ドル高の「トレンド化」を見極める1ヵ月

ドルインデックス、ついにレンジを上方ブレイク

Source: Bloomberg

インターコンチネンタル取引所(ICE)が算出しているドルインデックスは、1月下旬以降続いてきたボックスレンジ93.00-95.00を上方ブレイクしています。米連邦準備理事会(FRB)が算出しているドルインデックスもボックスレンジ113.00-115.00の上限をトライするムードが強まっている点を鑑みるに、外為市場では再びドル高圧力が強まっていると判断していいでしょう。
ハト派寄りとされた連邦公開市場委員会(FOMC)議事録(2/18)やイエレンFRB議長の議会証言(2/24-25)を受けて尚、米ドルの総合的なトレンドを示すドルインデックスが再び上昇トレンドを強めてきた背景には、以下3つの要因が挙げられます。
そしてこの3つの要因は、今後ドル高がトレンド化するかどうかの重要なファクターともなるでしょう。


【ドルインデックス-ICE算出】


【ドルインデックス-FRB算出】


【レンジを上方ブレイクするドルインデックス(ICE)】


ドル高のトレンド化、その鍵を握る3つの要因

要因①米指標データ

ドルインデックスがレンジの上限95.00をローソク足の実体ベースで上方ブレイクしたのが、2月26日。同日にユーロドルはレンジの下限1.1200レベルを下方ブレイクしています。これらレンジブレイクを促したきっかけは何か?
最初のそれは、1月の米消費者物価(CPI)コアが市場予想を上回ったことでした。また、3月2日に発表された1月の個人消費支出(PCEコアデフレータ―)も前月比で+0.1%と堅調な伸びを示し、今度はドル円が節目の120円を突破しました。
イエレンFRBは、6月利上げに向け低インフレ状態がハードルになると考えています。逆に言えば、低インフレ状態から脱するための重要なファクターである労働市場の改善と物価指数の上昇幅が市場の予想を上回り続ければ、6月利上げの可能性が高まるということです。そこで注目すべきは、2月の雇用統計(3/6)と同月CPIコア指数(3/24)でしょう。前者で労働市場の改善と賃金インフレ傾向が確認され、且つ後者が引き続き強い伸びを示せば、米金利の低下圧力が後退することでさらにドル高圧力が強まる可能性が高まります。

 

要因②欧州中央銀行(ECB)の緩和強化

ユーロドルがレンジの下限1.1200レベルを下方ブレイクしたその日に、ドイツの7年債利回りが初めてゼロ水準以下となりました。10年債利回りも0.30%台の下方ブレイクが次第に明確化しています。一方、2月最終週の欧州株式市場はドイツDAXが3.18%、フランスCAC40が2.50%、イタリアFTSEMIBが2.27%と、騰勢を強めました。同時に発生した「ユーロ売り・独金利低下・欧州株高」相場の背景にあるのは、言うまでもなくECBの緩和強化です。
ECBは今月より月額600億ユーロ規模の国債購入を行うことで大量の緩和マネーを市場に供給します。これは、マネタリーベースの観点(米欧金融政策の方向性の違い)から中長期的に独金利の低下とユーロ安要因となるでしょう。それはドルインデックスの構成比率で57%以上を占めるユーロが、同じく緩和マネーで売り圧力が強まりやすい日本円と共にドル相場を支えるという構図がより鮮明になることを意味します。

 

要因③米株高

2月以降、米国株式は騰勢を強めています。そして再び調整局面が訪れるとしても、それは4月になる可能性があります。理由は、昨年から米株の調整が入るタイミングには一定のパターンが見られるからです。
2014年以降からの米株の調整パターンを確認すると、原油価格の急落によりリスク回避ムードが強まった昨年の12月以外、すべてが米企業決算シーズン前かシーズンに絡んで不安定化する傾向が見られます(2014年の調整時期:1/2-2/3、7/17-8/7、9/22-10/16、12/5-12/16)。その理由として、決算シーズン前に上値トライを続けてきたため、シーズンが到来する前に一度利益確定やポジション調整が入りやすいこと(決算シーズン前)、そして2015年1月決算のように強弱まちまちの内容が続いた場合、その動き(利益確定もしくはポジション調整)が継続しやすいこと(決算シーズン中)が挙げられます。
次の米決算シーズンは4月です。上記の調整入りパターンに当てはめた場合、今月の米株はリスク選好トレンドが継続する可能性があります。
もちろん、米株にとってのリスクイベントはいくつかあります。今月最も注目すべきリスクイベントは米連邦公開市場委員会(FOMC)でしょう。しかし、すでにイエレンFRB議長が先月の議会証言で地ならし発言をしていることもあり、声明文内の「辛抱強くなれる(be patient)」という文言を削除してきても、米株が大きく崩れる可能性は低くなっています。3月にかけて米株での上値トライが継続すれば、米金利もそれに追随し上昇するでしょう。「米株高+金利上昇」となれば、ドル高のトレンド化が明確化してくるでしょう。

 

要因①米指標データ

ドルインデックスがレンジの上限95.00をローソク足の実体ベースで上方ブレイクしたのが、2月26日。同日にユーロドルはレンジの下限1.1200レベルを下方ブレイクしています。これらレンジブレイクを促したきっかけは何か?
最初のそれは、1月の米消費者物価(CPI)コアが市場予想を上回ったことでした。また、3月2日に発表された1月の個人消費支出(PCEコアデフレータ―)も前月比で+0.1%と堅調な伸びを示し、今度はドル円が節目の120円を突破しました。
イエレンFRBは、6月利上げに向け低インフレ状態がハードルになると考えています。逆に言えば、低インフレ状態から脱するための重要なファクターである労働市場の改善と物価指数の上昇幅が市場の予想を上回り続ければ、6月利上げの可能性が高まるということです。そこで注目すべきは、2月の雇用統計(3/6)と同月CPIコア指数(3/24)でしょう。前者で労働市場の改善と賃金インフレ傾向が確認され、且つ後者が引き続き強い伸びを示せば、米金利の低下圧力が後退することでさらにドル高圧力が強まる可能性が高まります。



【鍵を握る3つの要因】

本レポートはお客様への情報提供を目的としてのみ作成されたもので、当社の提供する金融商品・サービスその他の取引の勧誘を目的とした ものではありませ ん。本レポートに掲載された内容は当社の見解や予測を示すものでは無く、当社はその正確性、安全性を保証するものではありません。また、掲載された価格、 数値、予測等の内容は予告なしに変更されることがあります。投資商品の選択、その他投資判断の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたしま す。本レポートの記載内容を原因とするお客様の直接あるいは間接的損失および損害については、当社は一切の責任を負うものではありません。

無断で複製、配布等の著作権法上の禁止行為に当たるご使用はご遠慮ください。

IGアカデミー

無料のオンラインコースや各種ウエビナー、セミナーなど、IGが提供する豊富な学習プログラムを通じてトレードの方法を学び、トレードに関する知識を深めることができます。