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再び進行する円安、為替介入の限界を意識か ドル円は不意打ちの円高を警戒

外為市場では再び円安が進行している。根強い米ドル高も重なりドル円(USD/JPY)は、156円を視野に反発。今日も上値トライを意識する状況が続くことが予想される。しかし、ドル円の上昇局面では「不意打ちの円高」を警戒しておきたい。それを意識すべき水準は?


サマリー

・再び進行する円安、市場参加者は為替介入の限界を意識
・根強い米ドル高も重なり、ドル円は156円を視野に上昇基調を維持している
・ドル円が158.00をトライする局面では、「不意打ちの円高」を警戒したい
・反落の局面では21日線と153.00レベルの維持が焦点となろう


日銀の植田総裁、円安を巡る発言を軌道修正

日銀の植田和男総裁は8日、衆議院の財務金融委員会に出席した。進行する円安について「過去の局面と比べて為替の変動が物価に影響を及ぼしやすくなっている側面、あるいはリスクがあることは意識しておく必要がある」と述べた。

4月26日に開かれた金融政策決定会合後の定例会見では円安について、「基調的な物価上昇率に今のところ大きな影響を与えていない」と述べており、円安をめぐる昨日の発言は軌道修正を図ってきたと言える。

また、今後の金融政策について植田総裁は、経済と物価見通しやそれを巡るリスクが変化すれば、当然金利を動かす理由となると指摘。

仮に物価見通しが上振れるか、そのリスクが大きくなる場合には「金利をより早めに調整していくことが適当になる」とも述べた。

短期金融市場では現在、7月の利上げを意識する状況にある。

日銀 政策金利の予想推移

日銀 政策金利の予想推移 ブルームバーグのデータをもとに筆者が作成

根強い円安の圧力、為替介入の限界を意識する動き

円安について植田総裁が軌道修正を図ってきた。しかし、外為市場では円安の進行が止まらない。事実、昨日の円相場は対主要国の通貨で全面安の展開となった(下のチャートを参照)。

ドル円(USD/JPY)は155円台へと上昇し、高値155.68レベルをつける局面が見られた。ユーロ円(EUR/JPY)は167円台、ポンド円(GBP/JPY)は194円台の攻防へシフトしている。

対主要国の通貨で円安が再び進行している状況は、政府・日銀による為替介入の限界を市場参加者が早くも意識し始めている可能性を示唆している。

円相場の動向:5月8日

円相場の動向:5月8日 ブルームバーグのデータをもとに筆者が作成

21日線をブレイクしたドル円、上値のトライを意識する状況に

ドル円(USD/JPY)は昨日、IG為替レポートで注目している21日線(今日現在154.84レベル)を完全に上方ブレイクした。日足のモメンタムはゼロラインを上に抜け、強気相場に勢いが出始めていることを示唆している。一方、ストキャスティクスとRSIは上昇基調にあり、相場の短期的な過熱感も見られない。

日銀の植田総裁が円安について軌道修正してきたが、それでも円安が止まらない状況を考えるならば、今日のドル円も上値のトライを想定しておきたい。

ドル円のチャート:日足 24年3月以降

ドル円のチャート:日足 24年3月以降 TradingView提供のチャートで作成

158.00レベルでは「不意打ちの円高」を警戒

ドル円(USD/JPY)が上昇トレンドを維持する場合、次の焦点は156.00レベルのトライおよびブレイクアウトとなろう。この水準は4月29日高値と5月3日の安値の半値戻しにあたる。また、5月2日の日本時間に相場の反発を止めた経緯がある(下のチャートを参照)。目先のレジスタンスポイントとして注目しておきたい。

ドル円が半値戻しの水準だけでなく、157円の攻防となるフィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準をも上方ブレイクすれば、158.00のトライが焦点として浮上しよう。

4月29日にドル円は160円へ急騰した。その後、為替介入と思われる円買いで一気に154円のミドル付近まで急落した。4月30日以降、ドル円は反発相場へ転じたが、158.00レベルはその反発を止めた水準となる。そして、5月2日の早朝に再び円相場が急伸した時の高値水準でもある。この時の円高も為替介入の可能性が指摘されている。

ゆえに、ドル円が158円をトライする局面では、為替介入に対する警戒感を受け「不意打ちの円高」が発生する可能性があろう(下のチャート、赤の矢印を参照)。

ドル円のチャート:1時間足 4月26日以降

ドル円のチャート:1時間足 4月26日以降 TradingView提供のチャートで作成

反落の局面では21日線のサポート転換と153円の維持が焦点に

今日は米国の新規失業保険申請件数が発表される。4月の雇用統計に続き労働市場の軟化を示唆する内容となれば、米ドル安の要因となろう。

米ドル安を受けドル円(USD/JPY)が反落する場合は、上で述べた21日線のサポート転換が最初の焦点となろう。この移動平均線は今日現在、154.84レベルで推移している。

ドル円が21日線を下方ブレイクする場合、まずは5月1日と2日の下落を止めた153.00レベルで相場が反発する展開を現時点では想定しておきたい。

今の円安圧力の根強さを考えるならば、ドル円が152円台の攻防へシフトしても50日線(今日現在152.20台)を下方ブレイク可能性は低いだろう。

一方、米国の新規失業保険申請件数が労働市場の堅調さを示唆すれば、米ドル買いと円売りが重なることで、ドル円は上で取り上げたレジスタンスの水準をトライする展開を想定しておきたい。

なお、4週移動平均は再び低下の基調にある(下のチャート、赤ラインを参照)。この動向は、労働市場の堅調さを示唆している。

米国 新規失業保険申請件数の動向:23年以降

米国 新規失業保険申請件数の動向:23年以降 ブルームバーグのデータをもとに筆者が作成

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