12日後場の東京株式市場で村田製作所など電子部品関連株が高い。ファーウェイ(華為技術)の孟晩舟・副会長兼最高財務責任者(CFO)をカナダ当局が米国の要請に応じて逮捕した事件で、カナダ・バンクーバーの裁判所が11日、孟氏の保釈を認める決定を下したことを受けて買い戻される展開となった。
午後1時48分現在、村田製作所は前日比635円(4.01%)高の1万6480円、有沢製作所は17円(2.18%)高の796円、TDKは前日比200円(2.58%)高の7940円。
ファーウェイは日本企業から大量に部品を調達している。コンシューマー向け端末事業グループを率いる余承東氏は2016年に国内メディアに対し、同社のハイエンド・スマートフォンの部品のうち50~60%が日本企業から調達したものだと述べている。
昨年の日本での調達額は43億6000万ドル(約4900億円)とみられており、さらなる増加が見込まれていた。
ファーウェイは世界シェアで首位サムスン電子との差を縮めており、ガートナーが今月発表した18年7~9月期における世界スマホ市場のベンダー別販売台数では2位につけている。シェアは13.4%で、サムスンの18.9%に次ぐ。前年同期のシェアはサムスンが22.3%、ファーウェイが9.5%だった。
裁判所、米国への身柄引き渡しを判断へ
孟氏は保釈の条件として、1000万カナダドル(約8億5000万円)の保釈金を支払う。バンクーバーの自宅で暮らせるが、追跡装置を身につける必要がある。また、数通所有しているとされるパスポートは押収され、夜間外出を禁じられるという。
米国は8月に詐欺容疑で孟氏の逮捕状を発行した。ファーウェイは香港の関連会社、スカイコムを通じてイランと取引をしていたが、ファーウェイとスカイコムは無関係であると複数の米金融機関に対し、孟氏がウソをついたとしている。
今後の焦点は米国に身柄を引き渡すかに移る。米国の正式な要請に基づいて身柄引き渡しの是非を別途判断する、と裁判所は表明。来年2月に次回の審理を開く予定。