リスク選好相場の調整要因

Market Summary
2日の海外外為市場は、米ドルと円が上昇した。この日は欧州通貨や新興国通貨を中心に米ドル高優勢となり、ユーロドルは1.1504まで下落する局面(米ドル高の局面)が見られた。英ポンドは、対米ドルで節目の1.30を下方ブレイク。安値1.2938を付ける局面が見られた。一方、ブラジルレアル以外の主要な新興国通貨に対しても米ドル高は上昇した。ドル円は、欧米株式が下落したことを受け米ドル以上に買い圧力が高まり、113.50まで下落した。
米株は強弱まちまちの展開となった。ダウ平均は国際貿易摩擦に対する懸念の後退が引き続き相場の押し上げ要因となり、前日比122.73ポイント高の26,773.94と最高値を更新。一方、S&P500とナスダック総合指数は売り買いが交錯するも小幅に下落して終了した。国際商品市況では、NY原油先物11月限が利益確定売りにより前日比0.07ドル安の1バレル=75.23と小反落。一方、NY金先物12 月限は米ドル高よりもリスク回避相場の方に反応し、前日比15.3ドル高の1トロイオンス=1207.0と反発して終了した。

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Market Analysis
2日の欧米株式は総じて軟調地合いとなり、原油価格も下落。外為市場では典型的なリスク回避の米ドル買い /円買いの展開となった。ドル円が下落した事実は、株安局面での円高圧力が最も強いことを示唆している。だが、ダウ平均が最高値を更新する等、米株は堅調さを維持している。ボラティリティ(VIX指数)が低位で安定的に推移し続けている状況も考えるならば、米国内からリスク回避相場のトリガーが引かれる可能性は低い。よって、昨日のドル円の下落は、9月に上昇一辺倒で推移した後の調整と捉えたい。米国のファンダメンタルズは良好であり、国際貿易摩擦に対する懸念も後退し、且つ米主要企業の四半期決算が控えていることも考えるならば、10月もリスク選好相場が継続する可能性がある。このトレンドの調整トリガーとして目先注視すべきは、新興国市場となろう。FOMC後、米ドル高トレンドが再来しているタイミングで新興国株ETF(VXEEM)のボラティリティは20.00ポイントの水準を突破してきた。外為市場ではインドネシア・ルピアが対ドルで1米ドル=1万5048ルピアと、1998年アジア金融危機以来の安値水準まで急落している。米ドル高と原油高が同時に発生する現在の局面において、同国が直面する経常赤字問題が改めてクローズアップされたが故の通貨安だが、この状況(=米ドル高 /原油高)が続くならば、同じく慢性的な経常赤字を抱えるトルコリラ、南アフリカランド、そしてインドルピーにも今後売り圧力が高まるリスクがくすぶる。新興国通貨安が鮮明となれば、株高の調整圧力も増そう。現在の堅調な米株、3.1%前後でキャップされている米長期金利、そしてトルコリラや中南米通貨の底堅さを考えるならば、新興国不安が急速に台頭しそれがリスク回避相場へつながる可能性は低いが、上述したように9月のリスク選好相場の調整要因となる可能性については常に意識しておくべきだろう。
本日のドル円だが、上値は114.06(10/1高値)の突破、下値は10日MA(113.18)の維持が焦点となろう。一方、1.1520を下方ブレイクしたユーロドルは、1.15台の維持がいよいよ焦点として意識されてきた。1.1500にはビッドの観測あり。調整のユーロ買いが入っても、21日MA(1.1650レベル)までの反発が限界と想定している。

【チャート①:株式ボラティリティ】

vix VXEEM 新興国 ボラティリティ

【チャート②:ドル円】

ドル円 usdjpy

【チャート③:ユーロドル】

EURUSD ユーロドル

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