米国株の注目銘柄5選【2024年最新】
世界最大の経済大国である米国には、株取引のチャンスが豊富にあります。2月に注目の米国株5銘柄をご紹介します。この記事で取り上げる銘柄は、時価総額に基づいて選ばれています。
米国経済の背景
加速するインフレや新型コロナウイルス感染症、世界経済危機や自然災害など、米国は過去数十年間で様々な課題に直面してきました。
特に、この2年間に同国の経済力は少し弱まったものの、世界最大の経済大国であることに変わりはなく、名目GDPは27兆9700億ドル、一人当たりのGDPは83,060ドルとなっています。米国は19世紀後半から世界最大の経済大国であり、第二次世界大戦後にさらに隆盛を見せました。
2023年第3四半期の成長は年率4.9%で、2021年第4四半期以来の伸び率となりました。国際通貨基金(IMF)は、2024年の実質GDP成長率を1.5%と見積もっています。2008年の金融危機以来、米国の債務残高の対GDP比は大幅に上昇しており、現在では123%となっています。
米国の経済を牽引しているのはサービス業で、これにはヘルスケア、テクノロジー、小売などが含まれます。サービス業はGDPのおよそ80%を占めており、残りは工業と農業となっています。
FRBの金利政策と米国株の今後の見通し
米連邦準備制度理事会(FRB)は2022年3月に長期金利の引き上げを開始し、2023年12月の会合では目標とするフェデラル・ファンド金利を、22年ぶりの高水準となる5.25~5.5%に維持することを決定しました。
長期金利の利上げはインフレ率上昇を大幅に減速させています。12月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比で3.4%上昇し、食品やエネルギーの価格など変動が激しい品目を除いたコアCPIは3.9%高となりました。
グロース企業、特にビックテックはFRBの長期金利政策や景気後退への懸念をよそに、年初来好調な業績を収めています。株価は9月と10月に多少後退した後高値で年を締めくくっており、トレーダーはFRBが2024年に長期金利を引き下げ始める可能性を探っています。
米国株の注目銘柄5選
ここでは、2月に注目の米国株を5つご紹介します。(価格と株価推移は2023年末時点の引用です。過去の値動きは、将来の株価動向を示すものではありません。)
メルカドリブレ(MELI)
メルカドリブレは、南米地域におけるEコマースと金融サービス大手です。同社は1999年にアルゼンチン、ブラジル、メキシコ、ウルグアイでサービスの提供を開始し、2007年にナスダックに上場しました。現在では、南米地域18ヵ国で事業を展開しています。
「メルカドリブレ」と呼ばれる同社のEコマース事業は、会社、卸、個人がオンライン上に商品を掲載し、売買することを可能にしています。また、フィンテック事業である「メルカドパゴ」は、オンラインマーケットプレイスの決済代行サービスで、代金の受け渡しを仲介しています。
第3四半期の決算では、営業利益6.85億ドル、利益率18.2%を発表しました。純利益は前年比69%増となる38億ドルでした。Eコマース事業で重要な指標とされる純商品取引高は110億ドルを超え、前年比で59.3%増となりした。
同社の株価は2023年に85.7%上昇しており、現時点で南米のEコマース市場をリードしているものの、アマゾン(AMZN)と激しく競合しています。
オクシデンタル・ペトロリアム(OXY)
オクシデンタル・ペトロリアムは、石油とガスを探鉱・製造する米国最大規模の企業で、米国の陸上と海上、オマーン、アラブ首長国連邦、アルジェリアで事業を展開しています。同社はまた、塩素、苛性ソーダ、塩素化有機物、カリウム化学品などの基礎化学品を生産する化学品事業も行っています。
ウォーレン・バフェット氏が率いるバークシャー・ハサウェイ(BRKA)は同社に長年投資しており、12月には5,182,615株を追加に購入することで保有率を27.7%にまで高めました。バフェット氏は、同社の健全なキャッシュフローに魅力を感じていると見られています。
同社の第3四半期決算では、運転資金を差し引いた営業キャッシュフローが31億ドル、四半期の純現金収支(フリーキャッシュフロー)が17億ドルでした。健全なキャッシュフローを持つ会社は通常、債務の返済や貸借対照表(バランスシート)の強化に加え、自社株買いや安定した配当の可能性が高まります。
同社の株価は2023年を通じて横ばいで、年末には5.2%安で取引を終えました。1月16日時点でも、バフェット氏が購入した価格付近で推移しています。
ノボ・ノルディスク(NVO)
1923年に創業したノボ・ノルディスクは世界有数のグローバルヘルスケア会社で、デンマークに本社を置き、ニューヨーク証券取引所に上場しています。同社は糖尿病治療薬のパイオニアであり、100年ほど前にインスリンの製造を商業化しました。
同社は現在も糖尿病治療における主要企業であり、世界のインスリン供給量の約半分を製造しています。同社の糖尿病治療薬を利用している人の数は、3600万人以上にも上ります。
直近の株価は、肥満症治療剤である「サクセンダ」と「ウゴービ」によって後押しされています。同社の肥満症治療剤の売上高は、主に米国での需要が原動力となり、2023年1~9月で174%成長しました。株価は2023年に52.9%上昇しています。
コカ・コーラ(KO)
コカ・コーラは全世界で飲料のマーケティング、製造、販売しています。同社製品は200ヵ国以上で販売されており、コカ・コーラ、アクエリアス、コスタコーヒー、シュウェップスなどのブランドを展開しています。
同社はこれまで主にノンアルコール飲料を製造していましたが、近年では缶チューハイの「檸檬堂」や「ジャックダニエル&コカ・コーラ」などのアルコール飲料にも進出しています。
第3四半期の決算では、純利益が前年比8%増の120億ドルでした。好調な業績と運転資本への取り組みが好材料となり、2023年1~9月の営業キャッシュフローは前年同期比8.61億ドル増の89億ドルでした。
同社株は3%の配当金を支払ったものの、株価は2023年通年で7.4%安となりました。
ディスカバー・ファイナンシャル・サービシズ(DFS)
ディスカバー・ファイナンシャル・サービシズは、米国でオンライン銀行製品・サービスや決済サービスを展開しており、2007年にニューヨーク証券取引所に上場しました。オンライン銀行事業では、クレジットカード、オンラインバンキング、個人向けローン、学資ローン、住宅ローンを提供しています。決済サービス事業では、「PULSE」と呼ばれるATM、デビットカード、電子送金ネットワークを運営しています。
同社の「ディスカバー・カード」での融資額は970億ドル、学資ローンと個人向けローンはそれぞれ100億ドルで、消費者預金は810億ドルとなっています。運営する「ディスカバー・グローバル・ネットワーク」は、2022年に5500億ドルのネットワーク取扱高を達成しました。
株価は2023年に18.2%上昇しましたが、2024年の業績は米国経済が経済後退を回避する「軟着陸」ができるかにかかっています。
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