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金価格見通し:米イラン戦闘終結で続伸も、"タカ派"FOMCなら急反落警戒

金価格は米イランの戦闘終結を好感し3日続伸する。しかし上値は重い。強気相場回帰の鍵はFRBの政策方針が握る。FOMCが“タカ派”なら急反落を警戒。目先の想定レンジは4170~4560ドル。

Source:Bloomberg Source:Bloomberg

要点

  • 米国とイランの戦闘終結合意を受け金価格が3日続伸。しかし、強気相場の回帰は米金融政策の方向性が鍵を握るだろう。“タカ派”のFOMCなら急反落を警戒したい
  • FOMCの焦点は「利上げトーン」にある。声明文、ドットプロット、ウォーシュ新FRB議長の会見で市場の利上げ観測が大きく揺れ動くだろう
  • 目先の金価格は下限を4170ドル、上限を4560ドルと想定。上値トライの局面では21日線と200日線、下値トライでは4200ドルの攻防に注目


金価格3日続伸、米イラン戦闘終結を好感

米国とイランが戦闘終結で合意したことを受け金価格は3日続伸し、下げ止まりの感を強めている。15日の取引では、フィボナッチ・リトレースメント38.2%戻し(4355ドル)まで反発する局面が見られた。
しかし、4355ドル付近(38.2%戻し)は、今後レジスタンスに転換しうる水準であることが日足チャートからうかがえる。

21日線が200日線を下抜けるデッドクロスが確認された。RSIは50を下回り、MACDもゼロライン以下での推移が続いている。これらテクニカル指標は、金価格が依然として弱気地合いにあることを示唆している。

金価格 日足チャート:2026年1月以降

金価格 日足チャート:2026年1月以降

TradingView提供のチャート


強気回帰の焦点はFRBの政策方針、“タカ派”FOMCなら急反落警戒

中東懸念の後退を受け、原油先物価格には下落圧力が強まっている。15日の取引でNY原油先物価格は、一時80ドル割れの場面が見られた。原油安はインフレ懸念の後退要因となり、米金利の上昇を抑制。15日の外為市場では米ドルが主要通貨で下落した。これら市場の動きが続けば金価格をサポートしよう。しかし、中東懸念の後退のみで強気相場へ回帰すると判断するのは早計だ。年後半以降、金価格のトレンドを左右するのは中東情勢ではなく、米連邦準備制度理事会(FRB)の政策方針だからだ。

この点を示唆しているのが下のラインチャートだ。2026年以降の金価格は、米ドルにらみのトレンドにあることが分かる。中東懸念の後退は米ドル安の要因だ。しかし、米ドルの方向性を示すドル指数(DXY)の下落は限定的だ。むしろ5月以降は、ドル指数の水準が徐々に切り上がるトレンドにある。対照的に金価格は下げ幅が拡大している。5月以降、米利上げ観測が強まり出したことを考えるならば、市場の焦点が、中東情勢から金融政策にシフトしていることを示唆する動きだ。

ドル指数と金価格 4時間チャート:2026年1月以降

ドル指数と金価格 4時間チャート:2026年1月以降

TradingView提供のチャート

16~17日に米連邦公開市場委員会(FOMC)が開かれる。新たなFRB議長に就任したケビン・ウォーシュ氏の下での初会合だ。

政策金利の据え置きは短期金融市場で完全に織り込まれており、市場の関心は年後半の政策方針に移っている。翌日物金利スワップ(OIS)市場では利下げ観測が完全に後退し、いまや年内の利上げが視野に入る。本レポート掲載時点では、12月までの利上げを70%台の確率で織り込んでいる。

ゆえに今回注目すべきは、声明文、ドットチャート(FOMC参加者の政策金利見通し)、そしてウォーシュ議長の記者会見を通じて、FRBが利上げへの地ならしを進めるかどうかにある。“タカ派”のFOMCとなれば、年内の利上げ観測とそれに伴う米ドル高を受け、金価格は急反落する展開が予想される。

米政策金利の見通し

米政策金利の見通し

ブルームバーグのデータで作成 / 16日 午前11時時点の予想


金価格のチャート分析、想定レンジ4170~4560ドル

冒頭のチャート分析に加え、市場参加者も金価格が強気相場へ回帰することには懐疑的だ。それを反映しているのが、主要な金ETFの資金フローである。

ブルームバーグ・インテリジェンスがまとめた週次データによれば、足元で4週連続の流出超となった。これは、中東の地政学リスクが強く意識された3月以来の連続流出だ。先週は約15億ドルに流出額が膨らんだ。

金ETF 週次資金フローの動向:2026年1月以降

金ETF 週次資金フローの動向:2026年1月以降

ブルームバーグ・インテリジェンスのデータで作成

今回のFOMCが“タカ派”と市場で受け止められる場合、金価格は1時間足チャートにまとめたフィボナッチ・リトレースメントの水準を軸に下値の攻防を見極めたい。

注目は4250ドルだ。直下は38.2%戻し4248ドルだが、昨日のギャップアップ(上方の窓開け)で、サポート転換が意識されやすい状況にある(黒矢印を参照)。

金価格が4250ドルを完全に下方ブレイクすれば、4200ドルの維持が焦点に浮上しよう。この水準も下方ブレイクすれば、11日以降サポートラインとして意識されているフィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準4173ドルのトライを想定したい。直下の4170ドルを今週19日までの下限と予想する。
注目水準:サポート
・4300ドル:23.6%戻し(4294ドル)
・4250ドル:サポート転換の可能性、38.2%戻し(4248ドル)
・4200ドル:サポートライン
・4170ドル:下限予想、61.8%戻し(4173ドル)

金価格 1時間足チャート:6月上旬以降

金価格 1時間足チャート:6月上旬以降

TradingView提供のチャート

一方、一連のFOMCイベントに対する米金利と米ドルの反応が限定的ならば、金価格は中東懸念の後退を受けた買い戻しが続こう。このケースでは、日足チャートのフィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準4560ドルを上限と想定し、まずは昨日の上昇を止めたフィボナッチ・リトレースメント38.2%の水準4355ドルの攻防を見極めたい。

金価格が4400ドル台へ反発すれば、21日線と200日線に注目したい。21日線のトライは、4400ドルの攻防を意味する。200日線の上方ブレイクは、4560ドルをトライするサインと捉えたい。現在、50日線が4570ドル台まで低下しており、4560ドル付近はレジスタンスラインとして意識されやすい状況にある。
注目水準:レジスタンス
・4560ドル:上限予想、61.8%戻し、上に50日線(4575ドル)
・4430ドル:200日線(4432ドル)
・4400ドル:21日線(4408ドル)
・4355ドル:38.2%戻し

【再掲】金価格 日足チャート:2026年1月以降

【再掲】金価格 日足チャート:2026年1月以降

TradingView提供のチャート


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