米国株の注目銘柄5選【2023年最新】
世界最大の経済大国である米国には、株取引のチャンスが豊富にあります。8月に注目すべき、米国株5銘柄をご紹介します。

加速するインフレや新型コロナウイルス感染症、世界経済危機や自然災害など、米国は過去数十年間で様々な課題に直面してきました。
特に、この2年間に同国の経済力は少し弱まったものの、世界最大の経済大国であることに変わりはなく、名目GDPは26兆1900億ドル、一人当たりのGDPは78,420ドルとなっています。米国は19世紀後半から世界最大の経済大国であり、第二次世界大戦後にさらに隆盛を見せました。
2022年の経済成長率は2.1%で、2021年の5.9%よりは減速しました。国際通貨基金(IMF)が予測する2023年の実質GDP成長率は1.4%で、米連邦準備制度理事会(FRB)がインフレ対策として行なっている長期金利利上げによる経済の減速を加味したものとなっています。2008年の金融危機以来、米国のGDPに対する債務残高は大幅に増加しており、現時点では129%に達しています。
米国の経済を牽引しているのはサービス業で、これにはヘルスケア、テクノロジー、小売などが含まれます。サービス業はGDPのおよそ80%を占めており、残りは工業と農業となっています。
米国株式市場の動向
米国市場は、3月のシリコンバレー・バンク破綻を引き金とした金融危機に続き、債務上限引き上げの駆け引きに揺られました。それでも7月は2020年11月以来のブル市場となりS&P500は3.1%上昇しました。債務上限が決まったことや、インフレ率上昇が落ち着きを見せていることが安心材料となったとみられています。
米国のインフレ上昇率は減速傾向にあり、6月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比3%増となりました。しかし、エネルギーや食品などボラティリティが高い品目を除いたコアCPIは+4.8%で高止まりしており、FRBによる長期金利の据え置きを遅らせる要因となっています。
グロース企業、特にビックテックはFRBの長期金利政策や金融危機への懸念をよそに、年初来好調な業績を収めています。投資家の懸念は、どこまでこの人工知能(AI)ブームに下支えされた成長が続くのかに向けられています。
注目の米国株5選
ここでは、8月に注目すべき米国株を5つご紹介します。(価格と株価推移は2023年8月9日時点の引用です)
1. メタ(META)
メタ(旧フェイスブック)は「ファミリー・オブ・アップス」(FoA)と「フェイスブック・リアリティ・ラブス」(FRL)の2つに事業を分けています。FoAにはフェイスブックやインスタグラム、メッセンジャー、ワッツアップなどのサービスが含まれており、FRLには仮想・拡張現実関連のハードウェアやソフトウェア、コンテンツが含まれています。
2022年にはFRBの度重なる長期金利値上げにより、グロース株は苦戦しました。2023年に入ってからのメタは急伸しており、年初来153%高となっている他、取引高も多くなっています。
2. セールスフォース(CRM)
セールスフォースは顧客管理を専門とするクラウドサービスを提供するソフトウェア会社です。同社の「Cloud360」製品を通じて、マーケティング、セールス、コマース、分析、AIなどのサービスを提供しています。
同社は2021年、ビジネス用メッセージングサービスを提供するSlack(スラック)を買収しました。同社の株価は2021年の高値に戻りつつあり、年初来で55%上昇しています。企業によるAIの活用が追い風となる中、5月の第1四半期決算では、売上が前年同期比で11%上昇したと発表しました。
3. ウォルト・ディズニー・カンパニー(DIS)
ウォルト・ディズニー・カンパニーはテーマパークや体験型施設で知られる世界的なエンターテインメント企業です。同社はエンターテインメントメディアやコンテンツ、ストリーミングサービス事業も抱えています。さらに、ピクサー、ルーカスフィルム、マーベルといったスタジオや、スポーツネットワークであるESPNも擁していいます。
2023年に入ってから同社は苦戦しており、特にフロリダ州のロン・デサンティス知事との対立はニュースで大きく報じられています。同社が8月9日に発表した最新の決算では、同社が提供するストリーミングサービス「Disney+」の値上げと、ユーザー間のパスワード共有の取り締まり強化をするとしています。
2023年の同社の株価は上昇と降下を繰り返しており、年初来ではわずか0.7%高となっています。
4. アマゾン(AMZN)
アマゾンはグローバルにオンライン販売サービスを展開するEコマースのほか、アレクサやエコーといった製品、配達、ストリーミングサービス、ウェブサービスを展開する企業です。
同社の株価は今年に入ってから急騰しており、年初来で64%以上上昇しています。8月3日の第2四半期決算では、売上が前年同期比11%増、営業利益が前年同期比で倍以上となる77億ドルとする好決算を発表しました。
同社は発展が目覚ましいAIを活用して、各部署の生産性を向上を目指しています。
5. マイクロソフト(MSFT)
マイクロソフトは全世界で22万1000人の従業員を擁する、先端技術企業です。同社はソフトウェア、サービス、端末、ソリューションを開発・サポートしています。
人工知能(AI)に巨額の投資をしており、今世紀最大の技術となるとしています。チャットGPTを開発したオープンAIともパートナーシップを結んでおり、2019年、2021年に続き、2023年1月には100億ドルを投資しています。この提携によってスーパーコンピューターの開発を通じてオープンAIによるAI関連の研究を加速させ、その結果生み出される最先端のAIを製品化することを目指しています。
同社の株価は年初来で35%上昇しています。
本レポートはお客様への情報提供を目的としてのみ作成されたもので、当社の提供する金融商品・サービスその他の取引の勧誘を目的とした ものではありません。本レポートに掲載された内容は当社の見解や予測を示すものでは無く、当社はその正確性、安全性を保証するものではありません。また、掲載された価格、 数値、予測等の内容は予告なしに変更されることがあります。投資商品の選択、その他投資判断の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたしま す。本レポートの記載内容を原因とするお客様の直接あるいは間接的損失および損害については、当社は一切の責任を負うものではありません。 無断で複製、配布等の著作権法上の禁止行為に当たるご使用はご遠慮ください。