【ユーロドル (EURUSD)】今日の見通しとチャートポイント

サマリー

・テクニカルの面で今のユーロドルは、反発相場を意識する状況にある
・ユーロドルが反発基調を維持する場合は、21日線の突破が目先の焦点となろう
・しかしユーロドルの反発局面では、戻り売りを警戒する状況にある
・ユーロドルの下落トレンドが続く場合は、1.045レベルの維持が焦点に

上値トライの局面では21日線のトライが焦点に

ユーロドル（EUR/USD）は現在、10日線を上方ブレイクする状況にある。昨日はこの移動平均線が、サポートラインとして意識された。そしてストキャスティクスとMACDは短期的な反発相場を示唆する状況にある。

これらテクニカルの動向を重視するならば、今日のユーロドルの焦点は、21日線のトライおよび上方ブレイクとなろう。この移動平均線は今日現在、1.0600レベルで推移している。ユーロドルが1.06台へ上昇できるかどうか？この点を見極めるうえで、21日線の攻防は重要な焦点となろう。

ユーロドルが21日線の上方ブレイクに成功する場合は、7月下旬以降に発生した下落トレンドを象徴するトレンドチャネルの上限を視野に、反発相場の進行を想定しておきたい。このラインは今日現在、1.06ミドルの水準で推移している。

5月31日の安値1.0635レベルの上方ブレイクは、トレンドチャネルの上限をトライするシグナルとなろう。

ユーロドルのチャート：日足 23年5月以降

戻り売りを警戒

上で述べたとおりテクニカルの面で今のユーロドル（EUR/USD）は、反発相場を意識する状況にある。

しかし、欧州中央銀行（ECB）の利上げ期待は後退し、短期金融市場では来年の利下げを急速に織り込む状況にある。この点は連邦準備制度理事会（FRB）も同じだが、利下げのタイミングについては政策金利を高水準で維持するとの観測を受け、後ズレする状況にある

政策転換のタイミングに加えて、今後は米欧の景況感格差もユーロドルの重石となろう。

これらの点が明確に意識されているかどうかは不明だが、通貨オプション市場のリスクリバーサルの動向を確認すると、1ヶ月と3ヶ月のそれらはともにユーロ・プットへの傾きが加速する状況にあり、目先はユーロ買いは期待できない。

ゆえに、ユーロドルの反発基調を支える要因として注視すべきが、米債市場のトレンド転換となろう。

米債市場で長期ゾーン利回りのトレンドが明確に低下トレンドへ転じ、それにともない米ドル相場が下落トレンドへ転じない限り、ユーロドルの反発局面では戻り売りを警戒したい。

ユーロドルとリスクリバーサルのチャート：日足 23年5月以降

反落局面での注目ポイントは？

米長期ゾーン利回りの上昇などでユーロドル（EUR/USD）が反落する場合は、10日線の維持が焦点となろう。この移動平均線は今日現在、1.0535レベルで推移している（上で掲載した日足のテクニカルチャートを参照）。

ユーロドルがこの移動平均線（10日線）を再び下方ブレイクする場合は、1.05台の維持が焦点として浮上しよう。

また、ユーロドルの反落局面では、上で述べた21日線がレジスタンスのラインとして相場の反発を止めるかどうか？この点にも注目したい。実際に21日線が現在の反発相場を止める場合は、地合いの弱さを市場参加者に印象付けよう。

1.0635レベルとトレンドチャネル上限でも反発相場が止められる可能性がある。これらレジスタンスの水準でユーロドルの反落が確認される場合は、やはり戻り売りを警戒したい。

ユーロドルが再び1.04台の攻防へシフトする場合は、今月3日の安値1.0448レベル（1.045レベル）の再トライが焦点となろう。

この重要なサポート水準をトライするシグナルとして、1.048－1.049レベルの攻防に注目したい（下の1時間足チャートを参照）。サポートゾーンとして意識される局面が見られた1.048－1.049レベルをも完全に下方ブレイクする場合は、1.045レベルを視野に下落幅の拡大を想定したい。

今日はストキャスティクスの動向を中心にユーロドルの動向、具体的には反落の局面で上で述べたサポートの水準をトライするか？トライする場合は反転するのか？それとも下方ブレイクするのか？を見極めたい。

ユーロドルのチャート：1時間足 10月以降