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ドル円 週間見通し(3/30週):有事のドル買いで160円突破も介入警戒局面に

IG証券のアナリストによるドル円の週間見通し。強気地合い継続を想定も、為替介入を警戒する局面に突入。突発的な急反落(円高)を警戒したい。

Source:Bloomberg Source:Bloomberg

要点

  • 有事のドル買いが進行。ドル円(USD/JPY)は27日の外為市場で160円を突破。NYクローズで160円台を維持した。対スイスフランでの米ドル高と金価格の下落を踏まえれば、米ドル買いの需要は相当強い
  • ドル円はイラン戦争を機に日米金利差との相関関係が復活。米国・イランの停戦協議に進展がない限り、金利差を意識した強気地合いが続く公算が大きい
  • 今週ドル円が161円台へ上昇すれば、2024年の最高値161.95を経て162円トライが視野に入る。一方、円安が軸の上昇拡大は為替介入のリスクを高めよう。政府・日銀が為替介入に踏み切れば4〜5円の急反落を警戒したい


混迷のイラン情勢、有事のドル買い進行

米国とイスラエルがイランへの軍事攻撃に踏み切って以降、外為市場では有事のドル買いが進行している。

注目は対スイスフランの動向だ。本来であれば戦争などのリスクイベントが発生する局面では、安全資産としてスイスフランが選好されやすい。しかし、3月の米ドルはそのスイスフランで約4%上昇している。この状況は、米ドル買い需要の強さを示唆している。

米ドルの動向:3月2日~27日

米ドルの動向:3月2日~27日

ブルームバーグの為替データを基に作成

米ドル買い需要の強さは、金価格とのパフォーマンス比較でも鮮明だ。

3月以降、金価格はリスク資産のような動きで、安全資産としての特性を失う状況にある。3月の下落率は、一時17%に達した。

対照的に米ドルのトレンドを示すドル指数(DXY)は2.6%高にある。前述のスイスフランでの米ドル高も踏まえれば、有事のドル買いは、「リスク回避のドル買い」とも言える。

ドル指数と金価格の動向:3月2日~27日

ドル指数と金価格の動向:3月2日~27日

ブルームバーグのデータを基に作成


ドル円160円を突破、日米金利差との連動再び

3月の米ドルは対円で2.7%高の状況にある。27日の外為市場でドル円(USD/JPY)は心理的節目の160円を突破。NYクローズで160円台を維持した(終値160.30 / IG取引プラットフォーム)。160円突破の主因は、前述した有事の米ドル買いだ。

イラン戦争以降、日本円は対G10通貨で強弱まちまちだが、「高市トレード」が始まった昨年10月からのトレンドを確認すると、円安が進行し続けていることが分かる。

円相場の動向:2025年10月6日~2026年3月27日

円相場の動向:2025年10月6日~2026年3月27日

ブルームバーグの為替データを基に作成

この状況で、ドル円(USD/JPY)と日米金利差には、従来の相関関係—金利差が拡大すればドル円が上昇、縮小すれば下落—という関係が再び戻っている。

この点について下のラインチャートで確認すると、2025年前半こそ金利差の縮小とドル円の下落が連動し、従来の相関関係は健在だった(下チャート、赤矢印を参照)。しかし、トランプ米大統領が相互関税を発表した昨年4月あたりからこの相関関係が崩れ、金利差だけではドル円の動きを説明できない局面が続いた(下チャート、黒矢印を参照)。

日米金利差の縮小局面でもドル円が上昇し続けた要因は、IG為替レポートで何度か指摘した日米の”実質”金利差と高市政権が掲げる「責任ある積極財政」にあると筆者は考えている。特に後者については、昨年10月以降のドル円の上昇拡大がその証左となっている。

日米金利差とドル円の動向:2025年以降

日米金利差とドル円の動向:2025年以降

ブルームバーグのデータを基に作成 / 3月27日時点

従来の相関復活のきっかけとなったのがイラン戦争だ。戦争の影響が周辺国に飛び火し原油高が加速。米債市場ではインフレ再燃の懸念から10年国債利回りが4.4%台へ上昇している。米金利の上昇拡大で、日米の2年債利回りの差は3月に入り一時2.6%台へ拡大する場面があった。10年国債利回りの差も2%台へ拡大している。金利差の拡大とドル円の160円突破が連動した(上チャート、緑矢印を参照)。

翌日物金利スワップ(OIS)市場では、米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ期待が急速に後退している。この動きもまた米ドル高・円安の要因となろう。

米政策金利の予想推移

日米金利差とドル円の動向:2025年以降

ブルームバーグのデータを基に作成 / 3月27日時点

今週、円安が軸でドル円が以下で述べるレジスタンスラインを視野に上昇拡大となれば、為替介入を意識した突発的な円高(急反落)への警戒が必要だ。しかし、金利差との相関関係が復活し、高市政権発足以降の円安トレンドも崩れていない。目先の急変動リスクを想定しながらも、ドル円は上昇トレンドを維持する公算が大きい。


ドル円のチャート分析、強気予想も介入絡みの急反落警戒

161円突破なら162円が視野に
ドル円(USD/JPY)のトレンドを日足チャートで確認すると、21日線がサポートラインとなり右肩上がりのトレンドチャネルを形成。MACDは強気地合いを示唆し、RSIは買われ過ぎの水準までまだ余裕がある。27日のNY外為市場で160円を維持した状況も考えるならば、今週の焦点は新たな高値水準の見極めにある。

目先の焦点は、次の節目水準161.00のトライだ。テクニカル面ではフィボナッチ・エクステンション161.8%水準161.37レベルの攻防に注目したい。ロング勢はこれら2つのラインを目先の上値目途と想定したい。27日の高値160.40レベルの上方ブレイクは、161円台を目指すサインと捉えたい。

ドル円が161円台へ上昇した後、この水準を維持する状況が続けば、2024年の最高値161.95レベルが視野に入る。この水準の攻防は、162.00トライの意味を持つ。冒頭で述べた有事のドル買いが進行している状況を踏まえれば、今週は162.00の攻防も想定しておきたい。
注目のチャート水準:レジスタンス
・162.00:上限予想
・161.95:2024年の最高値
・161.37:フィボナッチ・エクステンション161.8%
・161.00:節目水準
・160.40:3月27日高値

為替介入絡みの急反落を警戒
一方、調整の米ドル安や円の買い戻しでドル円(USD/JPY)が下値を目指す場合は、160円の維持に注目したい。これに失敗すれば、10日線と21日線が上下に展開している159円の維持が焦点に浮上しよう。

問題は、為替介入を意識した突発的な円高だ。けん制発言、レートチェック、実際の為替介入と色々なケースがあるが、円安が軸となり161円や162円を一気に目指す展開となれば、政府・日銀による為替介入のリスクを高めよう。このケースでは4~5円の急反落を警戒したい。テクニカル面では、155円台で推移している26週線をトライする可能性がある。

一方、1月23日のようなレートチェック(またはその観測)では、サポート転換の可能性がある158.00レベルのトライを想定しておきたい。この水準を下方ブレイクする場合は、13週線(157.00レベル)を視野に瞬間的な下落拡大を想定しておきたい。
注目のチャート水準:サポート
・160.00:心理的節目の水準
・159.00:上に10日線、下に21日線
・158.00:サポート転換の可能性あり
・157.00:13週線
・155.48:26週線
※移動平均線の水準:3/27時点


ドル円 日足チャート:2026年以降

TradingView提供のチャート

ドル円 週足チャート:2024年以降

TradingView提供のチャート


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