クリーンエネルギー(再生可能エネルギー)は化石燃料の2倍速で普及しており、二酸化炭素排出量の削減に貢献しています。ここでは、クリーンエネルギー関連株5選を紹介します。いずれも、事業展開や成長性などを総合的に考慮して算出しています。
クリーンエネルギー株とは、太陽光・風力・水力・地熱など、枯渇しない自然の力を活用して電力を生み出す「再生可能エネルギービジネス」に携わる企業の株式を指します。環境保護への寄与だけでなく、今後の成長も期待できる分野であるため、初心者が投資先を検討する際の有力な選択肢の一つだと言えるでしょう。
例えば、各国政府や企業は温室効果ガス排出量の削減目標を掲げており、再生可能エネルギーの需要は今後も増加すると見込まれています。補助金や税制優遇、固定価格買い取り制度など、国や地域によるサポートが、投資のリスクを相対的に抑えていることも魅力です。
クリーンエネルギー株は環境課題の解決に貢献しつつ、世界的な潮流に乗った成長機会を狙えます。もちろん投資である以上、価格変動リスクは避けられません。しかし、中長期的な視点でポートフォリオに取り入れることで、社会的意義とリターンの両方を追求することが可能です。
ここでは、注目のクリーンエネルギー関連銘柄5選を紹介します。株価やその他の数値は2025年8月4日時点の引用です。また、過去の値動きは将来の株価動向を示すものではありません。
INPEX(インペックス)は日本最大の石油・天然ガス開発企業で、そのエネルギー事業の専門性と規模を生かしつつ、脱炭素社会への転換に向けた改革を積極的に進めています。企業戦略の軸となる「INPEX Vision 2035」では、中期経営計画において、「CCS(CO₂回収・貯留)と水素をコアとした低炭素化ソリューションの提供」を成長軸の一つとして挙げています。加えて、2050年のカーボンニュートラルを目指すなど、脱炭素に向けた姿勢は非常に前向きです。
2025年12月期第1四半期の決算では、売上収益が5,368億円(前年同期比-10.0%)営業利益は3,238億円(同-14.8%)と減ってしまった一方、親会社の所有者に帰属する四半期利益は1,262億円(同+3.7%)と増益となりました。
現在の株価は2,097円、予想PERは約8倍、PBRは約0.5倍と非常に割安感があります。約4.3%という高い配当利回りも魅力です。
短期的には原油価格や豪州LNGプラントのメンテナンスの影響を受けやすいものの、中長期的にはCCSやブルー水素、e‑メタン、再エネ発電、地熱などの成長分野で継続的な収益拡大と財務健全性の維持が期待されます。インフラ改変期を迎える今、INPEXは「石油・ガスの会社」から「エネルギー・ソリューションの企業」へと変貌を遂げつつあります。
東京電力ホールディングスは、関東地方を中心に電力の発電・送配電を手がける国内最大級の電力インフラ企業です。震災以降は福島第一原発の廃炉・賠償対応、送配電網の復旧・強靱化に多額の投資を行い、大きな社会的使命を背負いつつ事業を展開してきました。また、近年は脱炭素型エネルギー企業への変革を進めています。
例えばクリーンエネルギー事業では、東京電力ホールディングスの再生可能エネルギー発電事業会社である東京電力リニューアブルパワー株式会社が、2030年度までに国内外で600~700万kW程度の電源を新規開発し、再生可能エネルギーの「主力電源化」を推し進めるとしています。
2026年3月期第1四半期決算は、売上高が1兆4,251億円(前年同月比-4.5%)、営業利益は646億円(同+2.9%)となりました。しかし、災害特別損失9,030億円の計上により8,576億円の純損失を計上するなど、自己資本比率は19.3%にまで低下し、厳しい財務状況が続いています。
現在の株価は584.7円と低迷しており、予想PERは算出不能です。これは、柏崎刈羽原子力発電所の再稼働時期が見通せず、現時点で予想純利益が未定であるためです。PBRは約0.3倍と、極端な割安水準にあります。
発電所や送配電網、土地建物などインフラ資産が膨大にもかかわらず、PBRが約0.3倍という水準であることは魅力的です。さらに、柏崎刈羽原発が再稼働すれば、業績が大きく改善する可能性があります。株価も300円台後半を底として大幅に上昇しており、市場の期待の高まりが見て取れます。
もちろん、原発再稼働の不透明さや規制強化リスク、燃料価格の変動、地元自治体・住民との調整など懸念材料は少なくありません。特に再稼働スケジュールが遅れれば、業績改善のタイミングが後ろ倒しになることが考えられます。
原発再稼働の進捗状況や再生可能エネルギー部門の収益拡大、中期経営計画などをしっかりと確認しつつ、中長期的な再評価を見据えてエントリーする判断は十分に有効と言えそうです。
レノバ(9519)は日本を代表する再生可能エネルギー専業の電力会社です。太陽光、風力(陸上・洋上)、バイオマス、小水力など多様な発電方式を手がけています。
電力の製造から販売までを一貫して行う独立系発電事業者(IPP)として、加えて脱炭素社会における民間の担い手として、存在感を高めています。特に、国内での再エネ専業企業という希少性と、クリーンエネルギーに特化した戦略が、今後の中長期的な需要増にマッチしています。
2025年3月期の決算では、売上収益が702億円(前年同期比+57.0%)と大幅に増加した一方、営業利益は40億円(同-19.0%)、親会社の所有者に帰属する当期利益も267億円(同-69.7%)と減少しました。
売上収益の増加は、主にバイオマス発電所の運転開始と連結化によるものです。また、当期利益の減少は、主に企業結合に伴う再測定による利益の計上を受けてのものでした。
現在の株価は723円、予想PERは約44倍、PBRは約0.7倍と、PERはかなり割高な水準となっています。ただし、レノバは高成長中の再エネ企業であり、成長性を加味すれば、現在のPERの高さも一定の合理性がありそうです。
再エネ比率拡大や政府のGX(グリーントランスフォーメーション)推進機構設立などの政策面での追い風も、同社の中長期的な魅力を後押ししています。一方で、事業規模の急拡大には資金調達力やプロジェクトマネジメントの強化も求められるため、成長と財務健全性の両立が今後の焦点となりそうです。
長期的な視点で、日本国内の再エネ拡大を捉える投資家にとって、レノバは注目すべき1社だと言えるでしょう。
東京ガスは東京・神奈川・埼玉など首都圏を中心に都市ガスを供給する国内最大級のインフラ企業で、電力小売、LNG、海外プロジェクト、都市開発まで幅広く事業を展開しています。約1,200万件の顧客基盤を土台に、安定収益と成長ポートフォリオを築いています。
脱炭素面に目を向けると、2030年にCO₂排出貢献量1,700万トン削減、2040年カーボンニュートラル化率50%、2050年ネットゼロ実現を掲げたロードマップを2024年に策定しました。中核技術のe‑メタンでは、「東京都産グリーン水素と下水由来のCO₂で都市ガスを合成する国内初の連続供給モデル」の実施に向け、東京都と協定を締結するなど、脱炭素への取り組みは積極的です。
2026年3月期第1四半期の決算では、売上高が6,473億円(前年同期比+10.3%)、営業利益は625億円(同+141.4%)、親会社株主に帰属する四半期純利益は571億円(同+438.7%)と大幅に増加しました。純利益の増加については、特別利益として固定資産売却益や為替換算調整勘定取崩益などを計上したことが寄与しています。
現在の株価は5,317円、予想PERは約10倍、PBRは約1.2倍と、利益面からの評価では割安感があります。
東京ガスの堅牢なLNGインフラと規制事業による安定性、再エネ・水素技術を融合させたGX(グリーントランスフォーメーション)展開は、中長期での投資妙味が見込まれます。
NextEra Energy(NEE)は、風力・太陽光発電の導入量で世界最大級の再生可能エネルギー企業です。米国フロリダ州に本社を構え、同州最大の電力会社Florida Power & Light Company(FPL)と、再エネ発電や蓄電を手がけるNextEra Energy Resources(NEER)を傘下に持ちます。
再エネ・蓄電・送電の全てを自社内で展開する垂直統合型のビジネスモデルが特長で、脱炭素化社会において極めて重要なポジションを担う存在です。この垂直統合によって、外部委託コストの削減やプロジェクトの迅速な展開が可能となっており、他の再エネ企業と比べて、収益性・成長速度の両面で優位性があります。さらに、AIの普及による電力需要の急増や、インフレ削減法(IRA) による税制優遇策など、NextEra Energyには大きな追い風が吹いていると言えます。
2025年第2四半期の決算では、純利益が20.28億ドル(前年同期比+20.0%増)、1株あたり利益は0.98ドル(同+19.4%増)と堅調な成長を見せました。現在の株価は70.53ドル、実績PERは約21倍、PBRは2.9倍です。
NextEra Energyは公益事業としての安定感と、成長ドライバーとしての再エネ事業の両立が評価されています。一方で、金利上昇や政策変更の影響を受けやすい点には留意が必要です。
とはいえ、2030年代の再エネ拡大を先取りしている存在として、長期投資の候補として注目されています。
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