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米雇用統計後の展望 / ドル円とユーロドルの焦点

サマリー:「各市場は米雇用統計待ちのムード。雇用統計後の米ドル相場、米金利そして米株の展望は?ドル円とユーロドルのチャートポイントは?」詳細はマーケットレポートをご覧ください。

出所:ブルームバーグ 出所:ブルームバーグ

米雇用統計後の展望

各市場の関心は、今晩の米雇用統計(8月)にある。ADP雇用統計(8月)が市場予想を下回ったことで、雇用統計もさえない内容になるとの観測がある。筆者はADP雇用統計と雇用統計の相関は低いと考えている。

筆者が注目しているのは、各ISM指数の雇用の動向である。8月製造業のそれは、52.9から49へ低下した。肝心の8月非製造業指数は雇用統計の後に発表されるため、雇用統計前にサービス業の雇用指数を確認することができない。よって今回は、雇用統計が予想を上回る場合と下回る場合、両方のケースを意識する必要がある。

雇用統計が総じて市場の予想を上回る場合は、米金利の上昇と米ドル高を予想する。雇用市場の改善は株高要因だが、現在は米金融政策の転換が意識されている局面にある。最高値圏にある米国の株式市場では「良いニュースが悪いニュース」として受け止められる可能性がある。特に金利上昇の影響を受けるグロース株の下落を警戒しておきたい。
強い雇用統計で米株が下落する場合、米ドル買いと同時に、クロス円を中心とした円買い優勢の展開も想定しておきたい。

一方、米雇用統計が予想以下の場合は、米金利の低下と米ドル安を予想する。今月6日はレイバー・デーで米国市場が休みとなる。連休前にさえない米雇用統計を口実とした米株の調整売りを警戒したい。

米ISM雇用指数の動向

米ISM雇用指数の動向

ドル円の焦点

米雇用統計が総じて予想以上となれば、米金利は反発することが予想される。ドル円(USDJPY)のトレンドが米金利の動向に左右されている状況を考えるならば、強い雇用統計はドル円の上昇要因となり得る。

上値の焦点は、短期レジスタンスラインで変わらず。このラインは今日現在、110.27レベルで推移している。

このラインのブレイクに成功する場合は、110.40台を突破できるかどうか?この点に注目したい。今月1日は110.41で上昇が止められた。また、先月13日の大陰線の高値は110.45である。

110.40台をも完全にブレイクする展開となれば、先月11日の高値110.79レベルを視野に上昇幅の拡大を想定しておきたい。

一方、米雇用統計がさえない内容となれば、米金利は低下することが予想される。よって、さえない雇用統計はドル円の下落要因となり得る。

下値の焦点は、短期サポートラインの維持である。このラインは今日現在、109.70レベルで推移している。米株が大きく崩れる場合は、このラインのブレイクと89日EMA(今日現在109.59レベル)および100日EMA(今日現在109.47レベル)のトライを想定しておきたい。

市場参加者の短期的な予測を反映するリスクリバーサル(1ヶ月)は8月以降、緩やかな上昇トレンドにある。

ドル円のチャート

ドル円のチャート

ユーロドルの焦点

ユーロドル(EURUSD)は反発基調を維持している。トレンドを重視するならば、89日EMA(今日現在1.1878レベル)のブレイクと1.19台の到達を意識する局面にある。

ユーロドルが1.19台へ上昇するかどうかは、今晩の米雇用統計の内容次第である。これがさえない内容となれば、ユーロドルは反発基調を維持すると予想する。このケースでは、上で述べたとおり1.19台への上昇が焦点となろう。

1.1964レベルは、5月高値と8月安値の半値戻しの水準にあたる。6月下旬の反発局面では、このテクニカルポイントがレジスタンスとして意識された経緯がある。1.1964レベルは、1.19台のレジスタンスポイントとして意識しておきたい。

一方、強い雇用統計の場合は89日線で上値が抑制され、反落する展開を予想する。このケースでは、50日EMA(今日現在1.1829レベル)がレジスタンスラインからサポートラインへ転換するかどうか?この点を確かめたい。

50日線をブレイクする場合は、短期サポートラインの維持が焦点として浮上しよう。このラインは今日現在1.1805レベルで推移している。

ユーロドルのチャート

ユーロドルのチャート

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