【ドル円 (USD/JPY)】昨日の反発で明確になった上下のチャートポイントとは？

サマリー

・12日の外為市場は米ドル買い優勢の展開となった
・ドル円は米ドル買いにサポートされ、148円台へ反発する局面が見られた
・昨日の反発を受け、目先注目すべきドル円のチャートポイントが明確になった
・上昇の局面では50日線、下落の局面では146.50レベルの攻防に注目したい

外為市場の動向：勢いの乏しい米ドル買い

2月の米国消費者物価指数（CPI）前年同月比の上昇率は3.2%と、市場予想の3.1%を上回った。

同比のコア指数も3.8％と、市場予想の3.7％を上回った。インフレは鈍化の傾向にあるが、そのペースが緩慢であることが示された。

米国 消費者物価指数（CPI）の動向：23年以降

CPI発表後、米債市場では利回りが上下に振れた後、次第に上昇する展開となった。

米ドル相場はこの動きに連動し、次第に米ドル買い優勢の展開となった。しかしその勢いは続かず、現在の外為市場が米ドル高のトレンド転換を見極める状況にあることを示唆する動きとなった（下の5分足チャートを参照）。

米10年債利回りとドルインデックスのチャート：5分足 昨日の欧州タイム以降

ドル円：明確になってきた上下のチャートポイント

上下のチャートポイント
12日のドル円（USD/JPY）は米ドル買いにサポートされ反発した。そして昨日の動きを受け、目先注目すべき上下のチャートポイントが明確になった。

結論から言えば、ドル円が上値をトライする局面では50日線、下値をトライ局面では146.50レベルの攻防が焦点となろう（下の日足チャート、緑矢印を参照）。

ドル円のチャート：日足 23年11月以降

上昇の局面では50日線の攻防が焦点に
ドル円（USD/JPY）が上値をトライする局面では、昨日の反発を見事に止めた50日線の攻防が目先の焦点となろう。この移動平均線は今日現在、148.23レベルで推移している。

昨日の反発が上ヒゲで止められた状況を考えるならば、今日の上昇局面でも50日線がレジスタンスのラインとして意識される可能性がある。

50日線をブレイクする場合は149.00レベルのトライが焦点に
本日、ドル円（USD/JPY）が50日線の突破に成功する場合は、149.00レベルのトライが次の焦点として浮上しよう。この水準は、レジスタンスへ転換する可能性がある。

モメンタムはゼロラインを下回る状況にあるが、弱気相場の勢いがひとまず後退しつつある動きが見られる（上の日足チャート、赤矢印を参照）。

一方、ストキャスティクスはゴールデンクロスの状況となり反転のムードにある。RSIも同じく反転ムードが漂っている（上の日足チャート、緑矢印を参照）。

これらテクニカル指標の動向を考えるならば、今日は「50日線の突破→149.00レベルのトライ」の可能性も想定しておきたい。

ドル円が50日線を上方ブレイクした後、149.00レベルをトライするシグナルとして注目したいのが、直近高安の半値戻しの水準148.51レベルである（下の1時間足チャートを参照）。

なお、フィボナッチ・リトレースメント61.8％の水準は149.00レベルにあたる。テクニカルの面でも149.00レベルはレジスタンスの水準として意識される可能性があろう（下の1時間足チャートを参照）。

ドル円のチャート：1時間足 3月以降

賃上げの動向と円買いの可能性
今日は、春季労使交渉の集中回答日である。賃金の動向は来週の日銀会合に対する市場の思惑を左右する要因である。

賃上げの動向がマイナス金利解除に対する市場の観測を強め、それにより円の買戻しが入る可能性を考えるならば、本日のドル円（USD/JPY）が上値をトライしても、21日線（今日現在149.72レベル）を一気にトライする可能性は低いと思われる。

目先のサポート水準は146.50レベル
一方、ドル円（USD/JPY）が下値をトライする局面では、146.50レベルの攻防が焦点となろう。先週8日以降、この水準で相場がサポートされている（上の日足チャート、緑矢印を参照）。

ドル円が146.50レベルを完全に下方ブレイクする場合は、サポート転換が意識されやすい水準146.00レベルのトライが次の焦点となろう。

分足や時間足のストキャスティクスとRSIで相場のトレンドを追いながら、これらオシレーター系の指標が相場の過熱感（売られ過ぎ / 買われ過ぎ）を示唆し、かつデッドクロスやゴールデンクロスが確認されたタイミングで、ドル円が上で述べたチャートポイントをトライする場合は、反落または反発を想定しておきたい（上の1時間足チャートを参照）。