2025年注目の電気自動車( EV ) 関連銘柄 4選
自動車の完全電気化の道のりは厳しいものの、着実に進んでおり、大手自動車メーカーは続々と電気自動車(EV)の新モデルを発表しています。ここではEV関連銘柄を4選紹介します。取り上げる銘柄は、時価総額に基づいて選ばれています。

EV関連株: EV販売台数は険しくも着実に拡大
電気自動車(EV)は、脱炭素社会を目指す世界の動きに伴い、急成長を遂げています。日本では、2050年カーボンニュートラル達成を目指した政府支援の下、2033年まで年平均成長率(CAGR)17.2%で市場規模が1,794億米ドルに達すると予測されています。トヨタや日産など大手メーカーがEVモデルや充電インフラに注力し、政府の補助金や税制優遇が消費者の需要をさらに後押ししています。
一方、中国は世界最大のEV市場として圧倒的な存在感を示しています。2025年には新エネ乗用車の浸透率が57%に達し、販売台数は1,330万台に達する見通しです。BYDなどの国内メーカーが競争力のあるモデルを提供し、政府の継続的な補助金政策が市場の成長を支えています。
欧州でもCO2排出規制がEV市場をけん引しています。2035年までにゼロエミッション車への切り替えを目指す動きが進行する一方、2025年以降の厳しい排出基準に対しては一部メーカーが延期を求めるなど課題もあります。それでも充電インフラの拡充やバッテリー技術の進化が市場の成長を支えるでしょう。
政策支援と技術革新が進む中、EV関連株は長期的な投資テーマとして魅力的です。各地域の動向を見極めつつ、この成長分野への投資を検討する価値は十分にあります。
注目のEV関連株4選
ここでは、2025年に注目の電気自動車株4選を紹介します。取り上げる銘柄は、時価総額に基づいて選ばれています (2025年7月24日現在)。また、過去の値動きは将来の株価動向を示すものではありません。
Rivian(RIVN)
Rivianは、米国発の電気自動車(EV)メーカーです。主にSUVやピックアップトラックなどアウトドア用途に強いEVを開発しています。商用バンや先進的なソフトウェアも手がけ、消費者向け・法人向けの両市場で展開しています。2025年はフォルクスワーゲンとの合弁事業も発表され、注目が集まっています。
2025年1〜3月期(第1四半期)には、売上総利益が2億600万ドルと過去最高を記録。生産台数は14,611台、納車は8,640台とガイダンス通りの進捗でした。また、好業績によりフォルクスワーゲンからの10億ドル投資が確定した点も好材料です。新型車「R2」の生産も2026年前半に予定され、着実な準備が進んでいます。
株価は13ドル前後で推移しており、時価総額はEV新興勢の中でも比較的落ち着いた水準です。現在は赤字が続いていますが、売上総利益が黒字化したことで将来的な収益性への期待が高まっています。短期的なトレードだけでなく、長期的な成長ストーリーにも魅力がある銘柄といえそうです。
Blink Charging(BLNK)
Blink Chargingは、米国を拠点とするEV充電インフラ企業です。自社製の充電器やソフトウェア、運用サービスを提供しています。公共施設やマンション、ホテル、病院など幅広い場所への設置実績があり、世界各地で展開を拡大中です。エネルギー貯蔵との統合型ソリューション「NanoGrid™」も発表され、次世代の電力管理にも進出しています。
2025年1〜3月期の売上は2,075万ドルで、前年同期比44.8%減となりました。ただし、充電サービス収入は1,058万ドル(+29.2%)と堅調で、自社保有の充電器数も319台増加しました。粗利益率は35.5%と前年並みを維持しつつ、営業費用の削減努力も進んでいます。ネット損失は2,071万ドルでしたが、今後の黒字化に向けて、費用圧縮と高収益なサービス拡大を重視する姿勢が示されています。
現在の株価は1ドルと割安感がありますが、サービス収入の伸びや自治体との契約など、将来性のある材料はそろっています。EVインフラ分野の成長に乗る中長期テーマ株として注目されやすい存在です。
ルネサスエレクトロニクス(6723)
ルネサスエレクトロニクスは、自動車向け半導体で世界的なシェアを持つ日本企業です。EVの頭脳ともいえるマイコンや、モーター制御に不可欠なパワー半導体を手がけており、電気自動車の安全性やエネルギー効率に大きく貢献しています。テスラをはじめ、世界中の主要メーカーが同社の製品を採用していることからも、その信頼性の高さがうかがえます。
2025年1〜3月期の決算では、売上収益が3,914億円、営業利益は1,018億円となり、営業利益率は26.0%と高水準を維持しました。中でも自動車分野の売上は2,083億円にのぼり、全体の53%を占めています。EVの普及に伴って、この比率がさらに高まる可能性もありそうです 。
株価は1,917円で、PERは15倍前後です。利益成長と割安感のバランスが取れており、安定感のあるEV関連株として注目されます。車載半導体という明確な成長テーマを持ち、今後のEV市場拡大とともに、堅実な値動きが期待できる銘柄といえそうです。
村田製作所(6981)
村田製作所は、コンデンサやインダクタといった電子部品の世界的メーカーであり、EVの電装化に不可欠な「静かな主役」といえる存在です。EVにはガソリン車に比べて数倍の電子部品が搭載されるため、同社の高性能・高信頼な部品への需要は今後さらに高まると見込まれています。また、電動パワートレインやバッテリーマネジメント向けの製品開発も強化しており、EV分野への関与が着実に拡大しています。
2025年3月期第4四半期(2024年1〜3月期)の決算では、売上高が9,055億円、営業利益は1,061億円でした。自動車電装向け売上は前年同期比で12%増となっており、特に欧州・中国市場でのEV関連需要が貢献したと報告されています。原価改善や生産効率向上も進み、収益面でも安定感がうかがえます。
現在の株価は2,258円で、PERは18倍です。成長性と安定性を兼ね備えたEV関連株として、長期保有にも向く銘柄です。直接的なEVメーカーではありませんが、業界全体の成長を支える「土台」として、堅実な値動きを期待する投資家にとって注目の存在といえるでしょう。
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