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パウエル講演をハト派的と捉えた各市場 / 市場の関心は米雇用統計へ / ドル円の焦点

サマリー:「各市場は、27日のパウエル講演をハト派的と捉えた。今週の焦点は、来月3日に発表される8月の米雇用統計の内容である。また、9月の焦点はFOMCとなろう。今週のドル円のチャートポイントは?」詳細はマーケットレポートをご覧ください。

パウエル講演をハト派的と捉えた各市場

先週27日のパウエル講演を受け、米国の債券市場では2年債利回りと10年債利回りが低下し、米国の株式市場は上昇した。そして外為市場では、米ドル安の展開となった。これらの動きは、各市場がパウエル講演をハト派的と捉えた証である。

どの点がハト派的だったのか?それは、パウエルFRB議長が、量的緩和政策の縮小(テーパリング)が終了した後の利上げを急がないスタンスを示した点にある。パウエル氏が年内のテーパリング開始の可能性について言及しても、性急な利上げの可能性が後退した方に各市場が反応したことを考えると、多くの投資家の焦点がゼロ金利の解除(=利上げ)の時期がいつなのか?この点にシフトしつつあることがうかがえる。

実際に利上げが開始される時期はいつなのか?この点を見極める上で、最新の政策金利の見通しが発表される9月21-22日のFOMCは重要なイベントとなろう。

6月時点の予想では、2023年に0.25%の利上げが2回あることが示唆された。そして2022年の利上げを予想するメンバーは7人いた。最新の予測でこの人数が増加する場合、早期の利上げ観測が各市場で意識される可能性があろう。逆に減少するか横ばいの場合は、早期の利上げ観測が後退しよう。


市場の関心は米雇用統計へ

今週の焦点は、9月3日の米雇用統計(8月)である。

パウエルFRB議長は先週の講演で、テーパリングの開始時期については有力な手掛かりを示さなかった。しかし、ボスティック・アトランタ地区連銀総裁(議決権あり)は27日、ロイターとのインタビューで8月の雇用統計の内容次第で10月にテーパリングを開始することに不安はないと発言した。また、カプラン・ダラス地区連銀総裁(議決権なし)は、9月のFOMCでテーパリングを発表することを支持すると述べている。8月の雇用統計が予想以上の内容となれば、実際に9月のFOMCでテーパリングを発表するかどうかは別として、その観測が各市場で意識される可能性があろう。

米雇用統計の動向と予想

米雇用統計の動向と予想

ドル円の焦点

今週のドル円(USDJPY)は、引き続きトライアングルの攻防が焦点となろう。

先週27日の動向は、株高のみでドル円が110円台を維持することが難しい、ということを示唆している。この点についてはこのレポートで指摘してきたが、先週27日の下落であらためて確認できた。

パウエル氏が性急な利上げについて否定的な見解を示したことを考えるならば、今週の米株は堅調地合いを維持することが予想される。米株高はドル円のサポート要因となろう。

しかし、米金利が上昇基調へ転じない限り、米株高のみでドル円が110円台をトライしても110.20台で反落する展開を想定したい。テクニカル面では、短期レジスタンスラインまでの反発が限界と想定しておきたい。このラインを突破するには、米株高と金利の上昇が同時に発生することが条件となろう。短期レジスタンスラインは今週、110.40から110.27レベルで推移する。

一方、ドル円の下落リスクとして注視すべきは、米株が崩れる局面である。3日の雇用統計が「強すぎる内容」となれば、パウエル講演で下火になった利上げに対する懸念が、一時的にせよ米国の株式市場で意識される可能性がある。米株が最高値圏にあることも考えるならば、「強すぎる雇用統計」が調整売りの材料となる可能性もある。
米株高が崩れるケースでは、米金利が上昇することで「米ドル買いvs円買い」の戦いが予想されるが、インフレやワクチンの普及格差を意識した相場が終わって以降、米株安の局面では円買い優勢の展開が見られる。「強すぎる雇用統計→米株下落→円買い」となる場合は、短期サポートラインの維持が焦点となろう。

このラインは今週、109.50-109.70レベルで推移する。また、このラインを挟んで89日EMA(今日現在109.55レベル)と100日EMA(今日現在109.43レベル)が推移している。市場参加者の短期的な予測を反映するリスクリバーサル(1週間と1ヶ月)は、低下へ転じている。

ドル円のチャート

ドル円のチャート

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