ドル円見通し 7/21:147.00~149.38予想、参院選で自公過半数割れ 石破首相の去就に注目
参院選で自公が過半数割れ。週明けの円相場は円高スタートも、ドル円はすぐに反発。次の焦点は石破首相の去就。午後の会見に注目。今日のドル円は147.00-149.38レンジを予想。注目のテクニカルラインについてIG証券のアナリストが分かりやすく解説。

要点
・参院選で自公大敗、衆参両院で過半数割れ、政局不安高まる
・週明け円相場は円高でスタート、ドル円は148円台で次の材料待ち
・ドル円 今日の予想レンジは147.00~149.38レベルを想定
参院選で自公大敗、衆参両院で過半数割れ
125の議席をめぐって争われた第27回参院選で、自民党は改選52議席から39議席に激減した。公明党も改選14議席から8議席となり、自公で合計47議席にとどまった。衆議院だけでなく参議院でも過半数を割り込む結果となった。自民党中心の政権が衆参両院で過半数を割り込むのは、1955年の結党以来で初めてのことである。
第27回参議院議員選挙の獲得議席数

各報道をもとに筆者が作成
週明けは円高スタートもドル円はすぐに反発、次の材料待ちムード
週明けの円相場は円高でスタートした。ドル円(USD/JPY)は先週18日の終値から1円の米ドル安・円高水準となる147.82~147.93でスタートした(IGレート)。しかし円高の動きはすぐに終わり、その後は148.60台まで反発し、レポート掲載時点では売り買いが交錯する状況にある。
続投を表明している石破首相が今日の午後、自民党の総裁として記者会見を行うとの報道がある。会見内容次第でドル円は上下に大きく振れる可能性がある。
ドル円のチャート:21日 午前5時~10時

出所:IGチャート
次の焦点は石破首相の去就、午後の会見に注目
各報道機関のインタビューで石破首相は参院選の厳しい結果に言及する一方、比較第1党としての責任は重いとし、総理大臣を続けることを表明した。本日、自民党の臨時役員会で続投の意向を表明し、公明党の斉藤代表との党首会談を経て、午後の記者会見で正式に続投を表明するとの報道がある。しかし、党内や地方からは石破首相(自民総裁)の責任を問う声が強まっている。
石破政権を支えている森山幹事長の去就にも注目したい。自公過半数割れのみならず、森山氏の地元の鹿児島選挙区でも無所属・新人の尾辻朋実氏が自民党の園田修光氏を破って当選した。幹事長として選挙大敗の責任論が強まることは必至である。森山氏が幹事長を辞任すれば、石破首相が続投を表明してもすぐに石破降ろしが始まるだろう。政局不安は円安要因として警戒したい。
ドル円 今日の見通しとテクニカル分析
予想レンジの下限:147.00レベル
20日のIG週間為替レポートでは、参院選後の3つのシナリオについて述べた。21日早朝は円高でスタートした。シナリオ③の展開となった。
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だが、上述したとおりその動きは一過性で終わった。目先は石破首相の去就となろう。午後の石破首相の会見で、ドル円(USD/JPY)は上下に振れる展開が予想される。続投表明で石破政権が続く可能性が意識される場合は、円高を警戒したい。このケースでは、以下にまとめたサポートラインの攻防に注目したい。
本日の予想レンジ下限は147.00レベル。この水準はフィボナッチ・リトレースメント61.8%戻しにあたる(1時間足を参照)。まずは、147.70レベルで推移している10日線、半値戻しの水準147.46レベルの攻防に注目したい。
円高と米ドル安が重なる場合は、瞬間的に146円台へ下落する可能性がある。このケースでは、フィボナッチ・リトレースメント76.4%戻し146.56レベル、21日線が推移している146.10レベルの攻防に注目したい。21日線のトライは、146.00のトライを意味する。
サポートライン
・147.70:10日線
・147.46:半値戻し
・147.00:予想レンジの下限、61.8%戻し
・146.56:76.4%戻し
・146.10:21日線
予想レンジの上限:149.38レベル
石破首相が会見で続投を表明しても昨年の衆院選、今年6月の東京都議選、そして今回の参院選でいずれも敗北したことで石破首相は窮地にある。党内や国民世論からの反発が強まることも必至である。石破政権が長くは持たないと市場参加者が感じ取れば、政局不安を意識した円安の進行を警戒したい。このケースでのドル円(USD/JPY)は、以下のレジスタンスラインの攻防に注目したい。
今日の予想レンジ上限は、レジスタンスラインとして意識されている149.38レベル。このラインは、18日時点での今年の高値・安値の半値戻しの水準にあたる。週明け早朝の反発時に148.66レベルで戻りが止められた(レポート掲載時点)。この水準のブレイクアウトは、149.00をトライするサインと捉えたい。ドル円がしっかり149円台へ上昇する場合は、149.38のトライを意識したい。
筆者の想定を超える円安で149.38を突破すれば、心理的節目の150.00を視野に上昇幅の拡大を想定したい。
レジスタンスライン
・150.00:心理的節目のライン
・149.38:予想レンジの上限、半値戻し
・148.66:本日早朝の戻り高値
ドル円の日足チャート:昨年12月以降

出所:TradingView
ドル円の1時間足チャート:7月9日以降

出所:TradingView
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