自動車の完全電気化の道のりは厳しいものの、着実に進んでおり、大手自動車メーカーは続々と電気自動車(EV)の新モデルを発表しています。ここではEV関連銘柄を4選紹介します。いずれも、成長性などを総合的に考慮して選出しています。
電気自動車(EV)関連銘柄とは、電気自動車の製造や関連技術の開発に携わる企業の株式のことです。EV関連銘柄が注目されている理由としては、世界各国が二酸化炭素排出量削減に向けた取り組みを強化していることや、自動車メーカーが次々とEVへの移行計画を発表していることなどが挙げられます。
具体的なEV関連銘柄としては、完成車メーカーではテスラ、トヨタ、BYDなど、部品メーカーではデンソー、ニデックなどがあります。EV関連銘柄への投資は、環境問題への取り組みを後押しする意義もありながら、将来の成長産業に投資できるという魅力があります。ただし、技術革新の速度や競争の激化、政策変更などのリスク要因もあるため、特に投資初心者の方は中長期的な視点での分散投資も視野に入れるべきでしょう。
ここでは、2025年第3四半期に注目のEV 関連株4選を紹介します。価格と株価推移は2025年8月7日時点の引用です。また、過去の値動きは将来の株価動向を示すものではありません。
トヨタ自動車は世界トップクラスの自動車メーカーとして知られ、その強みは「トヨタ生産方式」に裏打ちされた高い品質管理と効率的な生産体制にあります。170以上の国・地域に販売ネットワークを持ち、ハイブリッド車(HV)を中心とした電動化技術で先行してきた同社は、近年では本格的にEV分野にも注力しています。
自社のEVブランド「bZ(ビーズィー)」シリーズを展開しており、2030年までに北米に3万ヶ所の充電ポートを設置する計画にも参画するなど充電インフラ戦略にも積極的です。
2026年3月期第1四半期決算では、営業収益が12兆2,533億円(前年同月比+3.5%)と増加しましたが、営業利益は1兆1,661億円(同-10.9%)、親会社の所有者に帰属する四半期利益も8,413億円(同-36.9%)と、共に減益となりました。諸経費の増加などによる自動車事業の減益が主な要因ですが、金融事業は39.1%の増益と好調でした。ただし、人や成長領域への投資は必要なものであり、必ずしも諸経費の増加が悪材料だとはいえません。
現在の株価は2,680円、予想PERは約11倍、PBRは約1倍と、利益面で割安感のある水準です。配当利回りも約3.5%と高水準になっています。
金利上昇による自動車ローンのコスト増や、トランプ米大統領の関税政策などが懸念材料としてあるものの、トヨタのブランド力と財務基盤を考えれば、安定感のある投資先といえそうです。電動化や次世代モビリティへの投資も継続しており、株価に割安感もあることから、EV関連銘柄初心者にも検討しやすい企業だと言えます。
デンソーは、愛知県刈谷市に本社を置く、国内最大手かつ世界第2位のトヨタ系自動車部品メーカーとして知られています。エンジン制御ユニット(ECU)、インバータ、モーターなど、特にEVやADAS(先進運転支援システム)分野で強い競争力を持ち、トヨタグループに限らず多くの自動車メーカーに部品を提供しています。
2026年3月期第1四半期決算では、売上収益が1兆7,541億円(0.0%)と横ばいになった一方、営業利益は1,072億円(前年同期比-11.1%)となりました。日本での車両販売が好調だったことが売上維持に寄与しましたが、北米での関税の影響により減益となっています。ただし、通期予想では売上収益を上方修正し、引き続き業績改善に強く取り組む姿勢が示されています。
現在の株価は2,048.5円、予想PERは約11倍、PBRは約1.2倍と、利益面で割安感があります。配当利回りも約3.1%と高めです。
米国の関税などの懸念点もありますが、デンソーの安定的な収益性、EVやADASといった次世代モビリティへの対応力、株価の割安さは大きな魅力です。堅実なEV関連銘柄の一つとして、中長期的な投資妙味があると言えるでしょう。
ニデック(旧日本電産)は精密小型モーターを強みとし、EVや産業機器、医療機器、家電製品などで使われるブラシレスDCモーターで、世界トップシェアを誇る企業です。
主にEVや鉄道車両などの推進に使用されるトラクションモーターでも大きな注目を集めており、「ニデックPSAイーモーターズ」の子会社化などによって、量産体制を整え、収益改善を進めています。
2025年3月期決算では、売上高が2兆6,070億円(前期比+11.1%)、親会社の所有者に帰属する当期利益は1,676億円(同+34.7%)と、共に過去最高を更新しました。AIデータセンター向け製品や車載事業の収益性改善などが、増益に大きく寄与しました。
2026年3月期は売上高が2兆6,000億円(前期比-0.3%)、親会社の所有者に帰属する当期利益は2,000億円(同+ 19.3%)を見込んでおり、さらに2027年度には売上高2.9兆円を目指すという野心的な成長計画も公表しています。
ただし、中国でのEV関連部品市場では、価格競争と需要の揺れに苦戦しています。そのため、不採算な受注の見直しや固定費削減に動くなど、構造改革を積極的に進行中です。
現在の株価は2,909.5円、予想PERは約17倍、PBRは約2倍と、やや割高感があります。とはいえ、ニデックの今後の成長性を考えれば、これは肯定できる水準であると言えるでしょう。
ニデックは堅実なモータービジネスに加え、EVやデータセンター向け、産業機器への展開を通じて次のステージへ踏み出しています。構造改革を進め、収益性をさらに追求する姿勢も魅力です。EVシフト加速を見据えて、ポートフォリオに組み入れる候補となる注目銘柄の一つです。
Tesla(テスラ)はアメリカを代表するEVメーカーであり、革新的な電動化、エネルギー製品、さらに自動運転やAI技術への挑戦でも注目を集めています。自動運転ではロボタクシーサービスを米テキサス州オースティンで限定開始し、今後アメリカや欧州へ拡大予定です。これは特定の条件下で人間の関与なしに車両が完全に自律走行できる「自動運転レベル4」への移行を見据えた新しいモビリティの挑戦であり、将来的な財務効果が期待されています。
2025年第2四半期決算では、売上高が224億ドル(前年同期比-11.7%)、純利益は11億ドル(同-16.2%)と、厳しい数値が示されました。これについてCEOのイーロン・マスク氏は、EV向け税制優遇の縮小や中国勢との競争激化が要因と分析し、「いくつか苦しい四半期が続く可能性がある」と説明しています。一方、「来年後半、そして間違いなく来年末に自動運転が本格的に実現すれば、テスラの経済性がそれほど魅力的でなくなるとは考えにくい」とのポジティブな発言もありました。
現在の株価はおよそ322.27ドル、実績PERは約148倍、PBRは約15倍と、成長期待が先行しており、非常に過熱しているといえる水準です。とはいえ、EVやAI関連といった旬の領域で成長が見込めることを考慮すれば、一定の妥当性はあるでしょう。
現在のTeslaは業績的に厳しい局面にありますが、自動運転、ロボタクシー、AI・ロボティクスといった未来志向の分野で意欲的に攻めています。一方で、株価は長期ビジョンに基づく期待が反映されて過熱感があり、収益性の改善には時間がかかる可能性もあります。短期的な投資リスクには注意すべきですが、先進技術と新規サービスへの取り組みを考えれば、テスラは今後も注視すべき企業です。
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