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金価格見通し(11/5):米ドル高が重石、3900ドル割れなら下落拡大か

金価格の短期展望。リスク資産売りでも金下落。米ドル高が重石に。目先注目のチャート水準についてIG証券のアナリストが解説。

Source:Bloomberg Source:Bloomberg

要点

  • リスク資産売りでも金価格が下落。主要な金ETFの買いも急速に失速している。主因は米ドル高と考えられる。ドル指数は8月以来の高値圏へ反発。米中懸念の後退と12月利下げの不透明感が米ドルの買い戻しを後押ししている
  • 日足のRSIとMACDは金価格の弱気地合いを示唆。目先の焦点は3900ドルの維持となろう。下抜けなら3800ドルが視野に入る
  • 目先は米利下げ期待が再燃しない限り、金価格の軟調地合いを意識したい。今週7日までの予想レンジは3800ドル~4100ドル


リスク資産売りでも金下落

金価格の軟調地合いが続いている。注目すべきは、リスク資産が売られる状況でも、安全資産の代表格である金の買い需要が低迷していることだ。

4日の米株式市場では、バリュエーション懸念で半導体株が売られた。AI半導体で圧倒的なシェアを確保しているエヌビディア(NVDA)は前日比4%安で200ドル割れ。他のマグニフィセントセブン銘柄も、小幅上昇で終えたアップル(AAPL)以外は総崩れとなった。

ハイテク株比率の高いナスダック100の下げ幅は前日比500ポイント超と、10月10日以来の大幅安となった。

ナスダック100とマグニフィセントセブンの変動率:11月4日

ナスダック100とマグニフィセントセブンの変動率:11月4日

ブルームバーグのデータを基に作成

米株高を主導してきたAI相場の失速は、調整売り継続の可能性を高める。よって、本来であれば安全資産の金の買い需要を強める要因となる。

しかし、金価格の反発は弱い。短期レジスタンスラインを形成しながら、10月28日以来の3900ドル割れが視野に入る。

金価格のチャート:4時間足 10月16日以降

金価格のチャート:4時間足 10月16日以降

出所:IGチャート


米ドル高が重石に

金下落の主因は、米ドルの動きにあると筆者は考えている。9月17日を境に米ドルのトレンドを示すドル指数(DXY)が反発基調へ転じている。米中の対立懸念が後退した先週以降は上昇が拡大し、昨日は8月1日以来の高値水準となる100.25レベルへ到達した。12月米利下げの不透明感も米ドル買いの要因として意識されている。

米中関係は中長期の変動要因である一方、米利下げの見通しは短期の変動要因である。したがって、目先は米利下げ期待が再び高まらない限り金価格の軟調地合いが予想される。反発の局面では戻り売りを意識したい。

ドル指数の日足チャート:2025年3月以降

ドル指数の日足チャート:2025年3月以降

TradingView提供のチャート


金ETF買い失速が示唆する投資家心理

こうした米ドル高による金価格の下押し圧力は、投資家の姿勢にも明確な影響を及ぼしている。特にETF市場では、金からの資金流出というかたちでこれまで強気姿勢にあった投資家心理の変化が顕在化している。

ブルームバーグ・インテリジェンスがまとめた週間の資金フローデータによれば、10/27~31の週にSPDR Gold Sharesは流出超へ転じた。iShares Gold Trustは2週連続の流出超となった。主要な金ETF買いの失速は、投資家が金相場から一歩身を引いている状況を示唆した。

金ETF 週間資金フローの推移:2025年4月以降

金ETF 週間資金フローの推移:2025年4月以降

ブルームバーグ・インテリジェンスのデータで作成


金価格のチャート分析

予想レンジの下限:3800ドル
日足チャートのRSIは50を割り込み、MACDはゼロラインを視野に下降トレンドにある。10日線がレジスタンスラインとして意識されている状況も考えるならば、テクニカルの面でも金価格の地合いの弱さが確認できる。

前述の米ドル買いが続くことを想定し、金価格は以下にまとめた下値水準の攻防に注目したい。最初の焦点は3900ドルの攻防となろう。この水準には現在、50日線(3906ドル)が上昇している。テクニカルの面でもサポートサインとして意識されやすい状況にある。

3900ドルを下方ブレイクする場合は、下落拡大のサインと捉えたい。この場合は、3800ドルの維持が焦点に浮上しよう。10月28日の安値3886ドルと8月安値と10月高値の半値戻し3846ドルの下方ブレイクは、3800ドルをトライするシグナルとなろう。このラインを7日まで(今週)の下限と想定したい。

4時間足のストキャスティクスは「売られ過ぎ」の水準へ到達している。RSIでも同じ状況となる局面で、金価格が今回の下値水準をトライする場合は短期の反発を想定したい。このケースでは、以下にまとめた上値水準の攻防に注目したい。

注目の下値水準
・3900ドル:50日線、サポートライン
・3886ドル:10月28日の安値
・3846ドル:半値戻し
・3800ドル:予想レンジの下限

予想レンジの上限:4100ドル
米ドル売りの局面では、金価格の反発が予想される。このケースでは、以下にまとめた上値水準の攻防に注目したい。

最初の焦点は4000ドルの突破である。この水準には現在、レジスタンスラインとして意識されている10日線が低下している。また4000ドルは、4時間足チャートのフィボナッチ・リトレースメント23.6%の水準(4003ドル)にあたる。現在の4000ドルは、テクニカルの面でレジスタンスラインとして意識されやすい状況にある。

金価格が4000ドルを回復する場合は、4050ドルと4075ドルの攻防に注目したい。特に注目したいのが、レジスタンスラインに転換する兆しが見られる4050ドルだ。テクニカルの面ではフィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準(4052ドル)にあたる。4075ドルを突破する場合は、IGコモディティレポートで注目している4100ドルのトライが視野に入ろう。この水準付近には現在、21日線(4094ドル)が推移している。直下の4091ドルはフィボナッチ・リトレースメント76.4%の水準にあたる。

現在の金価格は上下に大きく振れる傾向にある。10日線を上方ブレイクする場合は、4050ドルや4075ドルを一気に上方ブレイクする可能性がある。4050ドルと同じく、レジスタンスラインに転換する可能性がある4100ドルを今週7日までの上限と想定したい。

注目の上値水準
・4100ドル:21日線、直下に76.4%戻し、予想レンジの上限
・4075ドル:38.2%戻し
・4050ドル:61.8%戻し
・4000ドル:10日線、23.6%戻し


金価格の日足チャート:2025年8月以降

金価格の日足チャート:2025年8月以降

TradingView提供のチャート

金価格の4時間足チャート:10月以降

金価格の4時間足チャート:10月以降

TradingView提供のチャート


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