イタリア国民投票、否決

12月4日に実施された国民投票で、イタリアは憲法改正案を否決しました。

この投票は事実上、改革案を提唱したレンツィ首相への信任投票であったため、この結果を受けてレンツィ首相はかねてからの公約通り辞意を表明、EU全体の反ユーロ/ポピュリズムの台頭をさらに加速させることとなりました。

2017年3月6日更新

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この国民投票の争点は?

現在のイタリアの法制度では法案の成立に元老院と代議院の議会上下両院の承認が必要となっています。このシステムにより、審議は長期化し法案の速やかな成立を妨げ、イタリアが安定政権を築くことを困難にしている原因とされています。

このような状況を是正すべく、イタリアのレンツィ首相は上院の権限を縮小する大幅な憲法改正を提案。この改革を承認するなら「賛成」、現状の体制維持を支持するなら「反対」という構図になっています。

考えられる影響は?

表面上、今回の投票の主目的は上院の権限縮小ですが、潜在的な争点はもっと大きなものであると言えます。この国民投票が政治・経済・金融政策の観点、またイタリアそしてEUの視点から以下の影響が考えられます。


政治経済的影響

今回の国民投票の結果を受けてレンツィ首相が辞任することにより、首相が推進してきた改革が停滞し今後イタリア政治経済の不安定化が加速することが予想されます。

2017年にはフランスとドイツで大きな選挙を控え、今回のイタリアの国民投票はEU全体の将来を左右する重要な局面と位置付けられていました。憲法改正案が否決されイタリア政治経済の不安定化要因が増したことは、既にイギリスのEU離脱決定とアメリカ大統領選におけるトランプ氏の勝利で勢いづいている欧州統合懐疑派の立場を一層強固なものとしました。


金融マーケットへの影響

国民投票結果の影響はまず最初に金融マーケットに発生し、次にリアル経済に波及すると見られています。
一般的には、改革案が「承認」された場合よりも「否決」された場合の方が影響の度合いは大きくなると予想されます。最も影響を受けるのが銀行セクターであると見られています。イタリアの銀行は非常に脆弱な状態にあり、どのような変化もヨーロッパ銀行セクター全体に波及する可能性があります。そのような影響が銀行システムをひっ迫している巨額の不良債権や モンテ・デイ・パスキ・ディ・シエナ銀行ウニクレディト銀行 が提案している増資に対して具体的にどう関係してくるかは不明ですが、ウニクレディト銀行が国民投票後の12月14日に新しい事業プランの発表を予定しているのは偶然ではないでしょう。

「否決」の結果はまたヨーロッパ市場全体を揺るがすと考えられています。EUR/USDEUR/GBPEUR/CHF等の主要通貨ペアを含むユーロ市場、 DAXCACFTSEを含む株式市場が影響を受けるでしょう。国民投票の結果がユーロ圏や銀行セクターへの脅威となった場合、米国、アジアの株式市場などその悪影響はグローバル市場にまで及ぶ危険性があります。


イタリアの信用格付け

政治経済における混乱はイタリアの信用格付けにもダメージを与え、イタリア政府や地方自治体、企業の借入コストも引き上げることとなります。カナダの格付会社DBRSはイタリア国債に対する最上レベルの格付けを維持しましたが、見通しに関してはネガティブの判断で現在の格付けは国民投票後に見直すとしています。イタリア国債を最低レベルの投資グレードBBBマイナスに設定しているフィッチ、ムーディーズ、S&Pの大手3格付機関も同様に国民投票後の見直しを予定しています。

国民投票を控え、多くの国内・海外投資家がイタリアへの投資計画を一時的に凍結しています。今回の憲法改正案が否決された場合、雇用や成長への大きな負担とともにイタリアを取り巻く環境は急速に悪化する危険性があります。

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