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景気減速懸念と安全資産買い / ドル円とユーロドルの焦点

サマリー:「今週発表された米中指標データはどれもさえない内容が続いている。各市場では安全資産を買う動きが見られる。このような状況の中、ドル円とユーロドルの焦点は?上下のチャートポイントは?」。詳細はマーケットレポートをご覧ください。


景気減速懸念と安全資産買い

・米国

7月の米小売売上高は-1.1%と、市場予想の-0.2%を大きく下回った。自動車を除くコアも-0.4%と、市場予想の0.1%を下回った。米政府とFRBによる大規模な景気対策やワクチン接種による社会の正常化に向けた動きを受けて個人消費は堅調に推移してきた。その勢いが弱まったと判断するには、新型コロナウイルスのデルタ株の感染動向と8月以降の小売売上高のデータを確認する必要がある。

だが、今週月曜日に発表された8月のNY連銀製造業景気指数は18.3と、7月の43.0から大きく落ち込んだ。今日は住宅関連の指標が発表されるが、弱い内容が続けば米国の景気回復が鈍化しているとの懸念を各市場の参加者に意識させよう。

・中国

今週の月曜日に発表された中国の7月小売売上高と同月鉱工業生産は、ともに市場予想を下回った。前者の鈍化は4か月連続。後者の鈍化は5か月連続である。

米国と同様に中国でもデルタ株の感染が拡大しており、移動制限などの措置が講じられる地域が増えている。来年に北京で冬季五輪が開催されることも考えるならば、中国当局はデルタ株の感染拡大が止まるまで厳しい対策を取り続けるだろう。これは中国経済の回復を阻害する要因となる。事実、大手金融機関の中には同国の成長予想を引き下げる動きが見られる。

・安全資産買い

今後、米中の景気が減速していくかどうかは、引き続き指標データを確認する必要がある。しかし、今週の指標データの内容は、その懸念を各市場参加者に意識させている。事実、米長期金利は上昇が抑制され(=米債が買われ)、NY金は反発基調となっている。また、外為市場では米金利の上昇が抑制されても根強い米ドル買いが入る状況となっている。米債、金そして米ドルはいずれもリスク回避の局面で買われやすい「安全資産」の特徴を持つ。これら資産が同時に買われている状況は、先行きの不透明感を示唆した動きと捉えることができよう。


ドル円 上値は109.90レベルの攻防が焦点に

ドル円(USDJPY)は、かろうじて109円台の維持に成功している。昨日は100日EMA(109.36レベル)や89日EMA(109.49レベル)を突破し、109.65まで反発した。

リスク回避の局面では「米ドル買いvs円買い」の戦いとなるが、昨日は米金利の低下が限定的だったことから米ドル買いに軍配が上がった。上で述べたとおり、現在は景気の先行き不透明感が意識されやすい状況にある。このため、米株が下落する局面では「米ドル買いvs円買い」の戦いが多く見られよう。

昨日のように米金利の低下幅が限定的となる場合、ドル円は上昇すると思われる。しかし、このケースでは円買いによって上値が抑制されやすい。昨日と同じ展開となっても、21日EMAと50日EMAがクロスしている109.90手前(109.88レベル)でドル円の戻りが抑制される展開を想定しておきたい。

一方、良好な米指標データなどで米株高と金利の上昇が同時に発生する局面では、109.90レベルの突破と110円台への再上昇を想定しておきたい。

ドル円の下値の焦点は、109円(フィボナッチ・リトレースメント61.8%)の攻防で変わらず。

なお、指標データ以外の米ドル買い要因として、本日はFOMC議事要旨の内容にも注目したい。早期の量的緩和縮小(テーパリング)を各市場の参加者に意識させる議論がなされていたことが判明する場合、米ドル買い優勢となる可能性がある。

ドル円のチャート

ドル円のチャート

1.17ブレイクが目前に迫るユーロドル

ユーロドル(EURUSD)は1.18の突破に失敗すると下落幅が拡大し、1.17の下方ブレイクが目前に迫っている。

デルタ株の感染拡大に加えて、景気の先行き不透明感が意識されやすい状況であることも考えるならば、現在は米ドル買いの圧力が高まりやすい状況にある。この状況下で、FOMC議事要旨が米ドル買いの要因となれば、ユーロドルは1.16台の攻防へシフトする展開を予想する。

1.16台の攻防で注目すべきは、フィボナッチ・プロジェクション61.8%の水準1.1677レベルである。50.0%の水準で相場がサポートされている現状を考えるならば、このテクニカルの説明力は高いと考えられる。

1.1677をも下方ブレイクする場合は、以前にこのレポートで指摘した1.1650レベルを視野に下落幅の拡大を想定したい。

一方、今日のユーロドルの上限は、21日EMA(1.1784レベル)を想定したい。このEMAは今月の13日と16日にレジスタンスラインとして相場の上値を抑制した経緯がある。
21日EMAをトライするかどうか?この点を見極めるため、まずは昨日の大陰線の各リトレースメントでの攻防に注目したい。

ユーロドルのチャート

ユーロドルのチャート

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