Overview
29日の海外外為市場でドル円は、9月中旬以降レジスタンスラインとして意識されてきた日足転換線を突破し、112円台へ上昇した。イエレンFRB議長による一部のタカ派的な発言と米GDP改定値(Q3)が3.3%へ上方修正されたことを受け、この日の米長期金利は急反発。外為市場では米ドル買い圧力が強まり、ドル円は112.14まで上昇した。一方、ユーロドルは1.1816まで米ドル買いが進行する局面が見られた。また、対新興国通貨でも米ドル買い優勢の展開となった。英国とEUが離脱請求書(ブレグジット・ビル)にかんして大筋で合意したことを受け、ポンドは米ドル以上に買い圧力が強まった。ポンドドルは1.3447と、9月28日以来となる水準まで急伸する局面が見られた。
米株は強弱まちまちの展開となった。ダウ平均は通信や金融株が上昇のけん引役となり、前日比103ドル97セント高の23,940.68と、連日で過去最高値を更新した。一方、ハイテク株には調整圧力が強まり、ナスダック総合株価指数は前日比87.97ポイント安の6,824.39と反落した。NY原油先物1月限はOPEC総会前の調整相場が継続し、前日比0.69ドル安の1バレル=57.30と3日続落。一方、NY金先物2 月限は米ドル高が嫌気され、前日比13.0ドル安の1トロイオンス=1286.2と下落した。
石川 順一
シニアマーケットアナリスト/Senior Market Analyst, Tokyo
作成日 : 2017-11-30T00:23:24+0000