オークション方式の定義

オークション方式とは？

オークション方式とは「価格優先」と「時間優先」の原則に基づき、売りと買いの注文を成立させる方式のことをいいます。オークション方式では、買い手は許容できる範囲で最も高い価格を示します。一方、売り手は許容できる範囲で最も低い価格を示します。

オークション方式の種類

取引所が実施するオークションの種類は、時間帯と注文の需給により異なります。オークション方式には一般的に3つの種類があります。

• オープニングオークション
  オープニングオークションでは、取引の開始前に板寄せに参加するための注文受付時間を設け、その注文受付の締切りと同時に板寄せを行います。
  ※板寄せとは
  成行注文を優先し、次に高い価格の買い注文と低い価格の売り注文を突き合わせて、売りと買いの数量が合致した時に約定値段として売買を成立させる方法のことです。価格は取引所で決定されます。
• イントラデイオークション
  イントラデイオークションでは、取引時間の間、取引所が買い手と売り手の注文を随時突き合わせます。売りと買いの注文量と価格に応じて約定価格が決定されます。
• クロージングオークション
  クロージングオークションでは、その日の取引終了時間に終値を決定します。

オークション方式のルール

オークション方式は、取引所で働く専門家によって実施されます。つまり取引所は、買い手と売り手の仲介役となっています。オークション方式には①成り行き注文は指し値注文よりも優先する「価格優先の原則」と、②注文を出した時間が早い順に売買が成立する「時間優先の原則」というルールがあります。このルールに基づいて、取引所は売り手と買い手の注文を突き合わせていきます。

なお、取引所を介さずに当事者同士で直接売買することを店頭取引（OTC）といいます。

オークション方式の例

3人の投資家がABC社の株式を買おうとしています。それぞれ100円、110円、120円の買い価格を提示しています。同時に3人の投資家がABC社の株式を売ろうとしています。それぞれ80円、90円、100円の売り価格を提示しています。この場合、取引所は100円の買い手と100円の売り手の注文を突き合わせて売買を成立させます。注文が成立したことにより、直近のABC社の株価は100円となります。

なお、取引が成立しなかった他の投資家は直近の株価100円を基準に、新たに注文を出すかどうかを判断します。