Falcon」で知られています。2025年1月期の売上高は約39.5億ドル(前年比+29%)、サブスクリプション収益は37.6億ドルと、安定した成長を続けています。年間経常収益(ARR)は42.4億ドルに達し、企業のモジュール導入率も着実に拡大しています。また、フリーキャッシュフローは過去最高の10.7億ドルを記録し、財務面でも非常に強固です。政府機関からの認証や大手クラウド事業者との連携も進み、ランサムウェアや内部不正といった脅威への対応力も高く評価されています。現在の株価は385ドルで、成長性を背景に中長期でも注目される存在です。特にAI・クラウドとの融合戦略が際立っており、テーマ性も抜群の銘柄です。
Zscaler(ZS)
Zscalerは、クラウド時代に最適化されたセキュリティを提供する「ゼロトラスト・セキュリティ」のリーダー企業です。従来のVPNやファイアウォールを置き換えるクラウドネイティブなサービスを展開し、多くのグローバル企業や政府機関で導入が進んでいます。2025年1月期第2四半期の売上は6.47億ドル(前年比+23%)、非GAAPベースの営業利益は1.40億ドル(売上の22%)と、収益性も成長性も両立しています。特に、AI活用のゼロトラストソリューションやSAPとの連携によるZTNA(ゼロトラスト・ネットワーク・アクセス)の提供が評価されており、Nokiaが既存のファイアウォールをZscalerに全面移行したことも話題になりました。株価は200ドルとやや高めですが、将来的な需要の拡大を見越して注目度は依然高いです。ゼロトラストとAIという二大テーマの中心に位置する、今後も目が離せない銘柄です。
Cloudflare(NET)
Cloudflareは、Webセキュリティやパフォーマンス最適化を提供する「コネクティビティ・クラウド」の先駆者的存在です。自社ネットワークを通じて、DDoS対策、WAF、CDN、ゼロトラストなどを一貫して提供しており、クラウドセキュリティの基盤企業として存在感を高めています。2024年の売上は約16.7億ドル(前年比+29%)と大きく伸長。特に、年間100万ドル以上を支出する大口顧客は前年比+47%と急増しており、企業のIT予算の重点化を示唆しています。AI活用の加速やゼロトラスト構想との連携など、新たな成長ドライバーも明確です。GAAPベースでは赤字ですが、非GAAPでは営業利益2.3億ドルを確保しており、収益構造も健全化が進行中。株価は112ドルで、テーマ性の高いクラウドセキュリティの中核銘柄として、今後の成長に期待が持てます。
Tenable(TENB)
Tenableは、脆弱性管理やクラウドリスク分析に強みを持つ「エクスポージャー・マネジメント」企業です。政府機関や大手企業向けに、クラウドやITインフラ全体のセキュリティ可視化とリスク対策を提供しています。2024年の売上は9億ドル(前年比+13%)で、非GAAPベースの営業利益は1.84億ドルと前年から大きく伸長。フリーキャッシュフローも2.37億ドルと堅調で、財務面の安定感も光ります。また、100万ドル超の大型契約の獲得が加速し、製品群「Tenable One」が好調。さらに、Vulcan Cyberの買収発表により、外部データ統合やリスク優先度の分析能力が強化される見通しです。AI活用やクラウド環境のセキュリティニーズ拡大という追い風のなか、成長余地はまだ大きいと見られます。株価は31ドルで、テーマ性と収益性の両立が魅力の一つです。
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