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さえない経済指標は米ドル安の要因 / ドル円とユーロドルの短期的展望

外為市場の注目材料は経済指標。さえない経済指標は米ドル安要因に。ドル円は調整の反落を意識する局面にある。テクニカルの面では21日線の攻防に注目したい。ユーロドルも同じく21日線の攻防が焦点に。詳細はマーケットレポートをご覧ください。

さえない経済指標は米ドル安の要因


【サマリー】

・さえない経済指標は米ドル安の要因に
・反落相場のドル円 21日線と短期サポートラインの攻防が焦点に
・ユーロドルの焦点はレジスタンスゾーンと1.03レベルの突破


・米長期金利が急低下

21日の米債市場では利回りが低下した。特に将来の景気動向を予測して動く長期金利(10年債利回り)は、2.87%まで急低下する展開となった。

この日材料視されたのが、さえない経済指標とバイデン米大統領のコロナ陽性報道だった。しかし、7月に入り3.1%付近で米債買いが入る状況が続いていることを考えるならば、利回り低下の背景にあるのはグローバルリスクー特に連邦準備制度理事会(FRB)による金融引き締めとそれによる景気後退のリスクを米債市場の参加者が強く意識しているからだろう。それゆえ、金利の水準が少しでも高いうちに有利な価格で米債を購入しておきたいという投資家心理が3.1%超えを阻んでいる要因と考えられる。

米長期金利のチャート



・さえない経済指標と米株高の関係

一方、昨日の米国株はハイテク株買いにけん引され上昇トレンドを維持した。

さえない経済指標で株価(特にハイテク株)が上昇するということは、「景気の後退リスク→米利上げペースの緩和期待→米金利の上昇圧力の後退または低下の観測」を株式市場の参加者が意識していることを示唆している。

なお、米国株のトレンドを示すS&P500指数(SPX)は、連日の陽線示現により50日線(EMA)の突破に成功している。レジスタンスポイントとして意識された経緯のある4,170レベルのトライ&ブレイクが次の焦点として浮上してきた。

S&P500指数のチャート



・さえない経済指標は米ドル安の要因に

今の米国市場の動きー米金利の低下と米株高のトレンドは、外為市場で米ドル安の圧力を高めやすい。事実、昨日の米ドル相場のパフォーマンスを確認すると、米ドル安優勢となった。

目先の焦点は米経済指標の内容となろう。今日は7月の総合購買担当者景気指数(PMI)速報値が発表される。予想を下回る内容となれば、米国市場は昨日と同じ状況(米金利の低下/株高)となる可能性がある。このケースでは、主要通貨―特に上昇幅が急拡大しているドル円(USDJPY)の調整(反落)を促す可能性が高い。

また、リスク性の高い資源国通貨や新興国通貨に対しても米ドル安優勢となることが予想される(米ドル安は国際商品市場のサポート要因にもなり得るため)。

米ドル相場のパフォーマンス:7月21日


ドル円 21日線のトライ&ブレイクが焦点に

・調整の反落局面にあるドル円

日欧の中銀イベントを経てドル円(USDJPY)は137円台へ反落している。

昨日の相場の注目ポイントは、国内外の金融政策スタンスの差が意識される状況が続いているにもかかわらず、陰線引けとなったことだろう。この動きは、金融政策スタンスの差を主因とした円売りトレードが終焉に向かっているシグナルとなり得る。

また、上で述べた米長期金利の動き、そしてこのレポートで指摘してきた139円前半の “レジスタンス化” が現実味を帯びてきた可能性も考えるならば、今はドル円の反落を意識しておきたい。

・137円ブレイクなら21日線の攻防が焦点に

今日のドル円は、米経済指標後の動きに注目したい。

昨日と同じく「さえない経済指標→米金利の低下と米株高」の展開となれば、ドル円は137.00ブレイクを警戒したい。この場合、テクニカルの面で注目すべきは21日移動平均線(MA / 今日現在136.74レベル)のトライ&ブレイクである。7月に入りサポートラインとして意識されているこのMAを維持する場合は、139円トライの可能性が残るだろう。

一方、ドル円が21日線をもあっさりと下方ブレイクする場合は、今年のドル円の上昇を象徴している短期サポートライン(3/4安値114.64レベルが基点)を視野に調整の反落が加速する展開を想定しておきたい。

なお、このライン(短期サポートライン)をも下方ブレイクする場合は、調整の反落ではなく、ドル円のトレンド転換の可能性を意識することになろう。

ドル円のチャート


ユーロドル 焦点はレジスタンスゾーンと1.03の攻防

・レジスタンスゾーンの攻防

一方、ユーロドル(EURUSD)も21日移動平均線(MA / 今日現在1.0258レベル)の攻防が焦点となろう。

欧州中央銀行(ECB)の0.5ポイント利上げと米長期金利の低下にもかかわらず、昨日の相場ではこのMAがレジスタンスラインとして意識された。6月高値と7月安値の半値戻しの水準1.0283もレジスタンスポイントとして意識されている状況を考えるならば、1.0260-1.0280レベルをレジスタンスゾーンと想定しておきたい。

・1.03の攻防

今日はフランス、ドイツそしてユーロ圏の各PMI指数速報値(7月)が発表される。総じて予想以上の結果が確認される場合は、上で述べたレジスタンスゾーンの攻防となることが予想される。

しかし、上ヒゲ示現でレジスタンスゾーンの突破に失敗する展開が繰り返される場合、来週はユーロドルの下落リスクを警戒する1週間になると予想する。

逆に強い経済指標や米金利の低下などがサポート要因となり、ユーロドルが1.0280台(レジスタンスゾーンの上限)を完全に突破する場合は、1.03トライが次の焦点として浮上しよう。この水準付近で上昇が止められる場合は、やはり来週の下落リスクを警戒したい。

一方、ユーロドルがレジスタンスゾーンだけでなく1.03台をも一気に上方ブレイクする展開となれば、短期レジスタンスライン(5月30日高値1.0786レベルが基点)のトライ&ブレイクを視野にもう一段高を想定しておきたい。

ユーロドルのチャート


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