焦点は米指標データと株式動向

Market Overview

「ドル安=株高」に変化の兆し

日米欧そして中国の株式パフォーマンスを週間騰落率で確認すると、2週連続でマイナスとなった。一方、外為市場ではドル安が進行し続けた(ドルインデックスは93.50-95.00レンジの下限を下方ブレイクし91.91まで下落した)。3月中旬以降のドル安は、株高要因となり続けてきたが、直近の株式動向はその関係に変化の兆しが出始めていることを示唆している。

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Analyst's view

今後の米指標データに要注意

「ドル安=株高」の関係が構築された背景にあるのが「米利上げペースの鈍化」であることは言うでもない。今後その関係が完全に崩れるならば、それはドル安の理由の変化に起因する可能性があろう。具体的には「利上げペースの鈍化」から「景気先行き不透明感」へドル安の理由が変化することである。

4月の米連邦公開市場員会(FOMC)声明の冒頭分では米経済の減速兆候に関する文言が盛り込まれた。そして実際の指標データでは、米経済のけん引役である個人消費(1-3月期)が前期比年率1.9%増と、前期の2.4%増から減速。これが影響し、GDP(同期)は直近2年で最も遅いペース(前期比0.5%増)となった。経済成長のペース鈍化は利上げペースの鈍化につながることから「米金利低下→ドル安」となるのは想定の範囲内。注視すべきは、FOMC声明や米GDPの内容に呼応しリスク選好の先導役である米株の下落幅が拡大傾向にある事実であり、これは「米利上げペースの鈍化」よりも「景気先行き不透明感」の方に今後の米株が敏感に反応しやすい局面へシフトしていることを示唆している。
そのファンダメンタルズを見極めるためには指標データが重要となってくるが、米経済の成長スピード鈍化に呼応するように米雇用統計(4月)も冴えない内容となった(完全雇用に近い水準まで回復してきた事実を考えると、今後はこれまでのような雇用増のペースを保つことは困難となる可能性あり)。13日の小売売上高(4月)やミシガン大学消費者態度指数速報値(5月)までが冴えない内容となれば、上述した通り「景気先行き不透明感」の方が強く意識されることで米株の調整色がさらに強まる展開が想定される。リスク選好の先導役である米株が反落すれば、グローバル株式市場も不安定化し、外為市場では円高圧力が強まろう。

ドル円の下値ポイント

ドル高に期待でいない以上、ドル円(USD/JPY)のトレンドはクロス円次第の状況が継続しよう。クロス円は、グローバル株式市場の動向に左右されるだろう。そしてグローバル株式市場は、米株の動向に左右される可能性が高いが、上述した展開となればリスク選好の先導役が不在となる。そうなればクロス円はドル安以上に株安を背景とした円高圧力の方が勝り、下値トライの展開となろう。
クロス円が崩れれば、ドル円(USD/JPY)は当然下値トライの展開となろう。その場合、注視すべきサポートポイントは3つ。まずはヘッドアンドショルダーの起点となった105.20レベル。105.00に厚いビッドが観測されている点も考えるならば、105.20-105.00をサポートゾーンと想定したい。第2のポイントは、輸出企業の採算レートである103.20レベル(内閣府調べ)。このレベルを下方ブレイクするムードが高まる場合、円売り介入への警戒感が相当高まることが想定される(実際に踏み切ることができるかどうかは別問題)。そして最後のポイントは2014年2月から7月頃まで相場をサポートし続けた101.00である。

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