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金価格見通し(2/24):1か月ぶり5200ドル台、米関税の動向とイラン情勢次第で変動拡大も

IG証券のアナリストによる金価格の見通し。予測困難のトランプ米関税。イラン情勢も波乱要因に。変動拡大を警戒する状況が続く。

Source:Bloomberg Source:Bloomberg

要点

  • 23日の取引で金価格が約1ヶ月ぶりに5200ドル台を回復。予想困難なトランプ米関税が投資家の不安心理を掻き立て、安全資産の投資妙味が増した
  • 目先の焦点は2つ。一つはトランプ関税で新たな動きがあるかどうか。もう一つは米・イラン核協議(26日)。どちらも先行きが見通せず、ゆえに金価格の変動拡大を警戒する状況が続くだろう
  • 目先の上値目途は5300ドル。突破なら5400ドルを視野に上昇拡大が予想される。反落局面では5000ドルを重要防衛ラインと想定したい。ここを割り込むと4840ドル(2月17日安値)まで下落が拡大する展開を警戒


金価格 1か月ぶりの5200ドル台、米関税懸念が再燃

23日の取引で金価格が上昇。上げ幅は前週末比で一時130ドルに達し、約1か月ぶりに5200ドル台を回復した。

トランプ米大統領は20日、通商法122条に基づく10%の新関税導入を表明。翌21日には自身のSNSで新関税を15%へ引き上げる方針を示した。予想困難なトランプ政権の政策運営が投資家の不安心理を掻き立て、金(安全資産)への資金シフトを促した。

金価格の4時間足チャート:1月下旬以降

金価格の4時間足チャート:1月下旬以降

TradingView提供のチャート


急変動を警戒する状況が続く

先週18日に反発して以降、金価格は続伸している。一気に5200ドル台を回復した状況は、強気相場への回帰を示唆する。

予想変動率が再び上昇していることを踏まえれば、急騰の可能性がある。一方、以下で詳述する米関税の動向と中東情勢次第では、急落の可能性がある点にも注意が必要だ。

金価格の予想変動率:2025年1月以降

金価格の予想変動率:2025年1月以降

ブルームバーグのデータを基に作成
※予想変動率:1ヶ月、年率換算

急変動の要因として目先注視すべきが、トランプ米関税の動向だ。米連邦最高裁はIEEPA(国際緊急経済権限法)に基づく相互関税などを違憲と判断した。トランプ米大統領はすぐに通商法122条に基づく150日間限定の代替関税10%に署名し、21日には15%への引き上げを表明。関税政策で一歩も引かない構えを見せた。

今後も関税政策を巡っては、新たな展開が生じる可能性が常にくすぶる。その内容次第では投資家心理をさらに悪化させる可能性もあれば、改善させる可能性もある。この先行き不透明感は金急変動の要因となろう。

もう一つの注目材料が、中東の地政学リスクだ。今週26日(木)、米国とイランがジュネーブで第3回核協議に臨む。ロイター通信によると、イランは経済制裁の解除と「平和的な核濃縮」の権利承認を条件に新たな譲歩案を提示する構えだが、両国の隔たりは依然として大きい。トランプ米大統領は23日、自身のSNSで合意を強く望む一方、交渉が決裂した場合にはイランに重大な結果をもたらすと改めて警告した。こうした米国の強硬姿勢が中東の地政学リスクを高め、原油供給への懸念から直近の原油高を招いていると見られる。米関税の行方と同様に先行きが不透明なだけに、中東情勢も金価格の変動拡大要因として引き続き注視したい。

原油先物価格の日足チャート:昨年10月以降

原油先物価格の日足チャート:昨年10月以降

ブルームバーグのデータを基に作成


金価格の見通しと注目のチャート水準

5300ドル突破なら上昇拡大
今日以降も金価格が強気地合いを維持すれば、5300ドルのトライを想定したい。この水準はフィボナッチ・エクステンション100%にあたる(4時間足チャート)。また、5316ドルはフィボナッチ・リトレースメント76.4%の水準だ(日足チャート)。テクニカル面で5300ドルはレジスタンスラインとして意識されやすい状況にある。短期のロング勢にとって利確売りの水準として注目したい。

前述の通り、金価格は変動拡大を警戒する状況が続いている。5300ドル台で底固めとなれば、次の節目水準5400ドルを視野に上昇拡大を想定したい。5451ドルは1月30日急落時の高値水準にあたる。直下の5450ドルを目先の上限と想定したい。
注目のチャート水準
・5450ドル:1月30日の高値水準
・5400ドル:次の節目水準
・5316ドル:フィボナッチ・リトレースメント76.4%
・5300ドル:フィボナッチ・エクステンション100%

5000ドルの維持
4時間足のRSIとストキャスティクスはいずれも「買われ過ぎ」の水準にある。短期的な過熱相場が意識されやすい状況で「TACO取引※」となれば、金価格の反落を想定したい。米国とイランの協議で進展が見られる場合も、金下落の要因となろう。
※TACO取引:「Trump Always Chickens Out(トランプ米大統領はいつも尻込みする)」の略語
TACO取引とは? 現代金融市場の新たな投資戦略を解説

金価格の反落局面では、5000ドルの維持が焦点となろう。現在、この水準には日足の一目基準線と25日線が推移している。また、来月2日には短期サポートラインが5000ドルと交差する。心理的な節目水準であることも踏まえれば、目先は5000ドルを下値の重要な防衛ラインと想定したい。

5000ドルを目指すサインとして、まずは5200ドルの攻防に注目したい。このラインを下方ブレイクする場合は、5100ドルのトライを意識したい。この水準はサポートラインに転換する兆しがある。5000ドルのトライを見極める上での重要な攻防ラインとして注目したい。

金価格が5000ドルを一気に下方ブレイクする急落に直面する場合は、2月17日の安値水準4840ドルを視野に下落拡大を警戒したい。
注目のチャート水準
・5200ドル:節目水準
・5100ドル:サポートラインに転換する可能性あり
・5000ドル:一目基準線、直下に25日線
・4840ドル:2月17日の安値水準


金価格の日足チャート:昨年12月下旬以降

金価格の日足チャート:昨年12月下旬以降

TradingView提供のチャート

金価格の4時間足チャート:1月下旬以降

金価格の日足チャート:昨年12月下旬以降

TradingView提供のチャート


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