ドル高回帰は米株の動向次第

Market Overview

14日の海外外為市場はレンジ相場となった。円相場は昨晩発生した熊本の地震を受けリスクを回避する動きから一時的に円買い圧力が強まった。これによりドル円(USD/JPY)は108円台へ下落する局面が見られたものの、欧米株式市場が堅調さを維持したこともあり、その後は再び円売り優勢の展開に。ただ、その動きも限定的でコアレンジ109.00-109.50で売り買い交錯の状況が継続した。クロス円もUSD/JPYに連動する展開となった。

一方、ドル相場もレンジ相場となった。ユーロドル(EUR/USD)は直近高値からのリトレースメント38.20%上でサポートされたが、21日MAの再突破はならず。また、資源国&新興国通貨も対ドルで強弱まちまちの展開となったことで、ドルインデックスは陽のコマが出現しての小動きとなった。

尚、この日の原油価格(WTI5月限)はドーハ会合(17日)での原油増産凍結協議を前に利益確定売りが優勢となったが、下落幅は限定的だった。

NYSE

Analyst's view

世界的な株高傾向は継続中。投資家の不安心理を表すVIX指数は13.72と低空飛行を維持している。原油価格(WTI5月限)は反落基調だが、イベント前の調整の色合いが強く、現時点ではリスク回避圧力を強める要因ではない。

こような状況の中、昨日の動向で筆者の興味を惹いたのが、堅調なドル相場だった。実際、ドル相場の方向性を示すドルインデックスは続伸し底打ち感を強めている。直近の冴えない米指標データ(小売売上高・生産者物価指数・消費者物価指数)を考えるならばむしろ意外なほどドルが強く、直近の反転の理由は指標データ以外に求める必要があろう。その候補として浮上するのが、イエレンFRBのハト派スタンスを米国マーケットが完全に織り込んでいる可能性だ。直近のドル買戻しがそのシグナルならば、今後はドル相場が反転攻勢(=ドル高圧力)を強める可能性が高い。そのバロメーターとして注視すべきは米株の動向だろう。下図パフォーマンス比較チャートで米金利の動向を確認すると、4月以降、米金利は各利回りゾーンで上昇圧力を強めていることがわかる。7日以降からその傾向が強まっている点を考えるならば、米株高の影響を受けていることは明白。イエレンFRBのハト派スタンスを完全に織り込み且つドル高リスクが意識されて尚、米株高が継続するならば、米金利は上昇トレンドを描こう。「株高+金利上昇」のトレンドが形勢されれば、外為市場では「リスク選好のドル高」トレンドが再び発生しよう。その場合、円相場での円安の牽引役はクロス円からドル円となろう。

もちろんそのような展開となるには、目先、米四半期決算を乗り切ることが前提条件となる。昨日発表されたバンク・オブ・アメリカのQ1決算は減収減益だったが、1株利益が市場予想を上回った。このため同行株をはじめとした金融セクターは続伸し、ダウ平均は1万7,926.43ドルと終値として今年の最高値を2日連続で更新した。一方、S&P500指数も4か月ぶりの高値水準を維持している。

【米金利比較チャート】赤:2年債 青:5年債 黄:10年債 緑:30年債

米金利比較チャート

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